香港カイタク・スタジアムをつくる建築家ジャニス・ラウの物語 video poster
14歳で香港特別行政区(Hong Kong SAR)から英国へと渡り、その後ふたたび故郷に戻ってきた建築家ジャニス・ラウさん。現在、カイタク・スポーツパークの中核となるカイタク・スタジアムの設計を率い、成長を続ける香港と共に歩んでいます。
通勤途中のフェリーから、日々かたちを変えていく建設現場を眺めながら、自ら描いた図面が現実のスケールで立ち上がっていく。そのプロセスは、ジャニスさんにとって「都市への恩返し」そのものだといいます。
14歳で海を渡り、故郷への思いを育てる
ジャニスさんが英国に渡ったのは14歳のときです。学びの場は変わっても、心は故郷の香港から離れることはありませんでした。学生時代を通じて、急速に変化し続ける香港の街並みを思い浮かべながら、自分の専門性でいつか貢献したいという思いを育ててきました。
カイタク・スポーツパークを形づくる建築家
学びを終えて香港特別行政区に戻ったジャニスさんは、建築家として再び故郷の地に立ちました。現在は、カイタク・スポーツパークの中心施設であるカイタク・スタジアムの設計をリードし、計画段階から建設に至るまで、一貫してプロジェクトに携わっています。
スタジアムは、香港の新たなスポーツと交流の拠点となることが期待される大型施設です。多くの人が集まり、競技やイベントを通じて時間を共有する場所の設計を担うことは、プレッシャーであると同時に大きなやりがいでもあります。
フェリーから眺める「育っていく」スタジアム
ジャニスさんの通勤は、フェリーに乗ることから始まります。毎朝、窓の向こうに見えてくるのは、自らが設計を率いるカイタク・スタジアムの建設現場です。クレーンが動き、基礎だった場所に新たな構造物が積み上がり、敷地全体が少しずつ輪郭を現していきます。
図面や3Dモデルの中にあったアイデアが、現場で実際の構造物へと変わっていく過程を毎日目にすることは、建築家として特別な体験です。ジャニスさんにとって、それは「自分自身の成長」と「都市の成長」が重なり合う瞬間でもあります。
建築は「都市への恩返し」
このプロジェクトは、ジャニスさんにとって単なる建築の仕事ではありません。幼い頃から自分を育ててくれた香港の街に、何かを返したいという思いが込められています。学生時代を海外で過ごしたからこそ、故郷の風景や日常の価値を改めて意識するようになったといいます。
大規模なスタジアムは目立つ存在ですが、彼女が重視しているのは、そこに集う人びとの時間と体験です。試合を観に訪れる人、イベントを楽しむ人、周辺を散歩する人。さまざまな生活が自然に交わる場所をつくることが、建築を通じた「都市への恩返し」だと考えています。
都市と共に成長する世代のロールモデル
グローバルに学び、再び故郷に戻って活躍する若い専門家は、アジアの多くの都市で増えています。ジャニスさんの歩みは、そうした世代の一つの姿を映し出しています。
ダイナミックに変化する香港の都市開発は国際ニュースとしてもたびたび取り上げられますが、その裏側には、ジャニスさんのように日々現場で汗を流す専門家の存在があります。海外で身につけた知識や視点を持ち帰り、地元のプロジェクトに生かす。そのプロジェクトが香港特別行政区の未来の風景をつくるスタジアムだという点に、この物語の象徴性があります。
フェリーから毎日見つめるスタジアムの変化は、彼女自身と都市がともに成長していく過程の記録でもあります。完成したとき、そこに立つカイタク・スタジアムは、ジャニスさんにとって「生まれ育った街に届ける一つのメッセージ」になるのかもしれません。
「都市と一緒に成長する」生き方
今回のストーリーを象徴するフレーズは、「Growing with the City(都市とともに成長する)」です。急速に変化する香港のような都市では、インフラや建物だけでなく、そこに暮らす人びとの価値観や働き方も常にアップデートされています。
ジャニスさんのように、自分の専門性を通じて都市の未来に関わろうとする姿は、これから進路を選ぶ若い世代や、キャリアの転機にいる社会人にとっても一つのヒントになるでしょう。どこで学び、どこで働くか。その選択の先に、「自分が育った場所への静かな貢献」を見据える生き方もあるということを、カイタク・スタジアムの物語は教えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








