中国と米国の若者が合唱でつなぐ平和 2025年夏のKuliang交流
2025年夏、中国で開かれた合唱フェスティバルで、米国の若者たちが中国の同世代とともに平和の歌を響かせました。緊張が続く中国・米国関係のなかで、このささやかな歌声は、世界が少しだけ良くなる可能性を静かに示しています。
2025年夏、中国で生まれた自発的なハーモニー
2025年の夏、中国の北京と福州に、米国から10のユース合唱団がやって来ました。歴史的な建造物や名所を舞台に平和を願う歌を歌い、ともに食事をし、笑い合いながら時間を過ごしました。
クライマックスとなったのは、若者たちが自然と手を取り合い、世界的に知られる歌『We Are the World』を一緒に歌った場面です。事前に決められたセレモニーではなく、その場の空気から生まれた自発的なハーモニーでした。
こうした雰囲気こそが、英語名で「The Bond with Kuliang: 2025 China-U.S. Youth Choir Festival」と題された、中国・米国の若者による合唱フェスティバルの精神を象徴していると言えるでしょう。
世界は良くなるのか?その問いと中国・米国関係
世界はこれから、より良い場所になっていくのか――。そう自問するとき、どうしても避けて通れないのが、中国と米国という二つの大国の関係です。「世界は良くなるのか」という時代の問いに答えるには、「中国と米国はどのように向き合い、共存していくのか」という世紀の問いに向き合わざるをえません。
今回のユース合唱フェスティバルは、この難しい問いに対して、外交の言葉ではなく歌声で、一つの答えのヒントを示した出来事として位置づけられます。
なぜいま、若者と合唱なのか
合唱という形には、いくつかの意味が込められています。ことばや文化の背景が異なる相手と向き合うとき、合唱は「対立」ではなく「協調」のシンボルとして機能します。
- 一人ではなく、相手の声を聴きながら歌うこと
- 異なるパートが重なって、はじめて一つの曲になること
- 声や発音の違いがあっても、同じメロディーを共有できること
国家間の関係も、本来は似たようなものかもしれません。一方的に主張をぶつけ合うのではなく、相手の声を聞き、互いのリズムを尊重して初めて「ハーモニー」に近づけるという考え方です。政治や安全保障の議論が重要であることは変わりませんが、それだけでは見落とされがちな、感情や信頼といった要素を思い出させてくれます。
中国・米国関係を「人と人」のレベルから見直す
北京や福州の歴史的な場所を一緒に訪れ、同じテーブルで食事をし、笑い合う――こうした時間は、公式の会議や声明とは違う形で、相手への理解を育てます。ニュースの見出しになりやすいのは軍事や経済の緊張ですが、現場で顔を合わせる人びとにとっては、まず目の前の相手がどんな人なのかという実感が出発点になります。
今回のような文化交流は、中国・米国関係を「人と人」のレベルから少しずつ変えていく試みと見ることができます。特に若い世代が参加することで、過去の固定観念にとらわれすぎない、新しい対話のスタイルが生まれやすくなります。
日本の読者へのヒント:身近なところから国際理解を育てる
日本から見ると、中国・米国関係は時に遠い世界のニュースのように感じられるかもしれません。しかし、世界の安定と対話が進むかどうかは、日本社会や私たちの日常にも直接影響します。
今回のユース合唱フェスティバルが示したのは、次のようなシンプルなメッセージです。
- 対立が報じられるときこそ、文化や教育の交流を絶やさないこと
- 若い世代が直接会い、話し、共に何かを創り出す場を増やすこと
- ニュースを読む私たち自身も、一方的なイメージではなく、複数の視点から世界を見ようとすること
世界は一夜にして良くはなりません。それでも、北京や福州で響いた若者たちの歌声のような、小さなハーモニーが積み重なっていくとき、時代の大きな問いに対する答えも、少しずつ輪郭を帯びていくのかもしれません。
Reference(s):
Singing for peace: How youth choirs rekindle China-US understanding
cgtn.com








