中国副首相が米中協力強化を提案 ストックホルム経済協議の中身
中国副首相が「協力強化」を強調 ストックホルムで米中経済・通商協議
中国と米国の経済・通商関係をめぐり、新たなハイレベル協議がスウェーデンの首都ストックホルムで月曜と火曜に行われました。中国のフー・リーファン(He Lifeng)副首相は、米国と協力を強化し、安定した米中経済関係を築く必要性を強く訴えています。
ストックホルム協議の顔ぶれとテーマ
今回の米中経済・通商協議には、中国側からフー・リーファン副首相が出席し、米国側からは財務長官のスコット・ベッセント氏と通商代表のジェイミソン・グリア氏が参加しました。
率直かつ建設的な議論
両国の経済・通商チームは、米中の経済・貿易関係やマクロ経済政策(景気や物価を全体として調整する政策)、そのほか互いの関心が高い幅広い経済・通商分野について、率直で踏み込んだ、建設的な議論を行ったとされています。
「安定・健全・持続可能」な米中経済関係を強調
フー・リーファン副首相は、安定的で健全、かつ持続可能な米中の経済・通商関係は、両国それぞれの発展目標に資するだけでなく、世界経済の成長と安定にもプラスになると強調しました。
さらに、中国の立場は一貫しており、米中経済・通商関係の本質は「相互利益」と「ウィンウィンの協力」にあると指摘しました。経済と貿易の分野で両国には広範な共通利益と、協力の余地が広く存在しており、「協力すれば双方に利益があり、対立すれば双方が傷つく」との考えを改めて示しています。
ジュネーブ・ロンドンの合意を確認、関税一部停止の延長へ
今回のストックホルム協議では、これまでにジュネーブでの経済・通商協議で得られた合意や、ロンドン協議で取り決められた枠組みの実施状況についても振り返り、その履行が確認されました。
そのうえで、会合での新たな共通認識に基づき、両国は今後、米国側が課している相互関税の一部(24%に相当する部分)について、90日間の停止措置を延長すること、ならびに中国側の対抗措置についても同様の延長を進めていく方針です。
関税の一部停止を延長する動きは、緊張の緩和と対話継続のための「安全弁」としても注目されます。
6月5日の首脳電話会談が示した「3つの原則」
フー・リーファン副首相は、6月5日に行われた両国首脳の電話会談で確認された重要な共通認識を指針とするべきだと述べました。そのうえで、次の3つの原則を改めて強調しました。
- 相互尊重
- 平和共存
- ウィンウィンの協力
両国はそれぞれの関心事項を尊重しつつ、共通認識をさらに固め、相互の信頼を深めるべきだとしています。また、米中経済・通商協議の枠組み(協議メカニズム)の役割を十分に活用し、継続的に対話を行う必要性を呼びかけました。
米国側も「安定した関係」が世界経済に重要と評価
米国側も、安定した米中の経済・通商関係は、両国の経済だけでなく、世界全体の経済にとっても大きな意味を持つと評価しました。
そのうえで、米国は中国側と共に、経済・通商分野での意見の違いを協議メカニズムを通じて解決し、協議からより多くの成果を生み出し、二国間の経済・通商関係をさらに安定させていく用意があると表明しています。
今回の協議から見える米中関係の今後
今回のストックホルム協議では、双方が「対立よりも協力」「制裁よりも対話」を重視する姿勢を改めて示した形です。
- 米中双方が、安定した経済・通商関係を世界経済の安定要因として位置づけていること
- 過去のジュネーブ、ロンドンでの合意を土台にしつつ、関税の一部停止延長など具体的な措置を進めようとしていること
- 首脳間の電話会談で示された原則を、実務レベルの協議の「羅針盤」として確認し直したこと
こうしたポイントから、米中双方が少なくとも経済・通商分野では、対話のチャンネルを維持し、相違点を管理しながら協力の余地を広げていく意欲を示していると見ることができます。
今後、関税の一部停止がどのような形で延長されるのか、そして協議メカニズムを通じてどこまで具体的な成果が積み上がるのかが、世界の市場や企業にとっても注目点となりそうです。
Reference(s):
Chinese vice premier calls for stronger China-U.S. cooperation
cgtn.com








