上海が自動運転レベル4実証を加速 2025年WAICで新ライセンスを発行
2025年7月26〜28日に上海で開催された「2025 World Artificial Intelligence Conference(世界人工知能会議)」の会期中、上海市は自動運転車の実証運行に向けた新しいライセンスを発行しました。自動運転の国際競争が続くなか、中国にとって重要な一歩となる動きです。
上海が発行した「新しい免許」の中身
今回、上海市が交付したのは「運転手が乗らない」自動運転車(ドライバーレスのインテリジェント・コネクテッド・ビークル)の実証運行ライセンスです。発表は会期中の土曜日に行われ、注目を集めました。
最初の取得企業には、Pony AI(ポニー・エーアイ)、Baidu(バイドゥ)、Saike Intelligent Technology(赛可智能科技)などが名を連ねています。いずれも自動運転技術の開発を進めてきた企業で、都市部での走行データを積み上げてきました。
発表によると、このライセンスは次のような特徴を持ちます。
- 対象となる車両は4車種
- 運行は2種類のビジネスシナリオに対応
- 数百万キロに及ぶ走行距離と豊富な実証データを前提に発行
つまり「限られた実験」から一歩進み、実際のビジネスを見据えた運行に近づきつつあることがうかがえます。
レベル4自動運転とは何か
今回のライセンスは、レベル4の自動運転技術の商用化を加速させることが期待されています。レベル4とは、特定の条件下であれば、基本的にシステムがすべての運転を担う高度な自動運転レベルを指します。
人間は通常、運転操作に関与せず、車両側が周囲の交通状況を把握しながら走行します。一方で、エリアや環境条件が限定されていることが多く、その条件設計と安全管理がカギになります。
「正規運行」と「スケールアップ」への転換点
業界関係者は、今回の新しいライセンス交付を、上海におけるスマート自動車運行の新しい段階だと評価しています。そのキーワードが「常態化」と「スケーリング」です。
これまで各地で行われてきた自動運転の取り組みは、「パイロットプロジェクト」や期間限定の実証が中心でした。今回のように、複数企業・複数車種を対象に、ビジネスシナリオに紐づく形でライセンスが発行されることは、運行を日常的なものとして位置づけていく動きと言えます。
上海はこうした枠組みを通じて、自動運転サービスの大規模な運用モデルを作り、将来の本格商用化につなげようとしているとみられます。
中国の自動運転と国際競争のなかで
今回の取り組みは、中国が自動運転の商用化で世界の先頭集団を目指すうえで、もう一つの重要なステップとされています。上海でのレベル4自動運転の実証が「規模」と「日常運行」に近づくほど、システムの安全性やコスト、ユーザー体験に関する知見が蓄積されていきます。
こうしたデータと経験は、今後の都市設計や交通政策、関連産業の育成にも影響を与える可能性があります。世界各地の都市が同様の実証や制度作りを進めているなかで、上海の試みは一つのモデルケースとして注目されそうです。
私たちが注目したいポイント
今回のニュースから、日本を含む他地域の読者が考えてみたいポイントを整理すると、次のようになります。
- 安全性と信頼性:数百万キロの走行データを前提にした運行は、どこまで信頼できる指標になるのか。
- 都市とルール作り:自動運転車が日常の風景になるとき、都市の交通ルールやインフラはどう変わるのか。
- ビジネスモデル:2種類のビジネスシナリオとはどのようなものか、移動サービスや物流など、どの分野から収益化が進むのか。
2025年も終盤に入り、自動運転をめぐる動きは「技術のデモ」から「社会実装の設計」へと焦点が移りつつあります。上海で始まった新しいフェーズが、今後どのような形でアジアや世界に波及していくのか、引き続き注視したいところです。
Reference(s):
Shanghai issues new licenses for autonomous vehicle operations
cgtn.com







