中国・韓国外相が電話会談 戦略的協力とサプライチェーンを協議
中国と韓国の外相が電話会談を行い、戦略的協力パートナーシップの深化やサプライチェーン分断への反対など、中韓関係の今後の方向性について幅広く協議しました。
- 両国関係を「真の戦略的協力パートナー」へ格上げする方針を確認
- 「第三国に左右されない」独立性と自律性を強調
- サプライチェーンの「デカップリング」に共同で反対
- 韓国で年内に予定されるAPEC Economic Leaders' Meeting開催を中国が支持
電話会談の概要:安定した中韓関係を目指して
月曜日に行われた電話会談で、中国の王毅(ワン・イー)外相(中国共産党中央政治局委員)は、韓国のチョ・ヒョン外相と、中韓関係と地域情勢について意見を交わしました。王氏は、中国と韓国は「重要な隣国であり協力パートナー」であり、善隣友好の維持が両国の人びとの共通利益にかなうと強調しました。
新しい韓国政府の発足後には、すでに両国首脳が電話会談を行い、中韓関係の今後の方針を確認しています。今回の外相レベルの協議は、その流れを受け、二国間関係に新たな前向きの動きを与えるものとなりました。
「真の戦略的協力パートナー」に向けて
王外相は、中国と韓国は「真の戦略的協力パートナー」となるべきだと述べ、二国間関係をより高いレベルへ引き上げる考えを示しました。そのためには、両国が政策の安定性を維持することが重要だと指摘しました。
中国はこれまでも韓国との協力を重視し、対韓政策を一貫して安定的に運用してきたと説明。そのうえで、韓国側にも対中政策を「揺らぐことなく、持続可能で予測可能なものにしてほしい」と期待を表明しました。
第三国に左右されない独立性と自律性
王外相はまた、中韓関係は両国の共通利益にもとづくものであり、「いかなる第三国を対象としたものでもなく、第三国に縛られるべきものでもない」と強調しました。これは、同盟関係など外部要因によって二国間関係が不必要に影響を受けるべきではないというメッセージと受け止められます。
中国と韓国はいずれも、多国間主義や自由貿易の恩恵を受けてきた国です。両国関係を自らの判断で築くという姿勢は、地域の安定や協力を重視する立場を示すものといえます。
経済・サプライチェーンで「デカップリング」に反対
会談では、経済とサプライチェーン(供給網)も重要なテーマとなりました。王外相は、中国と韓国は経済的な結びつきが強く、産業とサプライチェーンが深く統合されていると指摘しました。
そのうえで、両国は多国間主義と自由貿易の受益者として、経済関係の分断を意味する「デカップリング」や、供給網の寸断に反対し、世界の産業・サプライチェーンの安定と円滑な流れを守るために協力すべきだと訴えました。
チョ・ヒョン外相も、中国との経済・貿易関係の重要性を強調しました。韓国と中国はすでに緊密な経済協力のモデルを築いており、韓国としては二国間の自由貿易協定(FTA)交渉を積極的に進め、経済・貿易協力をさらに深める用意があると述べました。
APEC Economic Leaders' Meetingと地域秩序
王外相は、年内に韓国で開催が予定されているAPEC Economic Leaders' Meeting(アジア太平洋経済協力首脳会議)について、中国として韓国の開催を支持する考えも示しました。これは、地域や多国間の枠組みの中でも中韓協力を進めたいという意思の表れといえます。
チョ外相は、中韓両国が歴史を直視しつつ、地域の平和と安定を共同で維持していきたいとの考えを表明しました。会談ではこのほか、多国間の場での協調や協力のあり方などについても意見交換が行われました。
今後の焦点:高位級交流と「安定した枠組み」作り
韓国側は、中国との関係を重視し、今後より多くの高位級(ハイレベル)交流を行いたいとの意向も示しました。中韓両国は、すでに首脳レベルと外相レベルの対話を重ねており、今後は次のような点が焦点となりそうです。
- 戦略的協力パートナーシップを具体的な協力案件へどう落とし込むか
- 対中・対韓政策の安定性と予測可能性をそれぞれどこまで確保できるか
- サプライチェーンの安定確保に向けた共同プロジェクトや制度づくり
- APECなど多国間の場で、中韓がどのように連携していくか
外相同士の電話会談は、一見すると目立たない出来事に見えるかもしれません。しかし、政策の方向性や「関係を悪化させない」という意思を確認する場として、こうした日常的な外交対話の積み重ねは、中韓関係の安定にとって重要な意味を持ちます。
読み手にとっての問い:中韓関係の「自律性」はどこまで高められるか
今回の会談では、「第三国に左右されない」「デカップリングに反対」といったキーワードが目立ちました。これは、中韓両国が、自国の利益に基づく協力の枠組みを維持しつつ、変化の大きい国際環境に対応しようとしている姿勢を映し出しています。
中韓関係の安定は、東アジア全体の経済や安全保障にも関わるテーマです。読者のみなさんにとっても、「近隣諸国との関係をどのように自律的にデザインしていくのか」という問いは、今後の国際ニュースを読み解くうえで重要な視点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








