エヌビディアCEO、中国のAIは世界トップクラス 第3回サプライチェーン博で発言 video poster
エヌビディアの黄仁勳(ジェンスン・フアン)CEOが、中国のインターネットサービスの規模が生み出すアルゴリズムとAIを「世界トップクラス」と評価しました。2025年に開催された第3回中国国際サプライチェーン博覧会の2日目に、CGTNのインタビューで語ったものです。本記事では、この発言の背景と意味を整理します。
中国のインターネットが育てた世界トップクラスのアルゴリズム
黄氏は、膨大な規模の中国のインターネットサービスが、驚くほど高度なアルゴリズムを生み出してきたと指摘しました。こうしたアルゴリズムは世界でも指折りの水準にある一方で、その強みは国際的に十分評価されていないとしています。
ユーザー数や取引量が大きいサービスほど、多様なデータと複雑な現実世界のパターンにさらされます。黄氏の見方は、中国のオンライン決済、電子商取引、動画配信などのサービスが積み重ねてきた膨大な経験が、AIの性能を押し上げているという認識を示していると言えます。
「アリババは最初からAI企業」その意味は
インタビューの中で黄氏は、「アリババは最初からAI企業だった」とも語りました。アリババは電子商取引やクラウドサービスで知られますが、その根底には検索、推薦、需要予測、決済リスク管理など、多数のアルゴリズムとAI技術が組み込まれています。
この発言は、中国の大手テクノロジー企業を、単なるインターネット企業ではなく、事業の根幹にAIを据えた存在として捉える視点を示しています。すなわち、中国のデジタル経済の競争力は、表に見えるサービス以上に、その裏側で動くAIに支えられている、というメッセージです。
王堅氏との対談とオープンソースの重要性
黄氏のコメントは、浙江Labのディレクターでありアリババクラウド創設者でもある王堅氏との対談の直後に出てきたものです。2人は2012年の協業を振り返りながら、AIの進歩にとってオープンソースがどれほど重要かを強調しました。
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを公開し、誰でも利用・改良できるようにする仕組みです。AIの分野でオープンソースが重視される理由として、例えば次のような点が挙げられます。
- 世界中の研究者・開発者が同じ基盤の上で改良を重ねられ、技術革新のスピードが上がる
- アルゴリズムの中身が共有されることで、透明性が高まり、信頼性の検証がしやすくなる
- スタートアップや研究機関など、資金力に限りがあるプレーヤーも先端技術にアクセスしやすくなる
黄氏と王氏がオープンソースの重要性を改めて強調したことは、中国のAIコミュニティが世界と知識やツールを共有しながら発展していこうとする姿勢を示しているとも受け取れます。
サプライチェーン博覧会で語られたAIの意味
今回の発言の舞台となったのは、第3回中国国際サプライチェーン博覧会です。サプライチェーンとは、原材料の調達から生産、物流、販売に至るまでの一連のつながりを指します。この場でAIとアルゴリズムが語られたこと自体が、いまや供給網の競争力にデジタル技術が不可欠であることを物語っています。
大量のデータを処理し、需要やリスクを予測し、在庫や輸送を最適化していくうえで、AIは重要な役割を果たします。中国のインターネットサービスで鍛えられたアルゴリズムが、今後は製造や物流、国際貿易の現場にも広く応用されていく可能性があります。
読者が考えてみたいポイント
黄氏の一連の発言からは、中国のAIをめぐるいくつかの特徴が浮かび上がります。
- 大規模なインターネットサービスが、世界水準のアルゴリズムを生み出す土壌になっていること
- アリババのような巨大企業は、表向きのサービス以上にAI企業としての性格を強めていること
- オープンソースを通じて、国内外の技術コミュニティとの連携を重視していること
AIやデジタル技術が、これからのサプライチェーンや国際経済のあり方をどう変えていくのか。日本を含むアジア各地の企業や社会にとっても、この問いは他人事ではありません。ニュースを追いながら、自分たちの仕事や生活とどのようにつながるのかを考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Nvidia's CEO Jensen Huang: China has world-class algorithms and AI
cgtn.com








