上海で世界AI会議が開幕 過去最大規模でAIガバナンスを議論
上海で世界AI会議が開幕 テーマはAI時代のグローバル連帯
2025年の国際ニュースとして注目される世界AI会議「2025 World AI Conference & High-level Meeting on Global AI Governance」が、中国東部の上海市で土曜日に開幕しました。テーマはAI時代の協力を掲げる「Global Solidarity in the AI Era」で、世界のAIガバナンス(ルールづくり)を議論する場として存在感を高めています。
過去最大規模:70,000平方メートルに800社、3,000製品
今年の会議・展示会は、これまでで最も大きな規模となりました。展示エリアは初めて7万平方メートルを超え、800社以上の企業が参加し、3,000点を超える最新のAI関連製品が並びます。
会場では、大規模言語モデル、AI搭載デバイス、知能ロボットなどが披露され、このうち100点以上の新製品が世界初公開となる予定です。AI産業の最前線を一度に俯瞰できる場となっており、技術トレンドを探るうえで重要なイベントだと言えます。
30以上の国と地域から1,200人超が参加
会期中3日間にわたり、多数のフォーラムや交流イベントが予定されています。30を超える国と地域から1,200人以上のゲストが参加し、グローバルなAI開発の青写真を共に描くことを目指します。
AIの国際ルールづくりをテーマにしたハイレベル会合も開かれ、技術だけでなく、社会への影響や倫理、信頼性といった論点についても意見交換が行われます。
上海、8年連続の開催地として存在感
上海は、この世界AI会議の開催地となるのは8年連続です。都市としてAI分野への取り組みを加速させており、産業・研究・政策の三つを組み合わせて、AIの国際的な拠点を目指しています。
上海市によると、2025年第1四半期の市内AI産業の生産額は1,180億元(約16.5億ドル)を超え、前年同期比で29%増加しました。利益は65%増とさらに伸びが大きく、AIが都市経済の新たな成長エンジンになりつつあることがうかがえます。
5つの重点分野:コンピューティングからガバナンスまで
上海は、AI分野でのリードを強化するため、次の5つの重点分野に力を入れています。
- 知能コンピューティング、言語データ、基盤モデルを統合した産業イノベーション拠点の構築(2025年末までに計算能力100エクサフロップス超えを目標)
- 製造業、金融、医療など各産業におけるAI実証拠点(デモンストレーションベース)の整備
- ヒューマノイドロボットなど、身体を持つAI「エンボディド・インテリジェンス」の商用化の加速
- AIベンチャーを支える、創業から成長までのフルサイクル資金支援とオープンで相互接続されたエコシステムづくり
- 専門の教育機関・プログラムによるAI人材育成と、安全・倫理・国際協力を重視したAIガバナンスの推進
技術の開発だけにとどまらず、資金、人材、ルール形成までを一体で進める構想が示されており、都市レベルでのAI戦略の具体像として注目されています。
AIガバナンスと国際協調へのメッセージ
今回の会議のタイトルにもあるように、「連帯」や「協調」は2025年の国際AI議論におけるキーワードになっています。各国・各地域がAI技術で競争しつつも、安全性や倫理、人権への配慮、透明性の確保など、共通の課題には協力して取り組む必要があるためです。
上海での会議では、こうした課題に対して、グローバルな視点からの議論が交わされています。AIをどのように社会に組み込み、どのようなルールのもとで活用していくのか――世界が模索するそのプロセスの一端を示す場だと言えるでしょう。
日本の読者にとっての意味
日本にとっても、今回の世界AI会議は他人事ではありません。AIの国際ルールやビジネスの標準がどこで、どのように決まるかは、日本企業や開発者、そして私たちの日常生活にも影響を与えます。
- 海外のAI拠点がどの分野を重視しているかを把握することは、日本の戦略を考えるヒントになる
- AIガバナンスの国際的な議論は、日本国内の制度設計や議論にも波及する
- アジアの都市がAIで存在感を高める中で、日本がどのように連携し、役割を果たすかが問われている
スキマ時間でニュースを追うだけでなく、自分の仕事や生活とAIの関係をあらためて考えるきっかけとして、この上海での世界AI会議を位置づけてみてもよいかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








