中国本土の自然遺産を守るレンジャー 国家公園と緑水青山の20年
2025年、中国本土では「緑水青山は金山銀山」に象徴される生態文明の考え方が提唱から20年、国家公園体制改革から10年という節目を迎えています。こうした流れの中で、自然遺産を現場で守る「エコロジー保護レンジャー」の役割がいっそう重要になっています。
「緑水青山は金山銀山」という理念の広がり
中国本土で語られる「緑水青山は金山銀山」という言葉は、豊かな自然そのものが経済的価値に匹敵する資産だという発想を示しています。この理念が打ち出されてから20年、環境保護と経済発展を両立させようとする政策の背骨となってきました。
単に自然を「守る」だけでなく、持続可能な利用を通じて地域の暮らしも豊かにしていくことが重視され、その現場を支えているのがレンジャーたちです。
国家公園体制改革10年と「体系的な連携」
木曜日に開かれた国家林業・草原局(National Forestry and Grassland Administration=NFGA)の記者会見で、同局保護地管理部門の孫宏彦(Sun Hongyan)副局長は、中国本土の国家公園体制が「体系的な連携」と「全面的な推進」の段階に入ったと説明しました。
国家公園や自然保護区などを一体的に整えていくことで、生態系を広いスケールで守りやすくなるとともに、現場で働くレンジャーの配置や役割もより明確になりつつあるとみられます。
エコロジー保護レンジャーとは何をする人たちか
エコロジー保護レンジャーは、国家公園や自然保護区などで日々パトロールを行い、違法な伐採や密猟が行われていないかを見回るとともに、動植物の変化を観察して記録する役割を担っています。
一般的に、レンジャーの主な業務としては、次のようなものが挙げられます。
- 山林や湿地などを巡回し、違法行為の早期発見に努める
- 希少な動植物や生態系の状況をモニタリングし、データとして蓄積する
- 森林火災などの災害が発生した際の初動対応や通報を行う
- 地域住民や観光客に自然保護の重要性を伝える環境教育の役割を果たす
こうした地道な活動が積み重なることで、目に見えにくい生物多様性の危機を早めに察知し、被害を最小限に抑えることができます。
生物多様性を支える「縁の下の力持ち」
レンジャーの仕事は、華やかなスポットライトを浴びることは多くありませんが、生物多様性を守るうえで欠かすことのできない存在です。山奥や高原、砂漠地帯など、厳しい自然環境の中で長時間活動することもあります。
その一方で、レンジャーは保護区と地域社会をつなぐ架け橋でもあります。自然保護のルールを一方的に押しつけるのではなく、地域の暮らしや伝統と折り合いをつけながら、どのように自然遺産を次世代に残していくかを一緒に考える役割も期待されています。
世界レンジャーの日と、中国本土から見える課題
毎年7月31日は「世界レンジャーの日」です。自然を守るために世界各地で活動するレンジャーに感謝し、その貢献をたたえる日とされています。生物多様性保護の要として働くプロフェッショナルなレンジャーたちに、改めて注目が集まります。
「緑水青山は金山銀山」という理念の20年と、国家公園体制改革の10年を迎えた中国本土では、レンジャーの役割をどう支え、どう評価していくかが、今後の大きなテーマになりそうです。
日本の読者への問いかけ
日本でも国立公園や里山など、多様な自然が身近にあります。中国本土のレンジャーたちの取り組みを知ることは、私たち自身がどのように自然と向き合い、その価値を次の世代に手渡していくのかを考えるヒントにもなります。
スマートフォンで風景写真を撮るその瞬間の裏側で、自然を守るために働く人たちがいる――。世界レンジャーの日や、中国本土の国家公園の動きに目を向けながら、身近な自然の価値を改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Ecological protection rangers safeguard China's natural heritage
cgtn.com








