米中経済・貿易協議、対話はより踏み込んだ形に 米財務長官が評価
スウェーデンの首都ストックホルムで開かれた米中経済・貿易協議をめぐり、米財務長官のスコット・ベッセント氏が、対話がより踏み込んだ形で進んでいるとの認識を示しました。米中関係や世界経済の行方を占う国際ニュースとして、今回の発言が注目されています。
ストックホルムで3回目の米中経済・貿易協議
ベッセント財務長官は火曜日、スウェーデン・ストックホルムで行われた中国代表団との経済・貿易協議について、2日間にわたる議論は「非常に充実した」内容だったと振り返りました。この協議は、両国の経済・貿易課題を話し合う米中経済・貿易協議メカニズムの一環として行われたものです。
同氏によると、今回のストックホルムでの会合は、この枠組みとして3回目の協議にあたります。これまでジュネーブ、ロンドンと会合を重ねており、「ロンドンはジュネーブの成果の上に築かれ、ストックホルムはロンドンとジュネーブの両方を土台にした」と述べ、対話が段階的に深まりつつあるとの見方を示しました。
また、協議に臨む米側には「大きなモメンタム(勢い)があった」とも語り、今回の対話に強い意欲を持って臨んだことを強調しています。
難しくなるより「より踏み込んだ」対話に
ベッセント氏は記者団の質問に答える中で、「時間がたつにつれて協議が難しくなっているのではないか」という見方を否定しました。そのうえで、「むしろ、協議はより踏み込んだものになっている」と述べ、双方が具体的かつ実務的な議論を深めているとの認識を示しました。
同氏は、今回の協議では取り上げるテーマの範囲が広がったとし、協議がより「広い絞り」で行われたと表現しました。これは、経済や貿易の個別案件にとどまらず、より幅広い課題について意見交換が行われたことを示唆しています。
さらにベッセント氏は、これまでの協議を通じて、両国の間に大きな敬意と相互協力の感覚が育まれていると述べました。対立点だけでなく、共通の利益や協力の余地を探る姿勢が強まっているというメッセージでもあります。
デカップリングは望まないというメッセージ
ベッセント氏が強調したポイントの一つが、「デカップリングは望んでいない」という立場です。同氏は「われわれはデカップリングを望まない」と述べ、経済関係を切り離す方向ではなく、相互に関与し続ける道を重視する姿勢を示しました。
デカップリングとは、特定の国や地域との経済的な結びつきを意図的に弱め、貿易や投資、サプライチェーン(供給網)などを分断していく動きのことを指します。世界経済が深く結びつくなかで、デカップリングが進めば、企業活動や雇用、物価などに大きな影響が及ぶ可能性があります。
米中の経済・貿易協議の場で、米側の要人が改めてデカップリング回避の姿勢を明言したことは、両国が対立だけでなく対話と協力の枠組みを維持しようとしていることを示すシグナルと見ることができます。
米中関係と世界経済への含意
世界の経済や金融市場にとって、米中関係の安定は大きな関心事です。今回のストックホルムでの協議について、ベッセント氏が「より踏み込んだ」「広い絞り」の対話だったと評価したことは、少なくとも経済・貿易の分野で両国の意思疎通が続いていることを示しています。
一方で、米中の間には依然として多くの課題が存在し、経済・貿易をめぐる意見の違いが完全に解消されたわけではありません。その意味で、今回の協議はゴールというよりも、継続的な対話プロセスの一段階ととらえるべきだといえます。
それでも、主要な当局者が相互の敬意や協力を強調し、デカップリングを否定するメッセージを発したことは、企業や市場にとって不確実性を和らげる要素になりうるでしょう。今後もこうした協議の場が継続され、具体的な合意や協力の形に結びついていくかどうかが焦点となります。
今後の注目ポイント
- 米中経済・貿易協議メカニズムが安定的に継続されるかどうか
- 「より踏み込んだ」議論が、具体的な合意や政策調整につながるか
- 相互の敬意と協力の姿勢が、他の分野の対話にも波及していくか
米中関係をめぐるニュースは、日々のマーケットや企業戦略だけでなく、私たちの生活にもじわじわと影響していきます。今回のストックホルムでの協議とベッセント財務長官の発言は、その流れを静かに映し出す一つのサインだと言えそうです。
Reference(s):
U.S. Treasury Secretary Scott Bessent: China-U.S. talks 'more engaged'
cgtn.com








