中国の全国育児補助金、0〜3歳に年3600元 少子化対策の新たな一手
中国で、0〜3歳の子どもを持つ家庭を対象にした全国規模の育児補助金制度が、今年8月下旬から実施されることが発表されました。少子化が続くなか、働く親の負担をどう減らし、出生数の回復につなげていくのかが焦点です。
全国で導入が決まった育児補助金制度とは
中国国務院の報道担当部門は水曜日の記者会見で、全国一律の育児補助金制度を2025年8月下旬から開始すると明らかにしました。0〜3歳の子どもを持つ家庭が対象で、年3600元(約500ドル)の現金が支給されます。
制度の骨格は次のとおりです。
- 対象:3歳になるまでの子ども
- 金額:子ども1人あたり年3600元(約500ドル)
- 開始時期:2025年8月下旬から全国で順次実施
- 想定される受益者:2000万世帯を超える家庭
誰が、どの子どもについて申請できるのか
今回の育児補助金制度は、出生時期によって細かい条件が設定されています。ポイントを整理すると次のようになります。
- 2025年1月1日以降に生まれた子ども:3歳になるまで、毎年3600元が支給
- 2025年1月1日より前に生まれた子ども:3歳未満であれば対象で、残りの月数に応じて按分して支給
- 申請者:父母のいずれか、または法定監護人が申請可能
申請は、全国育児補助金情報システムと呼ばれるオンラインの専用窓口から行えるほか、指定されたオフラインの窓口でも受け付けるとされています。デジタルに慣れた世代だけでなく、オンライン申請に不慣れな人にも配慮した設計といえます。
背景にある少子化と出生数の変化
この育児補助金は、少子化への危機感の高まりを背景に打ち出された政策です。中国の出生率と新生児数は、2024年まで7年連続で減少してきましたが、2024年には小幅な反発が見られました。
今回の現金給付は、こうした流れを安定した回復につなげたいという狙いの一環です。特に、共働き世帯の増加で子育てと仕事の両立が課題となるなか、「経済的な負担を少しでも軽くしたい」というメッセージが込められていると受け止められます。
年3600元は家計にどのくらい効いてくるか
年3600元という金額は、オムツやミルクなどの基本的な育児費用の一部をカバーできる水準とみられます。全ての負担を補えるわけではないものの、「小さくないサポート」と捉える家庭も多いでしょう。
現金給付は、保育サービスの利用料、祖父母へのお礼、ベビー用品の購入など、家庭ごとに優先順位の高い支出に自由に充てられる点が特徴です。一方で、金額が十分かどうか、都市部と地方で必要な支援の形がどう異なるのかといった論点も今後の議論になりそうです。
今後の焦点:少子化対策としての実効性
今回の育児補助金制度は、少子化対策として次のような点で注目されています。
- 働く親の経済的・心理的負担をどこまで軽減できるか
- 「子どもをもう1人持つかどうか」の判断にどれほど影響するか
- 保育サービスや住宅支援など、他の施策とどう組み合わされていくか
現金給付だけで出生数の流れを大きく変えるのは簡単ではありませんが、子育て世代に「支えられている」という感覚を届けられるかどうかは、少子化対策全体の成否にも影響します。
日本を含む多くの国と地域でも、育児支援と少子化の問題は共通の課題です。中国で導入が決まった大規模な育児補助金制度が、どのような成果や教訓を生み出すのか。今後の動きは、国際ニュースとしても注視しておきたいテーマといえます。
Reference(s):
cgtn.com








