北京フォーラムで日中の人的交流を強化 世論改善へ専門家50人超が議論 video poster
北京フォーラムで日中の人的交流を強化へ
2025年12月7日、北京で中国と日本の大学や研究機関から専門家・研究者50人以上が集まり、人的交流と文化理解をどう深めるかを話し合うフォーラムが開かれました。日中関係が岐路にあるとされるなか、人と人とのつながりを通じて関係を安定させる取り組みとして、国際ニュースの観点からも注目されています。
このフォーラムは2024年に立ち上がった新しい枠組みで、中国と日本の相互理解と信頼を高める共同努力の一環です。開催地は両国で交互に設定されており、今回の北京開催もその流れの中に位置づけられます。
フォーラムの概要:日中関係を支える「人のつながり」に焦点
今回のフォーラムは、China Foundation for Human Rights Development と Japan-China Friendship Center が共催し、日中関係や国際社会の変化を踏まえた幅広いテーマが議論されました。国際ニュースとしての大きなテーマである平和や開発と、日中それぞれの社会の在り方が交差する内容です。
- 両国における質の高い発展と近代化
- 比較の視点から見た社会ガバナンス(社会の運営・管理の仕組み)
- 世界的な変化の中での日中協力
- 持続的な世界平和と発展への共同の追求
経済や安全保障など政府間の課題がクローズアップされがちな日中関係ですが、このフォーラムはあえて「人権」「人の交流」「文化理解」といったソフトな側面に光を当てている点が特徴です。
キーパーソンの発言から見える日中関係のいま
Xie Fuzhan 氏:人的交流が日中関係の土台
China Foundation for Human Rights Development の会長である Xie Fuzhan 氏は、日中関係を形づくるうえで、人と人とのつながりが不可欠だと強調しました。とくに、相手国を客観的に理解しようとする姿勢と、継続的な文化交流の重要性を指摘し、両国関係が現在「岐路」にあるからこそ、冷静な認識と対話が必要だと訴えました。
Kenji Kanasugi 氏:最大の課題は「世論」と「感情」
中国駐在の日本大使である Kenji Kanasugi 氏は、今日の日中関係にとって最大の課題は両国の世論・感情面にあると述べました。相手国への感情的な理解は、短期間ではなく長期的な取り組みと粘り強い対話によってしか育たないとし、そのうえで、日中関係が良くなることで両国の人々にもたらされる具体的なメリットを、わかりやすい形で示していく必要があると強調しました。
Cheng Yonghua 氏:歴史から学び、合意を行動に
China-Japan Friendship Association の副会長である Cheng Yonghua 氏は、過去の経験から学びつつ未来を見据える姿勢の重要性を指摘しました。そのうえで、日中間で合意されてきた四つの政治文書に盛り込まれた原則を、形式的なスローガンにとどめず、具体的な行動へと落とし込むべきだと呼びかけました。両国が「パートナーであり、互いに脅威とみなさない」という共通認識を現実の交流に反映させることが課題だといえます。
Miyamoto Yuji 氏:平和と発展は共通の課題
Japan-China Friendship Center の会長である Miyamoto Yuji 氏は、世界が大きな転換点にある今、平和と発展を追求することは日中双方にとって共通の必須課題になっていると述べました。そのうえで、学術交流や人的交流を一層強めることで、相互理解を深め、長期的な信頼関係を育てることの重要性を強調しました。
Zhou Shuchun 氏:友好の伝統を再確認
フォーラムを締めくくるあいさつで、China Foundation for Human Rights Development の副会長である Zhou Shuchun 氏は、今回のフォーラムの成功は、日中の間に根付いてきた友好の伝統を改めて示すものだと評価しました。そして、この対話の積み重ねが今後の協力に新たな希望をもたらすと述べ、継続的な交流の意義を強調しました。
なぜ「人的交流」がカギなのか
今回の北京フォーラムの特徴は、日中関係を語るうえで、ともすると外交・安全保障・経済といった国家レベルの議題に偏りがちな中で、「人」のレベルの交流に焦点を当てている点にあります。国際ニュースとしても、両国の世論をどう変えていくかという視点は、今後ますます重要になっていきそうです。
人的交流には、次のような効果が期待できます。
- 相手国に関する情報を一次体験として得られ、ステレオタイプを和らげる
- 研究者・専門家同士のネットワークが、長期的な協力の基盤になる
- 文化や価値観の違いを、対立ではなく学びの対象として捉え直すきっかけになる
とくに、Kenji Kanasugi 氏が指摘したように、日中関係の課題はしばしば「相手をどう感じているか」という感情のレベルに現れます。ここに変化を起こすには、単発のイベントではなく、世代を超えた継続的な交流と対話が欠かせません。
2024年に始まった新しい枠組み、これからの注目点
このフォーラムは2024年に始まり、両国で交互に開催される仕組みがとられています。2025年12月時点で、すでに日中双方の大学や研究機関から多様な専門家が参加しており、学術と政策、社会の現場をつなぐハブとしての役割が期待されます。
読者の皆さんが今後注目しておきたいポイントを、いくつか整理してみます。
- フォーラムの議論が、具体的な共同研究や交流プロジェクトにどうつながるか
- 若い世代の研究者や学生が、どの程度この枠組みに参加していくか
- 首都だけでなく、地方都市や地域レベルの交流へと広がっていくか
日中関係は、政治や安全保障だけで語られるものではなく、日々の生活や仕事、学びの現場とも深く結びついています。今回の北京フォーラムは、そのことを改めて思い起こさせる場となりました。今後も両国の人々のあいだでどのような対話と協力が生まれていくのか、継続的に追いかけていきたいテーマです。
Reference(s):
Forum in Beijing aims to boost China-Japan people-to-people exchanges
cgtn.com








