中国本土で洪水期に記録的猛暑 史上最多の高温日と初の健康リスク警報
洪水期に記録的な猛暑 中国本土で高温日が過去最多
中国本土で、今年の洪水期入り以降、例年よりも早く、しかも長く続く熱波が観測されています。国家気候センターによると、同期間の平均高温日数が過去最多となり、平均気温も観測史上2番目の高さとなりました。気候変動と健康リスクが重なる「新しい現実」が浮かび上がっています。
平均高温日数8.5日 観測史上最多
国家気候センターは会見で、今年の洪水期が始まってから、中国本土全体の平均高温日数が8.5日に達し、同じ時期としては観測史上最多になったと説明しました。平均気温も記録上2番目の高さで、高温が例年より早く現れ、長く続いていることが特徴だとしています。
賈曉龍副主任は、こうした傾向が「洪水期の気候パターンが変化している可能性」を示していると述べ、今後の監視を強める考えを示しました。
また、中国全土の45カ所の国家気象観測所で日最高気温の記録が更新されました。陝西省興平市では、最高気温が43.1度に達し、地域としても過去に例のない暑さとなりました。
7月2日に初の高温健康リスク警報
こうした異例の暑さを受けて、今年7月2日には、中国国家疾病予防制御局と中国気象局が共同で高温健康リスク警報を発表しました。この種の警報が出されるのは、歴史上初めてです。
この警報は、熱中症や脱水など、高温が人の健康に与える影響に特化して注意を呼びかけるものです。高齢者や子ども、屋外で働く人など、特に影響を受けやすい人々に向けて、外出や活動時間の調整、水分補給、冷房の適切な利用などを促す狙いがあります。
気候変動への適応を優先課題に
中国は、気候変動への適応を国家の優先課題の一つに位置づけています。とくに2024年には、気候関連の健康リスクに対応するための早期警戒システムを整備する国家計画を発表しました。
早期警戒システムとは、気温や湿度などの気象データと、健康被害の情報を組み合わせて、高リスクの状況を事前に察知し、住民や医療機関、地方自治体に早めに知らせる仕組みです。今回の高温健康リスク警報の発表は、そうした仕組みづくりが具体的に動き始めていることを示す一例といえます。
洪水と熱波が同時に起きることの意味
今回の特徴は、洪水期であるにもかかわらず、強い熱波が早い時期から長期間続いている点です。大雨と高温が重なることで、社会や生活への影響は複雑になります。
- 都市部では、暑さによる電力需要の増加と、大雨によるインフラ負荷が同時に高まるおそれがあります。
- 農村部では、作物や家畜が高温と降雨の両方のストレスを受けやすくなります。
- 住民の日常生活でも、熱中症リスクへの備えと、水害への備えを同時に考えなければならない場面が増える可能性があります。
アジアの読者が押さえておきたい視点
今回のニュースは、中国本土の気象と健康の問題であると同時に、アジア全体に共通するテーマも映し出しています。私たちが押さえておきたいポイントを3つに整理します。
- データが示す「新しい当たり前」
洪水期に平均高温日数が過去最多となり、各地で記録的な気温が観測されていることは、長期的な気候変動の影響を考えるうえで重要なサインです。 - 気候と健康を結ぶ政策の動き
高温健康リスク警報や早期警戒システムの整備は、気候は健康に直結するという発想に立った新しい取り組みです。気象情報を、日々の健康行動にどうつなげるかが問われています。 - 地域を超えた学び合い
中国本土での経験や制度設計は、今後、他の国や地域が高温リスクへの備えを考える際の参考材料になりえます。気候と健康をめぐる課題は国境を越えるため、政策や知見の共有がますます重要になっていきそうです。
洪水期における記録的な高温は、単なる異常気象ではなく、社会の仕組みや私たちの暮らし方を見直すきっかけにもなります。ニュースを追いながら、自分の身のまわりの暑さ対策や、気候変動との付き合い方についても、一度立ち止まって考えてみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








