中国のヒト型ロボット、世界初の自律バッテリー交換で24時間稼働へ video poster
中国・深圳のロボット企業UBTechが、自律的にバッテリーを交換できるヒト型ロボットを公開しました。世界初とされるこの技術は、製造業の24時間稼働と自動化を一段と加速させる可能性があります。
深圳でお披露目されたヒト型ロボット『Walker S2』
木曜日、中国南部のテック拠点である深圳で、UBTechはヒト型ロボット『Walker S2』を公開しました。公開された映像では、ロボットが自ら電源ステーションの前に立ち、腕を背中の上部に伸ばしてバッテリーパックを引き抜き、新しいバッテリーを差し込む一連の動作を、約3分でこなす様子が確認できます。
交換作業の間、人間のオペレーターは介入せず、ロボットは電源を落とすことなく動作を継続できます。バッテリーを入れ替えると、ロボットはそのまま生産ラインへ戻り、次の作業に向かいます。
世界初の「ホットスワップ」自律交換システム
UBTechのヒト型ロボットには、世界初とされるホットスワップ型の自律バッテリー交換システムが搭載されています。ホットスワップとは、電源を切らずに機器の部品を交換できる仕組みのことです。
この技術により、ロボットは人の手を借りずに自分でバッテリーを交換できるため、充電のために動作を停止する必要がありません。結果として、ロボットが作業から離れる時間は数分程度に抑えられ、ほぼ連続稼働が可能になります。
課題だった「稼働時間」の壁をどう越えたか
これまで多くのロボットにとって、バッテリーの持ち時間は大きな制約でした。深圳人工知能産業協会の樊聰明・常務副会長は、従来のロボットは連続稼働が4時間程度に限られることが多く、生産ラインを止めずに運用するには不利だったと指摘します。
バッテリー交換型の仕組みが普及すれば、ロボットは電池切れのたびに充電のため停止する必要がなくなります。樊氏は、この技術がロボットの連続稼働時間を事実上大幅に延ばし、生産現場での実用性を高めると見ています。
- 充電待ちのための停止時間をほぼゼロにできる
- 生産ラインを止めずに24時間稼働しやすくなる
- バッテリー交換要員などの保守コストを抑えられる
- 工場全体の生産効率を高める効果が期待できる
中国の製造業で進むヒト型ロボット導入
中国の製造業では、ヒト型ロボットを含むロボットの導入が加速しています。今年のはじめから、中国の複数のヒト型ロボット企業が自動車メーカーなどからの受注を獲得し、工場の生産ラインに次々とロボットを送り込んでいます。
現在、ロボットが担う主な仕事は、自動車や電子機器の製造ラインにおける搬送や品質検査などです。エネルギー効率や制御技術の改善によって、ロボットはより長く安定して稼働できるようになり、安全性と信頼性も高まっています。
仏山市にあるロボット製造工場の生産マネジャー・邢凡氏は、工業生産では部品の移動、研磨、溶接、塗装といった作業や、自動車産業での重量物の持ち上げやパレット積みなど、繰り返しで肉体的負担の大きい仕事が多いと話します。そうした領域から、人の労働力をロボットに置き換えているといいます。
急成長が見込まれるヒト型ロボット市場
2024年に上海で開催された世界AI会議で公表されたヒト型ロボット産業の報告書によると、中国のヒト型ロボット市場規模は2024年に約27億6,000万元(約3億8,000万ドル)でした。報告書は、2029年には市場が750億元規模に拡大すると予測しています。
産業関係者によれば、政策的な支援も後押しし、ヒト型ロボットは研究開発段階から実際の現場で使われる段階へと移りつつあります。まずは製造業への導入が進み、その後、価格の低下と量産効果によって、サービス産業、さらに一般家庭へと広がっていく可能性があるとされています。
人とロボットが一緒に働く時代へ
バッテリーを自分で交換できるヒト型ロボットの登場は、工場の生産性だけでなく、働き方のあり方にも影響を与えるかもしれません。単純で反復的な作業はロボットが担い、人はより高度な判断や設計、保守、安全管理といった役割に比重を移していくことが想定されます。
一方で、安全基準の整備や、ロボットと人が同じ空間で協調して働くためのルールづくりも欠かせません。ヒト型ロボットが工場や日常生活に広がるほど、その設計思想や運用ルールが社会全体に与える影響について考える必要が出てきます。
きょうのポイント
- 中国・深圳のUBTechが、自律的にバッテリー交換ができるヒト型ロボット『Walker S2』を公開
- ホットスワップ型の自律交換システムにより、ロボットは電源を落とさず数分で電池を入れ替え可能
- 稼働時間の制約が小さくなり、製造業の24時間稼働や省人化を一段と後押しすると期待される
- 中国のヒト型ロボット市場は、2024年の約27.6億元から2029年には750億元規模への成長が見込まれる
- 今後は工場だけでなく、サービス産業や家庭への普及も視野に入り、人とロボットの役割分担が重要なテーマになりそうです
Reference(s):
China unveils first humanoid robot that can change its own batteries
cgtn.com








