海南の名物鍋「zaopo vinegar hot pot」とは?酸っぱ辛いローカルフード
中国・海南のローカル鍋料理「zaopo vinegar hot pot(中国語名 zaopocu)」が、いま国内の観光客の間でじわじわと知名度を高めています。省レベルの無形文化遺産への登録も目指すこの酸っぱ辛いスープは、なぜ支持を集めているのでしょうか。
海南のローカル定番、通年で楽しまれる鍋
zaopo vinegar hot pot は、海南の人びとが一年を通して味わう定番料理です。鮮やかな赤いスープが特徴で、タイ料理のトムヤムクンに色合いがよく似ていることから「海南版トムヤムクン」と呼ばれることもあります。ただし、その味わいはまったくの別物です。
スープはにんにくの香りが立ち、強い酸味と辛味が重なり合うのが特徴です。海産物や肉のうま味が加わり、ひと口ごとにパンチのある風味が広がります。
プーチエン鎮で生まれた発酵スープ
この鍋のルーツは、海南北部・文昌市のプーチエン鎮(Puqian Town)にあります。ベースとなるのは、米酒を造る際に生まれる「酒かす」に似た副産物を発酵させたものです。現地では蒸留酒の製造過程で出るこうした発酵かすを活用し、独特の酸味を持つスープのもとに仕立ててきました。
この発酵ベースは、地元の市場で手ごろな価格で売られており、家庭の食卓でも親しまれています。酒造りの副産物を無駄にせず、新たな料理として生かしてきた知恵ともいえます。
具だくさんで力強い味わい
典型的な zaopo vinegar hot pot には、海と陸の食材がたっぷりと入ります。代表的な具材は次のとおりです。
- 巻き貝などの貝類(conch)
- 白身魚を中心とした海魚
- えび
- 海藻
- 牛肉
にんにくの効いた酸っぱ辛いスープに、これらの具材から出るだしが重なり、濃厚ながらも後を引く味わいになります。海の幸と肉を一度に楽しめることも、この鍋の魅力の一つです。
観光客の人気と無形文化遺産への動き
ここ最近、海南を訪れる国内の観光客のあいだで、このローカル鍋を目当てにプーチエンや文昌を訪れる人が増えています。こうした人気の高まりを受け、伝統的な zaopo vinegar hot pot を省レベルの無形文化遺産として登録しようとする動きが進んでいます。
無形文化遺産に登録されれば、地域の飲食文化としての価値が公式に認められ、後継者の育成や記録保存などの面で追い風になります。すでにこの酸っぱいスープは海南の外にも少しずつ広がりつつあり、海南を代表する料理としての存在感を強めています。
ローカル料理から見える食のこれから
酒造りの副産物を活用し、酸味と辛味を前面に押し出した zaopo vinegar hot pot は、発酵食品への関心や、地域の食文化を見直す流れとも響き合っています。シンプルな材料から生まれる濃厚な味わいは、資源を無駄にしない知恵と、土地の気候や暮らしに根ざした「ローカルフード」の力を感じさせます。
海南発のこの鍋料理が、今後どこまで知られる存在になっていくのか。観光客の人気と無形文化遺産への取り組みを背景に、海辺の小さな町の味が、より広い地域へと伝わり始めています。
Reference(s):
cgtn.com








