B型肝炎はどう防ぐ?感染経路と予防のポイントを医師の解説から読み解く video poster
B型肝炎は、放っておくと肝がんにつながることもある肝臓の感染症です。2022年時点で世界に約2億5400万人の慢性患者がいるとされるなか、日常生活でどう予防すればよいのでしょうか。本記事では、世界保健機関(World Health Organization、WHO)のデータと北京の専門医による解説を手がかりに、感染経路と基本的な予防の考え方を整理します。
B型肝炎とはどんな病気か
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって起こる肝臓の感染症です。ウイルスが肝臓に入り込み、炎症を引き起こすことで、長期的には肝がんなどの重い病気につながることがあります。HBVによるB型肝炎は、個人の健康だけでなく、公衆衛生の面でも重大な課題になっています。
世界規模の課題:WHOが示す数字
世界保健機関(WHO)によると、2022年には慢性B型肝炎の感染者が世界で約2億5400万人に上りました。また、毎年およそ120万人が新たにB型肝炎ウイルスに感染しているとされています。数字だけを見るとピンとこないかもしれませんが、世界の多くの地域でいまもなお広がり続けている国際的な健康問題だといえます。
感染を防ぐ第一歩は「経路を知る」こと
B型肝炎の感染を防ぐには、まずウイルスがどのように人から人へ広がるのかを知ることが重要です。北京のPeking Union Medical College HospitalのMao Yilei教授は、B型肝炎ウイルス(HBV)は主に「出生時」「血液製剤などの血液」「性的接触」を通じて広がると説明しています。ここでは、その三つの経路を一つずつ見ていきます。
出産の場面で起こる母子感染
HBVは、出産のときに母親から赤ちゃんへと伝わることがあります。家族のなかでもっとも早いタイミングで起こりうる感染経路です。妊娠や出産を控えている人は、自分やパートナーがB型肝炎に感染していないかを医療機関で確認し、必要な説明を受けておくことが、赤ちゃんを守るうえで大切になります。
血液や血液製剤を介した感染
HBVは血液を通じて広がるため、血液製剤の利用や、血液に触れる可能性がある場面には注意が必要です。血が付着した可能性のあるものを共用しないことや、万が一他人の血液に触れたときは、速やかに洗い流し、状況に応じて医療機関に相談することが基本的な心構えになります。
性的接触による感染
性的接触も、HBVが広がる重要な経路の一つです。パートナーとのあいだで血液や体液がやり取りされることがあるためです。信頼できるパートナー同士であっても、感染症の有無について話し合い、安全な性行動を心がけることが、自分と相手の健康を守ることにつながります。
日常で意識したい予防のポイント
こうした感染経路を踏まえると、B型肝炎を防ぐために日常生活で意識できるポイントが見えてきます。
- 自分や身近な人がB型肝炎に感染していないか、医療機関で相談する
- 出産や手術など、血液に関わる場面では、事前に感染症について説明を受ける
- 他人の血液に触れる可能性がある仕事や場面では、手袋などで直接触れないようにする
- 性的接触の前に、感染症リスクについて話し合い、安全な性行動を取る
いずれも特別なことではありませんが、感染経路を意識しているかどうかで、行動は大きく変わります。
「知っている」ことが最大の予防策に
B型肝炎は、適切な対策を取らなければ肝がんにつながるおそれがある感染症です。その一方で、Mao Yilei教授が指摘するように、感染経路をきちんと理解し、日常生活のなかでリスクとなる場面を意識することで、感染の可能性を下げることができます。
国際ニュースとして取り上げられる感染症の多くは、どこか遠い国の出来事のように見えがちです。しかし、B型肝炎のように世界で多くの人が影響を受けている病気について知ることは、自分や身近な人の健康を守ることにもつながります。この機会に、自分の生活のなかでどのような場面がリスクになりうるのか、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
How can you prevent contracting Hepatitis B? A doctor explains
cgtn.com








