海洋プラごみに「第二の人生」 Blue Circleが描くQRコード時代の循環型ファッション video poster
2025年現在、世界の海を漂うプラスチックごみをどう減らすかは、国際ニュースでも繰り返し取り上げられる大きな課題です。その中で、海から回収されたペットボトルに「第二の人生」を与えるプロジェクト『Blue Circle(ブルーサークル)』が注目されています。
海洋プラスチックごみを服や靴、文房具、スマホケースなどへと生まれ変わらせ、さらにQRコードで一つ一つの旅路を見える化するこの取り組みは、環境問題とテクノロジー、そして日常の消費行動をつなぐ新しい試みと言えます。
海洋プラスチックに「第二の人生」を
『Blue Circle』の出発点は、海を漂う捨てられたペットボトルです。本来であればごみとして埋め立てられたり、長い時間をかけて海に残り続けたりするはずだった素材が、プロジェクトを通じて再び「使えるもの」に変わります。
プロジェクトで生まれ変わる主なアイテムは、次のような身近な製品です。
- 服やアウターなどのファッションアイテム
- スニーカーなどの履き物
- ノートやペンケースといった文房具
- スマートフォンケースなどのアクセサリー
通勤や通学のときに身に着けるもの、デスクの上に置かれるものが、かつては海を漂っていたプラスチックごみだったかもしれない――その事実を意識することで、海洋プラスチック問題がぐっと自分ごととして感じられるようになります。
QRコードが語る「海からあなたの手元まで」の物語
『Blue Circle』の特徴は、製品そのものだけでなく、その裏側のストーリーまで一緒に届けようとしている点です。各アイテムにはQRコードが付けられており、スマートフォンで読み取ることで、海洋プラスチックがどのようにして自分の手元の製品へと変わってきたのか、その軌跡をたどることができます。
QRコードを通じて可視化されるのは、例えば次のようなプロセスです。
- 海や沿岸でのプラスチックごみの回収
- ペットボトルの分別や洗浄などの前処理
- 素材として再利用するための加工
- 服や靴、文房具、スマホケースなどへの製品化
- 最終的に消費者の手に届くまでの物流の流れ
これまで「ごみ」として見えにくかった存在が、QRコードによって一本のストーリーとして語られることで、消費者は自分の選択が環境にどうつながっているのかを、より具体的にイメージしやすくなります。
エリック・ソルハイム氏が見た「ごみが宝物になる瞬間」
『Blue Circle』の取り組みには、国際社会で環境問題に長く関わってきた人物も注目しています。欧州アジアセンターの議長で、国連の前事務次長を務めたエリック・ソルハイム氏は、このプロジェクトの現場を訪れ、海洋プラスチックが「ごみから宝物へ」と変わるプロセスをたどっています。
環境政策と国際協力の第一線で活動してきた立場から、ソルハイム氏は、海洋プラスチック問題を「負の遺産」として嘆くだけでなく、そこから新しい産業や働き方、そして地域の誇りを生み出そうとする動きに注目しています。『Blue Circle』は、その象徴的な例として取り上げられていると言えます。
なぜいま「トレーサビリティ」が重要なのか
『Blue Circle』がQRコードで海洋プラスチックの旅路を公開している背景には、「トレーサビリティ(追跡可能性)」への関心の高まりがあります。2025年のいま、国際ニュースやビジネスの現場では、環境負荷や人権への配慮など、製品がどのような過程を経て作られたのかを説明する責任が、企業や団体に強く求められています。
こうした流れの中で、海から回収されたボトルが、どこの工場でどのように処理され、どのような経路で消費者の手元に届いたのかを示すことは、単なる「エコなイメージづくり」を超えて、説明責任の一部になりつつあります。
QRコードをスマートフォンで読み取りながら、海洋プラスチックごみ問題のリアルな姿と、自分の消費行動とのつながりを知ること。それは、環境問題を数字やスローガンではなく、「一つのストーリー」としてとらえ直すきっかけにもなります。
私たちの「選び方」をどうアップデートするか
『Blue Circle』のような取り組みは、海洋プラスチック問題を解決する「唯一の答え」ではありませんが、私たちの日常と海の環境をつなぐ新しい選択肢の一つです。特に、デジタルネイティブ世代の多くがスマートフォンで情報を集め、SNSで意見を共有するいま、QRコードを起点にストーリーを知り、それを周囲とシェアする動きは広がりやすいと言えます。
身の回りの製品がどこから来たのか、どんな素材でできているのかに関心を持つことは、自分の価値観を見直すことにもつながります。海洋プラスチックごみを「問題」だけでなく、「変化のきっかけ」にもできるのか。『Blue Circle』は、その問いを私たち一人ひとりに静かに投げかけているように見えます。
海を漂っていたペットボトルが、あなたのクローゼットやデスクの上で第二の人生を歩む未来。そのストーリーに耳を傾けることから、次の一歩が始まるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








