中国の結婚市場とは?公園で広がる親世代の縁結び
中国の公園で開かれる「結婚市場」は、親世代が子どもの将来を案じて集う独特の場です。家族や結婚への期待、そしてデジタル化する出会いのかたちが、いまどのように交差しているのでしょうか。
家族と結婚への強い期待が生む「場」
中国文化では、家族や結婚が人生の重要な節目として重視されます。そのため、多くの親は子どもが結婚し家庭を築くことに強い関心を持ち、ときにプレッシャーも感じています。
こうした家族の期待が集中的に表れる場所のひとつが、公園で開かれる「結婚市場」です。親たちはここで、子どものためにふさわしいと考える相手を探そうとします。
手書きのラブレターからアプリへ、それでも残る仲人文化
かつての恋愛は、手書きのラブレターや対面でのやりとりが中心でした。いまは、出会いの主な舞台が、交流サイトやメッセージアプリなどのデジタル空間へと大きく移っています。
しかし中国本土では、親が子どものために相手を探す「お見合い」のような仲人文化が、長く受け継がれてきました。結婚市場は、その伝統的な仲人役を現代に引き継いだ場ともいえます。
- オンライン:出会い系アプリやSNSを通じた個人同士のマッチング
- オフライン:公園で親同士が情報を交換する結婚市場
デジタルと伝統的な方法が並行して存在しているのが、現在の中国の婚活風景の特徴のひとつです。
北京の公園に広がる結婚市場
こうした結婚市場は、中国本土各地の都市にある公園で開かれています。首都・北京にも、代表的な結婚市場がいくつかあります。
北京市内では、中山公園、玉淵潭公園、Temple of Heaven の3カ所に、大きな結婚市場があるとされています。ここでは、子どもの結婚相手を思う親たちが集まります。
中山公園と玉淵潭公園、その違いと共通点
取材で訪れたのは、中山公園と玉淵潭公園の2カ所です。雰囲気にはそれぞれ違いがありましたが、根本的な「縁結びの仕方」はよく似ていました。
2つの公園を比べると、より多くの人が集まるのは中山公園です。一方で、親たちが互いに声をかけ合いながら子どもの情報を伝え、相手を探すというマッチングの方法そのものは、どちらの場所でもほぼ共通していました。
なぜいまも結婚市場が支持されるのか
出会いがアプリやSNSに広がった現在でも、結婚市場のような場が残り続けている背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 親世代が、子どもの将来に直接関わりたいという思い
- 対面で話すことで、家庭や価値観をより具体的に確かめられるという安心感
- 同じ悩みや期待を持つ親同士がつながる、コミュニティとしての役割
とくに、結婚や家族をめぐる悩みが大きくなりやすい都市部では、こうした場が「情報交換の広場」として機能している側面もあるといえるでしょう。
デジタルネイティブ世代から見える風景
スマートフォンで日常的に情報収集を行う若い世代にとって、公園の結婚市場という風景は、どこか「オフラインならでは」の特別な光景に映るかもしれません。
一方で、親が自分のために相手を探しているという事実は、家族のつながりの強さを示すものでもあります。中国本土の結婚市場は、テクノロジーが進んだ2020年代の現在でも、家族と社会の関係を映し出す鏡のような存在として続いています。
アプリで出会う恋愛と、公園で広がる親世代の「縁結び」。その両方が併存する中国の婚活風景は、これからの東アジアの家族観や結婚観を考えるうえでも、注目しておきたいテーマといえそうです。
Reference(s):
cgtn.com








