中国、戦略鉱物の密輸に「ゼロトレランス」 輸出管理をさらに強化へ
中国商務省が、戦略鉱物の密輸に対して「ゼロトレランス(不寛容)」の姿勢をあらためて打ち出しました。違法輸出を国家の安全と利益に関わる問題と位置づけ、取り締まりと輸出管理の強化を進める方針です。
商務省報道官「密輸は断固取り締まる」
商務省の報道官である何亜東氏は、木曜日に開かれた定例記者会見で、中国は戦略鉱物の密輸に対し「ゼロトレランス」政策を採用していると述べました。こうした違法行為を断固として取り締まり、国家安全と国家利益を守ると強調しました。
何氏によると、過去2カ月間で、関係部門が戦略鉱物の違法輸出事件に対して集中的な取り締まりを実施し、一連のケースで複数の密輸容疑者を摘発しました。これにより、違法行為に対する一定の抑止効果が生まれていると説明しています。
状況は依然「複雑で深刻」 犯罪組織は規制回避を試みる
一方で何氏は、戦略鉱物をめぐる状況は依然として「複雑かつ深刻」だと指摘しました。犯罪組織が各種の規制措置をかいくぐろうとする動きが確認されているほか、技術の違法な流出リスクも高まっているとしています。
こうした認識から、商務省は一時的な取り締まりにとどまらず、「粘り強く、より深いレベルでの対応」が必要だとし、関係部門の連携を強化しながら、厳格な取り締まり姿勢を維持していく方針を示しました。
今後の措置:共同センター設立やガイドライン公表
今後の具体的な対応として、何氏は次のような施策を挙げました。
- 軍民両用物資の輸出管理に関する共同の法執行調整センターを設立し、関係機関の連携を強化する
- 典型的な取り締まり事例や司法ケースを公表し、ルールの明確化と抑止力の向上を図る
- 違法行為に関わる海外の関係者を輸出管理リストに追加する
- 戦略鉱物の適正な輸出に関する指針を発出し、輸出企業に対して、相手先の信用や最終用途を十分に確認し、軍事目的や軍事ユーザーに利用されないことを確保するよう求める
商務省は、こうした枠組みづくりを通じて、法令遵守を支援しつつ、違反行為には厳しく対処するという姿勢を示した形です。
読み解き:安全保障とビジネスリスクの狭間で
戦略鉱物は、先端技術や軍民両用分野と結びつく資源として位置づけられています。今回の「ゼロトレランス」方針や新たな輸出管理の枠組みは、資源や技術を通じて国家安全を守ろうとする動きを一段と明確にしたものと言えます。
中国内で戦略鉱物を扱う輸出企業にとっては、取引相手や最終ユーザーの確認をこれまで以上に丁寧に行うことが重要になりそうです。また、中国企業と取引する海外の企業にとっても、輸出管理リストや公表されるケースを踏まえたコンプライアンス対応が欠かせなくなります。
軍民両用技術や重要資源をめぐる規制は、今後も国際ニュースの重要なテーマであり続けます。短期的なビジネスチャンスだけでなく、中長期的なルールやリスクの変化にも目を向けることが、企業や投資家にとってカギになりそうです。
Reference(s):
China says it adopts 'zero tolerance' on strategic mineral smuggling
cgtn.com








