第25回中国・EU首脳会議へ 戦略対話と協力をどう深めるか
中国と欧州連合(EU)の首脳が北京で開く第25回中国・EU首脳会議(サミット)を前に、中国外交部はこの会議が「二者間の戦略的コミュニケーションを強化し、対話と協力を深める」重要な節目になると強調しました。本記事では、その発言内容から、中国・EU関係の現在地と国際社会にとっての意味を整理します。
第25回中国・EU首脳会議とは
中国外交部によると、第25回中国・EU首脳会議は北京で開催され、中国とEUの二者関係をさらに前進させる場として位置づけられています。欧州側からは、欧州理事会議長のアントニオ・コスタ氏と欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏が中国を訪問し、会議に臨む予定であると説明されました。
この首脳会議には、次のような大きな節目が重なっています。
- 中国とEUが外交関係を樹立してから50周年の年であること
- 国連(UN)創設から80周年のタイミングであること
こうした区切りの年に行われる今回の会議について、中国外交部のグオ・ジアクン報道官は、二者だけでなく「世界全体の利益にも資する」と述べ、中国・EU首脳会議を国際ニュースの中でも特に重要なイベントとして位置づけています。
戦略的コミュニケーションを強める狙い
グオ報道官は記者会見で、現在の国際環境について「国際情勢の動揺が強まり、一方主義や保護主義が台頭している」と指摘しました。そのうえで、こうした状況だからこそ、中国とEUの戦略的コミュニケーションを強める必要があると強調しました。
発言から浮かび上がるポイントは、次のように整理できます。
- 世界情勢が不安定化するなかで、主要なプレーヤー同士が対話のチャンネルを保ち、すれ違いを防ぐことが重要視されていること
- 一方主義(自国や一つの勢力の都合を優先する姿勢)や保護主義の広がりに対し、中国とEUが協調を打ち出すことに意味があるとみていること
- 中国とEUの協力は、双方だけでなく「世界全体の利益」に関わると位置づけられていること
中国側は、この首脳会議を通じて、対立よりも対話、分断よりも協力を重視するというメッセージを国際社会に発信しようとしているといえます。
50年で「最も影響力のある関係」の一つに
中国とEUの関係は、この50年で大きく変化してきました。グオ報道官は、両者の関係について「世界で最も影響力のある二国間関係の一つに成長した」と述べています。
中国外交部によれば、これまでの二者協力は次のような成果を生んできたとされています。
- 中国とEU双方の発展と進歩を後押ししてきたこと
- 中国とEUあわせておよそ20億人の人々に、具体的な利益をもたらしてきたこと
- 世界の平和と発展に重要な貢献をしてきたこと
グオ報道官は、こうした協力の積み重ねを「経済のグローバル化の時代における、互恵協力の模範」と表現しています。対立や分断ではなく、利益を分かち合うパートナーシップの一例として、中国・EU関係を位置づけていると言えます。
岐路に立つ中国・EU関係
一方で、グオ報道官は中国・EU関係が「これまでの成果を土台に新たな章を開く、重要な岐路に立っている」との表現も使い、新しい機会と同時に新たな課題にも直面していると説明しました。
その発言からは、次のような構図が読み取れます。
- 50年の協力で築いた土台をどう次の段階につなげるかが問われている
- 新しい課題や意見の違いがある一方で、それを対話によってコントロールしようとする意思が示されている
中国側は、今回の首脳会議を「過去の成果の確認」と「新しい章のスタート」を両立させる場として捉えていることがわかります。
多国間主義・開放・協力へのコミットメント
グオ報道官は、中国がEUと協力し、首脳会議を成功させる用意があるとしたうえで、会議を通じて世界に向けてどのようなメッセージを発信したいかも示しました。
具体的には、次の3点が強調されています。
- より強固な中国・EUパートナーシップへの共同コミットメント
- 多国間主義(多くの国・地域が協調して国際課題に取り組む枠組み)を支持する姿勢
- 開放性と協力を重視する立場を明確にすること
国際ニュースの文脈で見ると、中国とEUという大きなアクターが、多国間協調と開放的な経済秩序を改めて支持するメッセージを出すことは、他の国や地域の政策判断にも一定の影響を与えうる動きと言えます。
ここがポイント:ニュースの押さえどころ
今回の中国・EU首脳会議を理解するうえで、読者が押さえておきたいポイントを整理します。
- 会議は、中国とEUの外交関係樹立50周年と国連創設80周年という節目の年に位置づけられていること。
- 中国外交部は、中国・EU関係を「世界で最も影響力のある二国間関係の一つ」とし、約20億人に具体的な利益をもたらす協力だと強調していること。
- 国際情勢が揺れるなかで、多国間主義・開放・協力を前面に出し、より強固なパートナーシップを世界に示そうとしていること。
中国とEUの関係は、日本を含むアジアや世界経済にも影響を与える重要なテーマです。今後も首脳会議や高官級対話の動きに注目しつつ、どのような形で協力と対話が積み上がっていくのか、落ち着いて見ていくことが求められます。
Reference(s):
Upcoming China-EU summit to deepen bilateral cooperation, says Beijing
cgtn.com








