中国外交部「ヤルツァンボ川水力発電は下流に悪影響なし」
中国西南部を流れるヤルツァンボ川の下流域で進む水力発電プロジェクトについて、中国外交部は、流域全体の防災・減災に資する一方で、下流地域に悪影響を与えることはないと説明しました。再生可能エネルギーへの転換が課題となる2025年現在、国際ニュースとしても注目される動きです。
中国外交部「防災とクリーンエネルギーに貢献」
中国外交部の郭家坤(Guo Jiakun)報道官は北京で水曜日に行った定例記者会見で、ヤルツァンボ川下流域の水力発電プロジェクトについて説明しました。
郭報道官によると、このプロジェクトは中国西南部に位置するヤルツァンボ川の下流域で建設が進められており、次のような狙いがあります。
- 流域全体の防災・減災に貢献すること
- クリーンエネルギーの開発を加速すること
- 地域の住民の生活向上に寄与すること
- 気候変動への対応を進めること
郭報道官は、プロジェクトは中国の主権の範囲内の事柄であり、建設は国内のエネルギー転換と地域発展の一環だと位置づけました。
「下流に悪影響なし」と強調
この水力発電プロジェクトをめぐっては、下流地域への影響が焦点となり得ますが、郭報道官は、建設は流域全体の災害防止と軽減に資するものであり、下流地域に不利な影響をもたらすことはないと明言しました。
中国は国境をまたぐ河川の開発にあたり、これまでも高い責任感を持って臨んできたとし、水力発電プロジェクトの開発に関して豊富な経験を有していると説明しました。
最高水準の設計と環境配慮を掲げる
郭報道官は、今回のプロジェクトの計画、設計、建設はいずれも中国で定める最高水準の業界基準に厳格に従って進められていると述べました。
また、本格的な建設作業を進める過程で、次のような生態・環境保護策を講じるとしています。
- 複数の重要な生態学的に敏感な地域を避けて建設ルートを選定すること
- 可能な限り元の生態系を保持し、自然環境への影響を最小限に抑えること
こうした取り組みにより、クリーンエネルギーの開発と環境保護の両立を図る方針が示されています。
下流国との情報共有と協力も継続
郭報道官は、中国がこれまで、関連する下流国と水文情報の共有や洪水防御、災害軽減などの分野で協力を行ってきたことも強調しました。
ヤルツァンボ川下流域の水力発電プロジェクトについても、関係する下流国と必要な意思疎通を行っていると説明し、透明性を意識した対応を示しています。
さらに中国側は、今後も流域に暮らす人々の利益のために、下流国との協力を一段と強化していく考えを表明しました。
再生可能エネルギーと越境河川ガバナンスの文脈
水力発電は、二酸化炭素排出を抑えられるクリーンエネルギーとして期待される一方、ダム建設や河川の流れの変化が生態系や地域社会に及ぼす影響が議論されやすい分野でもあります。
とりわけ国境をまたいで流れる大河の場合、上流と下流のあいだで、水資源、防災、環境保全など多くの利害が絡み合います。そのため、情報共有や協力の仕組みが重要視されます。
今回、中国外交部がヤルツァンボ川下流域の水力発電プロジェクトについて、下流への悪影響はないこと、環境保護に配慮していること、そして下流国との協力を重視していることを改めて示したのは、こうした文脈の中で、自国の立場と方針を明確にする狙いがあるといえそうです。
プロジェクトの進展とともに、防災やクリーンエネルギーの面でどのような成果が生まれるのか、また流域全体での協力がどのように具体化していくのかが、今後も国際ニュースとして注目されます。
Reference(s):
MOFA: Yarlung Zangbo hydropower project won't impact downstream areas
cgtn.com








