台湾の歴史と鄭成功の煙幕戦術 厦門大学教授が見る巧妙な戦略 video poster
台湾の歴史を語るとき、17世紀の将軍・鄭成功と、その巧妙な軍事戦略は欠かせない存在です。中国本土の厦門大学で台湾研究を行うDeng Kongzhao教授は、とくに鄭成功がオランダ勢力から台湾を奪回する際に用いた煙幕戦術に強い関心を寄せています。
17世紀の将軍・鄭成功と台湾の奪回
17世紀、鄭成功はオランダ勢力に支配されていた台湾を取り戻すため、周到な作戦を練ったとされています。Deng教授が評価するのは、単なる武力だけでなく、敵を巧みに欺く戦略を組み合わせた点です。
台湾を奪回する過程で用いられたとされる煙幕の戦術は、戦場に煙や視界不良を意図的に作り出し、敵の目をくらませる手法でした。これにより、相手は味方の位置や規模を正確に把握できず、攻撃と防御の判断を誤りやすくなります。
厦門大学・Deng Kongzhao教授が注目する煙幕戦術
Deng Kongzhao教授は、中国本土の厦門大学にあるGraduate Institute for Taiwan Studiesで教鞭をとる、台湾研究の専門家です。教授は17世紀の将軍・鄭成功の戦いぶり、とくに台湾をオランダ勢力から回復するための戦略を高く評価しています。
なかでも印象的だと語られているのが、煙幕を使った欺瞞の戦術です。煙幕は、単に視界を遮るだけではありません。Deng教授が重視しているのは、次のような効果です。
- 敵の認識を混乱させ、本当の攻撃方向や兵力を見誤らせること
- 自軍の動きを隠し、少ないリスクで有利な位置を確保すること
- 相手の不安や恐怖をあおり、戦意や指揮系統を崩すこと
こうした観点から、Deng教授は鄭成功の戦略を「力だけに頼らない、知略の勝利」として評価していると考えられます。
歴史のだまし合いと現代の情報戦
2025年のいま、軍事の世界だけでなく、ビジネスや政治、サイバー空間に至るまで、「情報をどう見せ、どう隠すか」は重要なテーマになっています。鄭成功の煙幕戦術は、物理的な煙を使った作戦でしたが、その本質は情報のコントロールにあります。
見えないところで勝敗が決まる時代
現代では、SNSやオンラインメディアを通じて、膨大な情報が一瞬で拡散します。こうした中で、何を強調し、何を目立たなくするかという判断は、企業や組織、国家にとって大きな意味を持ちます。
鄭成功が煙幕で敵の目をくらませたように、現代ではデータやメッセージの選び方が、人々の認識や意思決定を左右します。Deng教授が鄭成功の「煙幕」に魅力を感じる背景には、歴史的な戦いの中に、現在にも通じる情報戦のエッセンスを見ているからだと捉えることもできるでしょう。
台湾の歴史を通して東アジアを考える
台湾の歴史は、地域と世界のさまざまな勢力が交差してきた歴史でもあります。オランダ勢力と鄭成功、そしてその後の歩みをどう理解するかは、今日の東アジアを考えるうえでも無関係ではありません。
中国本土の研究機関である厦門大学の研究者が、台湾奪回の戦略をどのように読み解いているのかに目を向けると、台湾をめぐる歴史が、単なる過去の出来事ではなく、今を考えるヒントとして立ち上がってきます。
台湾の歴史を貫くさまざまな戦略や選択を「Taiwan Through the Ages(#Taiwanthroughtheages)」という視点から見ていくことで、私たちは、現在のニュースや国際情勢をより立体的に理解できるようになるかもしれません。
スキマ時間に歴史を振り返りながら、情報や戦略について自分なりの見方を更新してみる。そのきっかけとして、鄭成功の煙幕戦術とDeng Kongzhao教授の視点は、2025年の私たちにも静かな問いを投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








