ブラジルが中国を逆転 男子バレーVNLファイナル準決勝へ
男子バレーボールの国際大会「ネーションズリーグ(VNL)」ファイナル準々決勝で、開催国の中国が世界ランキング4位のブラジルにセットカウント1-3で敗れました。それでも中国は、強豪ブラジルを相手に第1セットを先取するなど、今後につながる内容の試合を見せています。
一発勝負のVNLファイナル、中国は8強で姿を消す
今年のFIVB男子バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)ファイナルは、中国東部・浙江省寧波市で開幕しました。今大会からは、一度負ければ終わりのシングルエリミネーション方式(トーナメント方式)が導入され、予選ラウンド上位7チームに開催国・中国が加わる8チームで優勝を争います。
ブラジルは予選ラウンドを11勝1敗と圧倒的な成績で終え、今大会の優勝候補の一つと見られてきました。6月のシカゴラウンドでは中国を3-0で下しており、中国にとってはリベンジの機会でもありました。
第1セットは中国が奪取 ブロックが機能
現地時間水曜日に行われた準々決勝は、中国が理想的な入りを見せました。序盤はビハインドを背負いながらも、終盤にかけて粘り強く追い上げ、デュースにもつれ込んだ第1セットを31-29で奪いました。
中国はこのセットで6本のブロックポイントを記録し、ブラジルにはブロックポイントを一本も許しませんでした。文自華(ウェン・ズーファ)、于垣太(ユー・ユエンタイ)、李咏臻(リー・ヨンジェン)らが要所で得点を重ね、ホームの声援を背に流れを引き寄せます。
第2セットの連続失点から流れが一変
しかし、第2セット以降は試合の表情が変わります。中国は第2セット中盤まで17-14とリードを奪いながら、そこから9連続失点。タイムアウトを2回使って流れを変えようとしましたが、勢いをつかんだブラジルを止めきれず、19-25でこのセットを落としました。
第3セットはブラジルが完全に主導権を握り、16-25で中国はなすすべなく失セット。第4セットは終盤まで食らいついたものの、最後はブラジルが一段ギアを上げ、21-25で試合を締めくくりました。
ブラジルはアラン・ソウザがチーム最多かつ両チーム通じて最多となる26得点を記録し、攻撃の中心として勝利に大きく貢献しました。中国では文自華が15得点と奮闘し、攻撃面でチームを牽引しました。
ヘイネン監督「誇りに思う。課題は勝ち方」
中国を率いるビタル・ヘイネン監督は、試合後のコメントで選手たちの成長を強調しています。監督は、VNL開幕当初は守備が課題だったと振り返りながら、「きょうの守備は素晴らしく、これほど戦い続ける姿は見たことがない」と、チームの戦いぶりを高く評価しました。
一方で、「唯一の問題は、まだどうやって勝ち切るかを知らないことだ」とも語り、世界トップクラスのブラジルとは依然として「何歩も差がある」と冷静に自己分析しています。それでも、「選手たちはすべてを出し切った。この戦いぶりで負けるなら受け入れられる」と前向きな姿勢を崩していません。
試合から見えた中国代表の現在地
- 第1セットでブラジルを上回ったブロック力
- リードしながらも連続失点で流れを手放した第2セット
- 一発勝負のトーナメントで求められる「勝ち切る力」
数字だけを見れば1-3の敗戦ですが、6月のストレート負けから今回は1セットを奪い、内容面でも改善が見られました。とはいえ、要所の集中力や、相手がギアを上げてきた瞬間にどう対応するかといった「細部」の差が、勝敗を分けたとも言えます。
世界選手権へ向けた「7週間」で何を積み上げるか
ヘイネン監督は、9月12日にフィリピンで開幕した世界選手権を見据え、「あと7週間でさらに良くなれる」と語っていました。VNLファイナルは、世界選手権へ向けた重要なテストの場でもあります。
今回の試合内容を踏まえると、中国代表にとって今後のポイントになりそうなのは次のような点です。
- 守備の継続性:良くなってきたディフェンスを、試合を通して安定して発揮できるか
- 連続失点のマネジメント:第2セットのような大きな失点の波をどう断ち切るか
- 終盤のゲームコントロール:リードした場面での駆け引きや、サーブ・ブロックの選択
ヘイネン監督が強調する「すべてを出し切る姿勢」は、結果がすぐに出なくてもチームを前進させる土台になります。世界選手権というさらに大きな舞台で、中国がどこまで「勝ち方」を身につけているかが注目されます。
イタリアも4強入り フランス、日本の行方は
同じ日に行われた準々決勝では、イタリアがキューバを3-1で下し、準決勝進出を決めました。これでブラジルとイタリアが4強入りを確定させています。
残る2つの準決勝枠をかけて、フランスはスロベニアと、日本はポーランドと木曜日の準々決勝で対戦するカードが組まれていました。ヨーロッパ勢に加えてアジアからは中国、日本が顔をそろえ、VNLファイナルは世界各地のスタイルがぶつかり合う場となっています。
一発勝負が映し出す、強豪との差と成長の手応え
一発勝負のVNLファイナルでは、わずかな流れの変化がそのまま結果につながります。第2セットでの9連続失点は、スコアの上でも心理面でも重くのしかかりましたが、それでも中国は最後まで戦い続けました。
ブラジルとの力の差は、ヘイネン監督が言うように依然として小さくはありません。しかし、その差を正面から認めたうえで、どこまで詰めていけるか。中国代表の戦い方は、結果と成長をどう両立させるかという、スポーツ共通の問いを投げかけています。
VNLでの経験をどう世界選手権に生かすのか。中国代表の次の一歩に注目が集まります。
Reference(s):
Brazil rally to beat China, advance to Men's VNL Finals semifinals
cgtn.com








