中国・浙江省の小さな青い家 引退漁師が守る海と1万6000トンのごみ video poster
中国東部・浙江省の海沿いに点在する「小さな青い家」が、引退した漁師たちの手で海を守る拠点になっています。平均年齢60歳を超える彼らは、海洋ごみのリサイクル拠点に集まり、これまでに約1万6000トンもの海洋ごみを回収・処理してきました。
海を知り尽くした引退漁師が「ガーディアン」に
かつて海での漁に生活を支えられてきた漁師たちは、いまはその経験を生かして海を守る側に回っています。引退後も海辺に足を運び、仲間と声をかけ合いながら、小さな青い家に集まってごみを持ち寄ります。
平均年齢は60歳を超えますが、長年の経験から海の変化や潮の流れを肌で知る人たちです。日々の活動を通じて、かつて生業の場だった海を「次の世代にきれいな状態で残したい」という思いをかたちにしています。
小さな青い家とは何か
海岸線に点在するこの小さな建物は、海洋ごみの回収と一時保管、選別を行うための拠点です。漁師たちは空いた時間にここへ集まり、海から引き揚げたごみや、波に乗って打ち寄せたごみを運び込みます。
こうした拠点が海辺に散りばめられることで、海から押し寄せるごみを受け止めるバリアのような役割も果たしています。小さな青い家は、海洋ごみが海岸一帯に広がる前にとどめる防波堤のような存在になりつつあります。
数字で見るインパクト 約1万6000トンの海洋ごみ
この取り組みでは、これまでに約1万6000トンもの海洋ごみが回収・処理されています。引退した漁師たちが、空いた時間を使って積み重ねてきた結果です。
単なるボランティア活動ではなく、海を知る人たちが主役となることで、海洋保全の取り組みに現場の知恵とリアリティが加わっています。海の状態を肌感覚で理解しているからこそ、どこにごみが溜まりやすいのか、どのタイミングで回収すべきかといった判断にも説得力が生まれます。
地域と海をつなぐ新しいモデルに
小さな青い家は、海洋ごみ対策の場であると同時に、地域コミュニティの交流拠点にもなっています。引退後の漁師たちが再び役割を得て、世代を超えて海について語り合う場が生まれることで、海と暮らしのつながりが可視化されていきます。
海洋ごみ問題への関心が高まるなか、高齢化が進む沿岸地域において、引退した漁師の知恵と時間を生かすこの仕組みは、一つのヒントと言えそうです。
なぜこの取り組みが注目されるのか
- 高齢の住民が、地域と環境を支える現役の担い手として活躍していること
- 集積拠点を海辺に分散させることで、海洋ごみが海岸全体に広がる前に食い止めていること
- 漁業から環境保全へと、海との関わり方を柔軟に変えていること
中国・浙江省の小さな青い家は、海洋ごみ問題が続くアジア各地にとっても、地域の人々が主役となる海の守り方の一つのモデルとして、今後さらに注目を集めていくかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








