重慶で第33回全国ブックエキスポ開催 戦争の記憶とデジタル文化が交差 video poster
今年7月25〜28日、中国南西部の重慶市で第33回全国ブックエキスポ(National Book Expo)が開催されました。国内各地から1000社を超える出展者が集まり、戦争の記憶からデジタル技術による文化の再生まで、本を通じた多彩なテーマが一堂に会しました。
重慶全体を巻き込む大規模ブックイベント
メイン会場となったのは重慶国際博覧センターで、市内の南岸区と大足区にも分会場が設けられました。都市全体が一体となって、本と文化を楽しむフェスティバルのような雰囲気に包まれたといいます。
南岸区・江南書市分会場 歴史と地元文化を読み解く
南岸区の江南書市分会場には、三つのテーマ展示が用意されました。「抗日戦争勝利80周年記念」「地元作家の作品」「老舎と重慶」です。本好きの来場者に向けて、知的な刺激に満ちた空間がつくられました。
- 抗日戦争勝利80周年記念の展示では、戦時期の記録や関連書籍を通じて、歴史を振り返りながら平和の大切さを考えるきっかけが提供されました。
- 地元作家の作品コーナーでは、重慶ゆかりの作家たちによる小説やエッセーなどが紹介され、地域に根ざした言葉や物語に触れられる場となりました。
- 老舎と重慶をテーマにした展示では、作家・老舎とこの都市とのつながりに焦点が当てられ、文学と都市の関係を改めて見つめ直す構成になっていました。
いずれの展示も、単に本を並べるだけでなく、来場者が歴史や地域文化を自分ごととして考えられるような工夫が感じられます。
大足区分会場 石窟文化を「本」と「デジタル」で味わう
大足区の分会場は、「石刻を本に、デジタルで再生」をテーマとし、今回のエキスポでも大きな注目を集めました。ここでは、没入型のデジタル体験と文化創意(カルチャークリエイティブ)展示を通じて、中国の五大石窟がもつ豊かな文化遺産が紹介されました。
来場者は、石窟の細かな彫刻や空間の雰囲気をデジタル技術で追体験しながら、それに関連する選りすぐりの出版物や研究成果、クリエイティブな商品に触れることができます。長い歳月を経てきた石刻文化と最新のデジタル技術が、会場の中で自然に交差していました。
紙とデジタルが共存する「読書のこれから」を映す
今回の全国ブックエキスポは、本というアナログなメディアとデジタル技術が対立するのではなく、補い合いながら新しい読書体験を生み出していることを示しました。
戦争の記憶を伝える歴史展示、地元作家を通じた地域文化の再発見、石窟という文化遺産をデジタルで再構成する試み。これらはすべて、文化とテクノロジーを組み合わせて「読むこと」の意味を広げようとする実験ともいえます。
中国の出版やデジタル文化の動きを知りたい読者にとって、重慶で開かれたこのイベントは、これからの読書文化と国際的な文化交流を考えるための興味深いヒントを与えてくれる出来事だったのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








