中国・浙江省Yucun発 緑の道を走る若者たちの自転車ライフ video poster
中国東部・浙江省の山あいにある村、Yucun。上海の忙しい生活を離れてこの地に移り住み、自転車クラブを立ち上げた若い女性がいます。きれいな水と豊かな森を生かした緑の道が、今、どのように人々の暮らしと幸せを変えつつあるのでしょうか。
上海のスピードから山里のリズムへ
Zhuo Li さんは、かつて上海で慌ただしい都市生活を送っていました。しかし、より自然に近い場所で、自分のペースで暮らしたいと考え、思い切って浙江省のYucunに移り住みます。ロングドラゴン山のふもとにあるこの村で、彼女は理想とする生活スタイルを見つけました。
そこで始めたのが、田舎のサイクリングクラブです。都会から離れた静かな山あいの村に、自転車が好きな人びとを全国から迎え入れ、竹林に囲まれた小道や、曲がりくねった山道を案内しています。
竹林のトレイルを走る、緑のサイクルツーリズム
Yucunの魅力は、ロングドラゴン山のふもとに広がる自然そのものです。竹林のトレイルを自転車で進むと、木漏れ日の中を風が抜け、遠くに山並みが見えてきます。スピードを競うのではなく、景色と空気を味わいながら走るスタイルが中心です。
参加者の多くは、仕事や勉強で忙しい都市部の人びとです。週末に訪れ、村の民宿に泊まり、早朝のひんやりとした空気の中でペダルをこぎます。走り終えた後には、地元の料理を囲みながら、自然の中で過ごす時間の価値について語り合うといった光景も広がっています。
ペダルがつなぐ、村と来訪者の新しい関係
サイクリングクラブは、単なるスポーツの場にとどまりません。村の人びとが案内役となり、景観の成り立ちや暮らしの知恵を伝えることで、来訪者との交流が生まれます。こうした小さなつながりが、地域の活力にもつながっていきます。
国際社会も注目 エリック・ソルヘイム氏が見たYucun
この動きには、国際社会からも目が向けられています。ヨーロッパとアジアの交流に取り組むEurope-Asia Centerの会長で、かつて国連の事務次長も務めたエリック・ソルヘイム氏は、自ら自転車でYucunを走り、村の変化を見つめました。
山あいの道を走りながら、ソルヘイム氏は村の人びとと対話を重ね、自然を守りながら豊かさを生み出す取り組みが、どのように暮らしの質や幸福につながっているのかを確かめています。緑に囲まれたサイクリングコースは、環境と経済を両立させようとする試みの象徴として映ったはずです。
lucid waters and lush mountains という発想
Yucunの背景には、lucid waters and lush mountains という考え方があります。直訳すれば、澄んだ水と豊かな山という意味ですが、ここでは「よく守られた自然こそが、長期的な豊かさと幸せの源になる」という発想を表しています。
Zhuo Li さんのサイクリングクラブは、その具体的な姿のひとつです。自然環境を大切にしながら、人が集まり、仕事が生まれ、地域の誇りが育っていく。この循環を、自転車というシンプルな乗り物が後押ししています。
日本の地域づくりへのヒント
こうしたYucunの取り組みは、日本の読者にとっても無関係ではありません。人口減少や過疎が進む中で、どのように地域の魅力を再発見し、外から人を呼び込むのかは、日本各地が直面している課題です。
Yucunのサイクリングクラブが示しているのは、派手な設備投資ではなく、もともとある自然と暮らしをていねいに生かすアプローチです。そこに共感した若者が、都市から山里へと生活の拠点を移し、新しい仕事やコミュニティをつくり出しています。
- 自然そのものを資源として見直すこと
- 地域の物語を、体験型のアクティビティとして伝えること
- 国内外の多様な人びとと、オープンに交流すること
こうした視点は、日本のサイクルツーリズムや地方創生にも通じるものがあります。国際ニュースとしてのYucunの動きは、同時に、私たち自身の暮らし方や仕事観を問い直すきっかけにもなりそうです。
ペダルを一回転させるごとに景色が少しずつ変わっていくように、緑の道を選ぶ人が増えることで、地域と世界の未来も少しずつ変わっていくのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








