中国で初の縦型ドラマ全国賞 CMGが煙台で表彰式 video poster
中国メディアグループ(China Media Group, CMG)が、山東省煙台市で初の全国規模となるショートフォーム縦型ドラマの表彰「CMG China Short-Form Vertical Drama Awards」を開催しました。急成長する中国のショートフォームコンテンツ産業を象徴する国際ニュースとして、日本の視聴者やクリエイターにとっても注目すべき動きです。
山東省煙台で「縦型ドラマ」初の全国表彰
今回のアワードは、中国メディアグループ本体に加え、動画プラットフォームのヤンシーピン(Yangshipin)、CMG映画・ドラマ・ドキュメンタリー番組センター、そして山東省煙台市政府が共同で開催しました。2025年、中国のショートフォーム縦型ドラマを対象にした全国的な表彰としては初の試みです。
概要を整理すると、次のようになります。
- 名称:CMG China Short-Form Vertical Drama Awards
- 開催地:山東省・煙台市
- 主催:中国メディアグループ(CMG)
- 共催:ヤンシーピンプラットフォーム、CMG映画・ドラマ・ドキュメンタリー番組センター、煙台市政府
- 目的:中国のショートフォーム縦型ドラマと、その制作チーム・クリエイターを全国規模で顕彰すること
授賞式では、急成長を続ける中国のショートフォームコンテンツ産業に光を当てる演出が行われ、縦型ドラマという新しいフォーマットの存在感が強調されました。
ショートフォーム縦型ドラマとは?
今回のアワードが対象とする「ショートフォーム縦型ドラマ」とは、スマートフォン視聴を前提に作られた、短尺かつ画面が縦向きのドラマ作品を指します。1話あたり数分前後で完結し、通勤時間やスキマ時間に気軽に視聴できるのが特徴です。
主な特徴を挙げると、次のようになります。
- スマホ前提:縦向きの画面構成で、スマートフォンをそのまま持つだけで視聴可能
- 短い尺:1話数十秒〜数分程度で、テンポのよい展開が求められる
- 連続性:短い話を多数つなぐことで長い物語世界を構築するスタイル
- プラットフォーム発:動画アプリやオンライン配信サービスで拡散されやすい設計
ドラマと短編動画の要素が重なり合うことで、従来のテレビドラマとは違うストーリーテリングや演出が生まれています。特にデジタルネイティブ世代の視聴習慣に合わせた形で発展している点が特徴的です。
なぜ今、中国で盛り上がるのか
今回のアワードが示すように、中国ではショートフォーム縦型ドラマが一つの産業として注目される段階に入っています。その背景として、次のような要因が考えられます。
- スマートフォンの高い普及率と長時間のモバイル利用
- 動画配信サービスやショート動画アプリの競争激化によるコンテンツ多様化
- 若い視聴者の「早く・短く・どこでも」視聴したいニーズの拡大
- 広告・ブランド連携、電子商取引との掛け合わせによるビジネスモデルの実験
こうした流れの中で、縦型ドラマは単なるトレンドではなく、企画・脚本・撮影・編集のすべてが「スマホファースト」に最適化された新しい映像ジャンルとして位置づけられつつあります。
CMGと地方都市・煙台が組む意味
今回のアワードには、中国を代表するメディアであるCMGと、そのプラットフォームであるヤンシーピン、そして地方都市である煙台市が関わっています。この組み合わせは、中国のショートフォームコンテンツ産業の今後を考えるうえで、いくつかの示唆を与えます。
- 全国ネットワークと新興コンテンツの橋渡し:中央メディアがショートフォーム縦型ドラマを正式な「賞」という形で扱うことで、ジャンル全体の信頼度と存在感が高まります。
- 地方都市のコンテンツ戦略:煙台市にとっては、映像・文化産業の拠点としてのイメージを国内外に発信する機会となります。
- クリエイターへのメッセージ:全国規模の表彰があることで、縦型ドラマを本格的なキャリアの選択肢と捉える若いクリエイターが増える可能性があります。
こうした動きは、ショートフォームコンテンツが一過性のブームではなく、長期的な産業として育てられていく流れの一端と見ることができます。
日本の視聴者・クリエイターにとってのポイント
日本でもショート動画やスマホ視聴はすでに定着していますが、「縦型ドラマ」をここまで前面に押し出した全国規模の表彰はまだ多くありません。今回の国際ニュースは、日本の視聴者や制作者にとっても次のような示唆を含んでいます。
- 視聴スタイルの変化を前提にした企画:最初から縦画面・短尺を前提にした脚本づくりや演出が重要になりつつあります。
- アジア市場を意識したコンテンツ設計:中国の縦型ドラマの表現方法やジャンルの広がりは、日本発コンテンツがアジアで展開する際の参考になりえます。
- 作品の「見られ方」の多様化:テレビ放送、配信、ショート動画、縦型ドラマといった複数のフォーマットをどう組み合わせるかが問われています。
中国のように、ショートフォーム縦型ドラマを独立したジャンルとして位置づけ、表彰制度まで設ける動きが広がれば、アジア全体で新しい映像文化の流れが生まれる可能性もあります。
スマホ時代の「ドラマ」はどこへ向かうか
今回の「CMG China Short-Form Vertical Drama Awards」は、スマホ時代におけるドラマの姿が大きく変わりつつあることを象徴しています。長編ドラマとショートフォーム縦型ドラマは、どちらか一方が生き残るという関係ではなく、視聴シーンやターゲットによって役割を分け合う共存関係に入っていると考えられます。
日本語で国際ニュースを追う読者にとっては、中国のショートフォームコンテンツ産業の動きを知ることが、アジアの映像ビジネスとカルチャーの未来を考えるヒントにもなります。今後、どのような作品が縦型ドラマというフォーマットから生まれ、どのように国境を越えていくのか。次のアワードの動向にも注目していきたいところです。
Reference(s):
Inaugural CMG China Short-Form Vertical Drama Awards held in Yantai
cgtn.com








