中国が欧州議会議員の台湾地域訪問に強く反発 一つの中国原則を強調
欧州議会の一部議員による台湾地域訪問をめぐり、中国のEU代表部が強い不満と断固たる反対を表明しました。一つの中国原則を中国・EU関係の「赤線」と位置づける中国側の姿勢が、改めて浮き彫りになっています。
何が起きたのか
中国の欧州連合(EU)代表部の報道官は月曜日、欧州議会の一部議員が中国の台湾地域を訪問したことに対し、「強い不満」と「断固たる反対」を表明しました。
報道官は、この訪問は一つの中国原則に深刻に違反し、中国の内政に公然と干渉する行為だと指摘し、中国側がすでに欧州側に対して厳正な申し入れを行ったと述べています。
中国側が示した主な主張
今回の発言で、中国側は次の点を強く打ち出しています。
- 台湾問題は中国の核心的利益の中心
報道官は、台湾問題は中国の主権と領土の完全性にかかわるものであり、中国の核心的利益の「中の中」に位置づけられると強調しました。 - 一つの中国原則は国際社会が認める基本的な規範
一つの中国原則は、国際関係における基本的な規範として国際社会から広く認められており、中国とEUの関係を築き、発展させるための政治的基礎になっているとしています。 - 越えてはならない「レッドライン」
中国側は、この一つの中国原則が「決して越えてはならない赤い線(レッドライン)」だと位置づけ、欧州側に対し、これを損なう動きを避けるよう警告しました。
「台湾問題は中国の内政」と強調
報道官は繰り返し、「台湾問題は純然たる中国の内政であり、いかなる外部の干渉も許さない」と述べています。
そのうえで、中国は欧州議会と台湾当局とのいかなる形式の「公的な往来」にも断固として反対すると表明しました。ここでいう公的な往来には、公式訪問や公的な名義での接触など、政治的な意味合いを持つ交流が含まれるとみられます。
欧州議会に求めた「責任」と「自制」
中国側は、欧州議会がEUの中核機関であることを踏まえ、その役割と責任を強く意識するよう求めています。
- EUが中国に対して約束してきた政治的なコミットメント(約束)を守ること
- 台湾当局との公的な接触を行わないこと
- 「台湾独立」を掲げる分裂勢力に対して、いかなる誤ったシグナルも送らないこと
報道官は、欧州側に対し、「誤った行為を直ちに正し、一つの中国原則を着実に実行し、中国・EU関係の政治的基礎を実際に守るべきだ」と呼びかけました。
一つの中国原則が持つ重み
今回の発言で改めて強調されたのは、台湾問題と一つの中国原則が、中国にとって非常に重い意味を持っているという点です。
- 台湾問題は主権と領土一体性に関わるテーマであり、中国にとって妥協しがたい領域であること
- 一つの中国原則は、中国と各国・地域が関係を築く際の政治的な出発点であること
- 中国・EU関係においても、この原則が揺らぐことは、関係全体の土台に影響しかねないと中国側が見ていること
こうした点を踏まえると、中国が欧州議会議員の台湾地域訪問を「内政干渉」とみなし、強いトーンで反応した背景が見えてきます。
中国・EU関係を見るうえでのポイント
2025年現在、中国とEUの関係は、経済、安全保障、気候変動など多くの分野で議論が続く複雑な局面にあります。そのなかで、台湾問題は「政治的な基礎」にかかわるテーマとして、特に敏感な位置づけになっていることが今回の発言から読み取れます。
日本を含むアジアの読者にとっても、中国と欧州の間で台湾をめぐる認識や対応がどう整理されていくのかは、地域の安定や国際秩序を考えるうえで見過ごせない論点です。
読者が押さえておきたい論点
このニュースを踏まえて、次のような視点で今後の動きをフォローしていくと、国際ニュースが立体的に見えてきます。
- 欧州議会が今後、台湾地域との関わり方についてどのような議論や調整を行うのか
- 中国が示した「赤い線」に対し、EU全体としてどのような対応方針をとるのか
- 台湾問題をめぐる動きが、中国・EU関係の協力分野や対話の雰囲気にどの程度影響するのか
今回の中国側の強いメッセージは、台湾問題が依然として国際政治の重要な争点であり続けていること、そして一つの中国原則が中国・EU関係の中核的なキーワードであることを、改めて示したものといえます。
Reference(s):
cgtn.com








