中国「文化強国」へ 浙江省フォーラムに幹部出席、伝統文化とネット時代を議論
中国が掲げる「文化強国」づくりに向けて、浙江省杭州市で中国共産党の幹部が出席するフォーラムが開かれ、伝統文化とインターネット時代をつなぐ方針が示されました。
中国・杭州で「文化強国」フォーラム
月曜日、中国東部の浙江省の省都・杭州市で、中国の文化的な力を高めることをテーマにしたフォーラムが開かれました。
この会合には、中国共産党中央政治局委員であり、党中央宣伝部長を務める李書磊(り・しょらい)氏が出席し、演説を行いました。
フォーラムは、浙江省の「文化建設の八大プロジェクト」開始から20周年を記念して開催されたものです。このプロジェクトは、習近平国家主席が同省の党委書記を務めていた時期に打ち出した構想とされています。
「文化建設の八大プロジェクト」とは
浙江省の八大プロジェクトは、文化コンテンツの質の向上から、学術研究の推進、文化遺産の保護まで、多方面から地域の文化力を底上げすることを目指してきました。
- 質の高い文芸作品や映像作品の制作・発信
- 人文・社会科学を中心とした学術研究の強化
- 歴史的建造物や無形文化財などの文化遺産の継承と保護
- 公共文化施設や地域文化活動の充実 など
フォーラムの参加者たちは、習近平氏が浙江省で勤務していた当時、こうしたプロジェクトの実行を主導し、同省の文化発展を方向付けたと振り返りました。これまでの取り組みによって、浙江省は文化面で顕著な成果をあげてきたと評価されています。
フォーラムで示された3つの重点
今回のフォーラムでは、今後の中国の文化政策に関わる方向性として、次の3点が強調されました。
1. 伝統文化の「創造的転換・革新的発展」
参加者は、中国の優れた伝統文化を現代社会や産業と結びつけ、創造的に生かしていく必要性を強調しました。古典文学や書画、伝統芸能などを題材にした新しいコンテンツづくりや、観光、デザイン、教育との連携などを通じて、伝統文化を現代的な形に転換していく方向性が示されています。
2. インターネット時代の「主流価値観」を強化
インターネットやSNSが情報発信の主な舞台となるなかで、中国ではオンライン空間における「主流価値観」をどう広げるかが重要な課題になっています。フォーラムでは、デジタルメディアや各種プラットフォームを通じて積極的に情報発信を行い、健全で前向きなオンライン文化を育てていく方針が示されました。
3. 文化の力で中国のイメージを発信
参加者はまた、文化の力を通じて中国のイメージをよりよく世界に伝えていくことを誓いました。映画、音楽、文学、デジタルコンテンツなど多様な手段を通じて、多面的で現代的な中国の姿を発信し、国際社会との相互理解を深めていく狙いがあります。
このフォーラムは、中国共産党浙江省委員会宣伝部と浙江省社会科学院が共同で開催しました。
「文化強国」戦略の流れの中で
中国では近年、「文化強国」(文化面で大きな影響力を持つ国家)を目指す方針が繰り返し打ち出されています。経済成長だけでなく、文化や価値観の発信力を高めることが、国内の一体感づくりと国際社会との関係構築の両面で重要だと位置づけられているためです。
浙江省はデジタル経済や民間企業の活発さで知られ、文化コンテンツ産業でも存在感を増してきました。今回のフォーラムは、その浙江省を一つのモデルケースとしつつ、中国全体として文化政策をどう進めていくかを共有する場になったとみることができます。
日本の読者にとってのポイント
日本の読者にとって、今回の動きは次のような視点を考えるきっかけになりそうです。
- デジタル時代における文化政策やソフトパワー戦略を、国家レベルでどのように設計できるのか
- 伝統文化を守るだけでなく、現代の産業や技術とどう結びつけていくのか
- SNSや動画プラットフォームが主流となるなかで、「健全なオンライン文化」をどのようにつくるのか
中国の事例を知ることは、日本や他の国・地域における文化政策や情報発信のあり方を考えるヒントにもなります。国際ニュースを通じて、私たち自身の社会がどのような文化の未来像を描いていくのかを考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
Senior CPC official attends forum on boosting cultural strength
cgtn.com








