海南発「ビレッジVA」農村バレーが観光と地域振興をつなぐ
中国・海南省文昌市で今年6月に開幕した「海南(文昌)郷鎮バレーボールリーグ」、通称「ビレッジVA」が、農村スポーツを軸にした地域づくりの新しいモデルとして注目されています。32チームが68試合を戦うこのリーグは、熱気あふれる試合運営とあわせて、観光や農村振興と結びついた「スポーツ+観光+農村振興」の取り組みが特徴です。
海南「ビレッジVA」とは?
海南日報によると、「ビレッジVA」は海南(文昌)郷鎮バレーボールリーグの愛称で、激しい戦いが繰り広げられることで、中国国内で知られる農村スポーツブランドへと成長しました。今年の大会は6月15日に開幕し、これまでの年よりも参加チーム数が多く、開催期間も長く、全国的な注目度も高まったとされています。
スポーツ+観光+農村振興の新モデル
この農村バレーボールリーグの特徴は、単なるスポーツイベントにとどまらず、文化と観光を組み合わせた仕掛けが施されている点です。会場周辺では、次のような催しが同時に行われました。
- 大勢の住民や来訪者が一緒にテーブルを囲む「千人村宴」と呼ばれる村の大宴会
- 宇宙をテーマにしたバザー
- 伝統芸能などの無形文化遺産の公演
こうしたイベントを組み合わせることで、「試合を見に行く」体験が、「地元の料理を味わい、伝統文化に触れ、地域の空気を感じる」総合的な旅へと変わります。スポーツ観戦をきっかけに、その土地ならではの文化や暮らしに出会ってもらう――これが「スポーツ+観光+農村振興」という新しいモデルの狙いです。
村宴が生むコミュニティの一体感
千人規模の村宴は、地域の人と訪問者が同じテーブルを囲むことで、農村ならではの距離の近さや温かさを体感できる場でもあります。料理そのものが「地域の物語」を伝える役割を果たし、参加者同士の会話を通じて、農村の日常や価値観が自然と共有されていきます。
無形文化遺産を「生きたコンテンツ」に
無形文化遺産とは、舞踊や音楽、祭礼、伝統工芸など、形として残りにくい文化を指します。大会期間中に行われた無形文化遺産の公演は、こうした伝統を「観光コンテンツ」として見せるだけでなく、地元の若い世代にとって、自分たちの文化に誇りを持つきっかけにもなります。
なぜ「ビレッジVA」が話題になったのか
海南の「ビレッジVA」が中国国内で話題となった背景には、いくつかのポイントがあります。
- 農村から生まれたスポーツブランドであること:都市部のプロリーグではなく、農村地域の住民主体の大会が全国規模の注目を集めていること自体が新鮮です。
- シンプルで分かりやすい競技:バレーボールはルールが比較的分かりやすく、屋外コートでも楽しめるため、地域行事として親しみやすいスポーツです。
- 地域の熱量が伝わること:選手と観客が一体となった熱い雰囲気が、「農村にはこんな活力があるのか」という気づきを生み、各地で話題になっています。
こうした要素が重なり合い、「ビレッジVA」は単なる地方大会を超えた、農村の魅力発信の場として位置づけられるようになりました。
日本の地域づくりへの示唆
この中国の事例は、日本の地域活性化にも通じるヒントを与えてくれます。地方のスポーツ大会や祭りを、観光や地元の食、文化とどう組み合わせるかは、多くの自治体が模索しているテーマです。
- 地域の人が心から熱中できる「主役の場」をつくる
- スポーツやイベントに、食や伝統文化を自然な形で組み合わせる
- 外から来た人にも分かりやすく、「地域のストーリー」として伝える
海南の「ビレッジVA」は、こうしたポイントを農村レベルで丁寧に積み重ねたことで、全国的な注目を集めるブランドへと育ったといえます。国際ニュースとして見れば、中国の農村が観光や文化産業と結びつきながら新しい役割を担いつつある姿を映し出しているとも言えるでしょう。
今後、「ビレッジVA」のような農村発のスポーツイベントが、アジア各地でどのように広がっていくのか。日本からも、地域とスポーツを結びつける取り組みを見直すきっかけとして、注目しておきたい動きです。
Reference(s):
Hainan's 'Village VA' ignites rural passion with local banquets
cgtn.com








