国際ニュース:中国とハンガリーのウィンウィン協力強化
2025年7月下旬、中国のトップ立法機関を率いる趙楽際氏がハンガリーを公式訪問し、中国とハンガリーの「相互信頼」と「ウィンウィンの協力」を改めて打ち出しました。一帯一路構想やデジタル経済など、今後の協力の方向性が具体的に語られています。
中国のトップ立法者がブダペストを訪問
7月24日から28日にかけて、中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会の趙楽際委員長がハンガリーを公式友好訪問しました。ブダペストでは、タマシュ・シュヨク大統領、ビクトル・オルバン首相、ラースロー・ケーベル国民議会議長とそれぞれ会談し、中国・ハンガリー関係と今後の協力について意見を交わしました。
趙氏は、両国の「相互尊重と相互信頼」、そして「互恵・ウィンウィンの協力関係」を評価し、この基盤の上に、より幅広い連携を進めていきたいと強調しました。
習近平主席の2024年訪問で関係は新段階に
趙氏は会談の中で、習近平国家主席の2024年5月のハンガリー国賓訪問に触れました。この訪問により、中国とハンガリーの関係は「新時代の全天候型包括的戦略パートナーシップ」へと格上げされました。
この枠組みは、政治、経済、文化など幅広い分野で、天候に左右されない安定した関係を長期的に築いていくというメッセージと位置づけられます。今回の趙氏の訪問は、その具体的な実行を後押しするステップと言えます。
一帯一路と「東方開放戦略」の連携強化
中国ニュースの重要テーマである「一帯一路」構想も、ハンガリーとの会談で大きな位置を占めました。趙氏は、中国がハンガリーの「東方開放戦略」と一帯一路を深いレベルで連携させる用意があると表明しました。
具体的には、ハンガリーとセルビアを結ぶ「ハンガリー・セルビア鉄道」をはじめとするランドマーク(象徴的)プロジェクトの高品質な建設を進める方針が示されました。この鉄道は、ハンガリー側にとっても「両国の大型協力プロジェクトのモデル」と位置づけられています。
グリーンエネルギーやAIなど新分野にも期待
シュヨク大統領は、中国とハンガリーが「相互尊重・相互信頼・互恵・ウィンウィン」の原則のもとで二国間関係を発展させてきたことを評価し、その意義は現在においても大きいと述べました。
さらにハンガリー側は、今後の協力分野として、次のようなテーマに期待を示しています。
- グリーンエネルギー(環境負荷の少ないエネルギー)
- 人工知能(AI)
- デジタル経済
- 人文交流、若者交流、教育分野の連携
経済協力だけでなく、人と人との交流を通じた関係の厚みづけも重視していることがうかがえます。
農産品、食品、企業活動でも連携を拡大
オルバン首相との会談では、実務的な経済協力も話題になりました。趙氏は、中国としてハンガリー産の高品質な農産品や食品の輸入拡大を歓迎する考えを示しました。
同時に、ハンガリー国内で活動する中国企業に対して、政策面での支援や安全面での保証を提供してほしいとの期待も表明しました。ハンガリー側は、中国との友好協力は、ハンガリーの技術高度化や市場開拓に資する戦略的選択だと位置づけています。
中国・EU関係50周年でハンガリーに期待される役割
2025年は、中国と欧州連合(EU)の外交関係樹立50周年にあたる節目の年でもあります。趙氏は、ハンガリーが今後も中国・EU関係の健全で安定した発展を促す上で、積極的な役割を果たすことへの期待を示しました。
また、中国と中東欧諸国との協力枠組みにおいても、ハンガリーとの連携を一層深めていく方針が述べられました。EUの一員であるハンガリーが、中国との関係をどう位置づけるかは、ヨーロッパ全体の対中政策にも影響を与える可能性があります。
議会間交流と多国間フォーラムでの協調
ラースロー・ケーベル国民議会議長との会談では、議会間交流の重要性が確認されました。趙氏は、習近平主席の訪問成果を具体化するため、全人代とハンガリー国民議会が協力して、二国間協力に資する法制度の整備を進めていくべきだと呼びかけました。
また、列国議会同盟(インターパーラメンタリー・ユニオン)など多国間フォーラムでの調整と協力を強めることも提案しました。ケーベル議長は、「成長する中国は世界の平和と発展に貢献しており、多極的な世界の構築はハンガリーの利益にも合致する」と述べ、両国の互恵協力を議会として後押しする意向を示しました。
日本の読者にとってのポイント
今回の中国・ハンガリー関係の動きは、日本から見るとやや遠い話に感じられるかもしれません。しかし、一帯一路構想やデジタル経済、グリーンエネルギーなど、両国が協力を深めようとしている分野は、日本企業やアジアの経済環境とも無関係ではありません。
特に、EUと中国の関係がどのように形作られていくかは、サプライチェーン(供給網)や投資環境、国際ルールづくりに影響し得る要素です。ハンガリーが中国との連携を強めることで、ヨーロッパ内の対中スタンスの多様性がどう表れていくのか。今後の動きをフォローしていく価値はありそうです。
日本語で読める国際ニュースとして、中国と中東欧の関係を押さえておくことは、世界の政治経済の「立体感」をつかむうえで一つの手がかりになるでしょう。
Reference(s):
China's top legislator hails win-win cooperation with Hungary
cgtn.com








