中国国産MA60捜索救難機が初飛行 海上捜索の課題解決へ一歩
中国で開発された多用途機シリーズMA60をベースにした国産の民間捜索救難機が初飛行に成功しました。広大な海域での海上捜索救難能力を高める取り組みとして、日本語で国際ニュースを追う読者の間でも注目されそうです。
国産MA60民間捜索救難機が初飛行に成功
開発を手がけたのは、中国を代表する航空機メーカー、中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China, AVIC)です。AVICによると、この民間捜索救難機は初飛行を無事終え、本格的な飛行試験と検証の段階に正式に入ったとされています。
この記事執筆時点(2025年12月8日)で、今回の初飛行は、機体の性能や運用方法を確認していく包括的な試験フェーズの出発点となりました。
西安で80分のフライト 昼間の検証任務を完了
AVICは木曜日、この新型機が予定されていた昼間の検証任務を終えたと発表しました。飛行時間は1時間20分で、中国北西部・陝西省の省都である西安の空港に着陸したということです。
初飛行では、あらかじめ設定された飛行プロファイルに沿って運用が行われ、基本的な飛行特性や機体システムの動作など、初期段階で確認すべき項目が検証されたとみられます。
MA60「Modern Ark」ファミリーの一員として
今回の民間捜索救難機は、中国で国産開発された多用途機シリーズ「MA60(Modern Ark)」ファミリーの一機種です。MA60シリーズは、その名の通り複数の用途に対応できるよう設計された機体群で、旅客輸送や貨物輸送などさまざまな民間分野への展開が想定されています。
その中で、新たに投入されるこの民間捜索救難機は、海上などでの捜索・救助任務を念頭に置いた機体として位置づけられています。国産プラットフォームを活用して捜索救難専用の機体を整備することは、中国の航空産業にとっても一つのマイルストーンと言えます。
海上捜索救難の課題:反応速度と捜索範囲
AVICの専門家によると、これまで中国の海上捜索救難活動は、広大な海域と複雑な環境に対応するうえで、いくつかの課題に直面してきたといいます。
- 救助要請から現場到着まで時間がかかる「反応速度の遅さ」
- 広い海域を十分にカバーしきれない「捜索範囲の制約」
こうした要因が、遠距離での捜索や、気象条件が厳しい状況での救難活動を難しくしてきました。AVICの専門家は、今回の国産MA60民間捜索救難機の開発が、こうした制約を和らげる一助になるとみています。
今後の試験飛行と注目ポイント
今回の初飛行は、あくまでスタートラインです。今後、さまざまな条件下での包括的な飛行試験と検証が進められ、運用に向けた信頼性や安全性の確認が行われていくとみられます。
注目されるポイントとして、次のような視点が挙げられます。
- どの程度、長距離・広範囲の海上捜索任務に対応できるのか
- 複雑な気象や海象のもとでの運用実績がどう積み上がるか
- 既存の捜索救難体制や他の航空機との役割分担がどう整理されるか
中国の海上捜索救難能力の向上は、周辺海域の安全や国際的な海上交通の安心にもつながるテーマです。国産MA60民間捜索救難機の試験飛行の進展と、その実運用への道筋が、今後も重要なウォッチポイントとなりそうです。
Reference(s):
China's MA60 civil search and rescue aircraft completes maiden flight
cgtn.com








