中国とEUが気候変動で共同声明 パリ協定10年、国交50年の節目に
中国と欧州連合(EU)の首脳は、2025年7月24日に北京で開かれた中国–EU首脳会議に合わせて、気候変動に関する共同声明を発表しました。パリ協定採択から10年、中国とEUの外交関係樹立から50年という節目に、世界のグリーン移行をどう進めるのか、その方向性を示した内容です。
北京で発表された「気候変動共同声明」とは
共同声明は、現在の「流動的で不安定な国際情勢」の中で、各国、とくに主要な経済圏が政策の継続性と安定性を維持し、気候変動への対応を強化することが不可欠だと改めて強調しています。
中国とEUは、気候変動をめぐる協力を強めることが、双方の人々の幸福に関わるだけでなく、多国間主義を支え、地球規模の気候ガバナンス(国際的なルールづくりと運営)を進めるうえで特別な意義を持つと位置づけました。
声明はまた、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)とパリ協定が、国際的な気候変動協力の「礎」であると明言。各国は、それぞれの国情に応じて「共通だが差異ある責任と能力」の原則に基づき、これらの枠組みを包括的かつ誠実、そして効果的に実施すべきだと述べています。
さらに、中国とEUの「グリーン・パートナーシップ」は両者のパートナーシップの重要な一部であり、「グリーンこそが中国–EU協力を特徴づける色だ」と表現。グリーンな移行(グリーン・トランジション)の分野で、両者には堅固な基盤と幅広い協力の余地があると認めました。
共同声明の7つの柱
中国とEUは、「持続可能な開発と貧困撲滅の文脈における公正な世界的移行」を主導するため、共に指導力を発揮するとし、7つの具体的なコミットメント(約束)を掲げています。
- 国連とパリ協定の中心的役割を維持
UNFCCCとパリ協定の目標と原則を完全かつ誠実に実施し、その中心的役割を支える。 - 「成果重視」の気候行動
体系的な政策や具体的な行動・措置を通じて、それぞれの気候目標を実際の成果へと結びつける。 - ブラジル開催のCOP30を支援
すべての関係者と協力し、ブラジルが開催する第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)を成功させるとともに、野心的で、公正・均衡が取れ、包摂的な成果を目指す。 - 再生可能エネルギーとグリーン技術の普及
世界で再生可能エネルギーの導入を加速し、質の高いグリーン技術・製品へのアクセスを促進することで、開発途上国を含むすべての国にとって「利用しやすく、手ごろで、恩恵が行き渡る」ようにする。 - 気候変動への「適応」支援の強化
地域から世界まであらゆるレベルで、迅速かつ大規模な行動を実現するため、気候変動への適応の取り組みと支援を強化する。 - 2035年の新たな目標(NDC)の提出
COP30までに、それぞれの2035年のNDC(自国決定貢献)を提出する。対象は全ての経済部門と全ての温室効果ガスとし、パリ協定の長期的な気温目標と整合させる。 - 二者間のグリーン協力を拡大
エネルギー転換、適応、メタン排出の管理・抑制、炭素市場、グリーン・低炭素技術などの分野で二者間協力を強化し、それぞれのグリーンで低炭素な移行プロセスを共に進める。
中国–EUの協力が持つ重み
声明は、主要な経済圏である中国とEUが気候変動対策で歩調を合わせることが、双方の人々の暮らしだけでなく、国連を軸とした多国間主義や地球規模の気候ガバナンスの行方に直結するとしています。
とくに、再生可能エネルギーやグリーン技術への投資、炭素市場づくりといった分野で、中国–EU間に「堅固な基盤と広い協力の余地」があると認めた点は、今後の産業や金融の動きにも影響を与えうる部分です。
COP30までに何が動くのか
中国とEUは、ブラジルで開催されるCOP30までに、2035年を見据えた自国の新たな気候目標を提出すると約束しました。これらの目標は、経済全体とすべての温室効果ガスをカバーし、パリ協定の長期目標と整合させるとしています。
同時に、COP30自体についても、野心的で、公正かつ均衡が取れ、包摂的な合意をめざすと明記しました。今後、中国とEUがどのような具体策を打ち出し、他の国や地域とどう連携していくかが注目されます。
読み手として押さえておきたいポイント
今回の共同声明から、少なくとも次の3点は押さえておきたいところです。
- 気候変動をめぐる国際枠組みとして、UNFCCCとパリ協定が引き続き中心に据えられていること。
- 「公正な移行」や「適応」など、温室効果ガスの削減だけでなく、社会や経済全体の変化をどう支えるかが重視されていること。
- 2035年を視野に入れた中長期の目標づくりが動き出しており、再生可能エネルギーやグリーン技術をめぐる協力が加速しそうなこと。
気候変動をめぐる議論は専門用語が多く、ときに遠い世界の話に感じられがちです。ただ、今回のような主要経済による合意は、エネルギーの選択や産業構造、そして私たちの日常にも少しずつ影響していきます。今後の交渉や政策の動きをフォローするうえで、この共同声明は一つの重要な基準点になりそうです。
Reference(s):
Full text: Joint statement on climate change by Chinese and EU leaders
cgtn.com








