中国が米上院民主党の「中国脅威」報告書に反発 平和外交と協力を強調
米国上院外交委員会の民主党議員らがまとめた「中国脅威」を強調する報告書に対し、中国外務省が強く反発しました。米中関係が世界全体に影響を与える中、この言葉の応酬は何を示しているのでしょうか。
米上院民主党の報告書、何が問題視されたのか
今回、中国が批判しているのは、米国上院外交委員会に所属する民主党議員らが作成した報告書です。報告書は、米国の「世界での評判と影響力」を回復するために議会の行動を求めるとともに、中国に「世界のリーディング・パワー」の地位を奪われないよう対策を講じるべきだと主張しているとされています。
つまり、この報告書は中国を、米国の地位を脅かしかねない存在として位置づけ、いわゆる「中国脅威論」を前提に議論を組み立てているとみられます。
中国外務省「冷戦思考と大国対立をあおる」
金曜日に行われた定例記者会見で、中国外務省のリン・ジエン報道官は、この報告書について質問を受けました。リン報道官は、報告書は「冷戦思考」に満ちており、「大国間対立」をあおり、「いわゆる『中国脅威』という虚偽の物語」を広めていると批判しました。
そのうえで、報告書の「本当の狙い」は中国を標的にし、抑え込むことにあるとして、中国はこれに「断固反対する」と明言しました。
「独立した平和外交」と「影響力争いはしない」と強調
リン報道官は、中国は「独立した平和外交」を一貫して掲げ、「常に国際社会にとって前向きで安定した善の力として振る舞っている」と述べました。また、中国はどの国とも「影響力を競い合うつもりはなく、そのような争いには加わらない」と強調しました。
中国側は、自国の外交は対立や排除ではなく、安定と協力を重視したものだと位置づけ、報告書が描く「脅威」としての中国像とは大きく異なる姿を示そうとしています。
米中関係で中国が求める「正しい認識」
米中関係について、リン報道官は、中国は「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィンの協力」という三つの原則に基づき、米国との関係を見ていると述べました。これは、双方が相手を敵視せず、協力の余地を探るべきだというメッセージといえます。
そのうえで、報告書を出した米側の関係者に対し、次のような対応を求めました。
- 中国に対する「正しい認識」を育てること
- 中国および米中関係を、客観的かつ理性的に見ること
- 中国への攻撃や中傷、「封じ込め」をやめること
- 安定的で健全かつ持続可能な米中関係の構築に貢献すること
中国外務省としては、米側の言動が「中国脅威論」を前提にした対抗一辺倒のものではなく、対話と協力に開かれたものへと変わることを求めているといえます。
どう読むか:脅威か、パートナーか
今回のやり取りからは、米中双方の「物語」の違いが浮かび上がります。一方には、中国を将来の「覇権争いの相手」として描く視点があり、もう一方には、「平和外交」と「協力」を軸に関係を築きたいという主張があります。
もちろん、国益をめぐる利害が完全に一致することはありません。しかし、相手を一方的に「脅威」と決めつけるか、それとも「意見の異なる重要なパートナー」と見なすかで、取れる選択肢は大きく変わります。
2025年12月の今も、米中関係は世界やアジアの政治・経済の行方を考えるうえで外せないテーマになっています。両国がどのような言葉を選び、どのような姿勢で向き合うのかを丁寧に読み解くことが、これからの世界を考えるうえで大切になりそうです。
Reference(s):
China slams U.S. Senate Democrats report for hyping up 'China threat'
cgtn.com








