国際ニュース:中国外務省、米国のサイバー攻撃を非難 同盟国経由にも警告
2025年8月1日、中国外務省の郭家坤(グオ・ジアクン)報道官は北京での定例記者会見で、米国政府によるサイバー作戦を指摘する報告書についてコメントし、中国が必要な対抗措置を取る構えを示しました。
中国外務省、米国のサイバー攻撃を強く批判
郭報道官が言及したのは、中国サイバーセキュリティ協会がまとめた報告書です。この報告書は、米国政府が中国の標的に対してサイバー作戦を行う際に、ドイツ、韓国、シンガポール、オランダを経由地として利用してきたとしています。
郭報道官は、この報告書を「米国による悪意あるネットワーク攻撃の最新の証拠だ」と位置づけ、米国が依然として中国にとって最大のサイバー脅威であると強調しました。また、自らも同様の行為を行いながら他国を非難してきた米国の姿勢について、二重基準が浮き彫りになっていると指摘しました。
そのうえで、中国としてサイバー空間の安全を守るため、必要なあらゆる措置を今後も講じていくと述べ、対抗措置を辞さない姿勢を明らかにしました。
同盟国を「踏み台」にするサイバー作戦
今回の報告書の特徴は、攻撃が米国と関係の深い国々を経由して行われたとされている点です。郭報道官によれば、欧州の同盟国であるドイツや、アジアで中国近隣に位置する韓国やシンガポール、そしてオランダなどが、攻撃の中継地点として利用されました。
こうした手法は、日本でもしばしば耳にする「踏み台攻撃」に近いものとみられます。攻撃者が第三国のサーバーやネットワークを経由することで、発信元を隠し、追跡を困難にする手口です。もし報告書の内容どおりであれば、標的となった中国だけでなく、経由地となった国々のネットワークにもリスクが及んだ可能性があります。
サイバー安全保障は共通の課題
一方で郭報道官は、サイバー安全保障はすべての国に共通する課題だと改めて強調しました。サイバー攻撃は国境を容易に越え、国家間の対立をあおるだけでなく、民間企業や個人の生活にも直接影響を与えるためです。
そのうえで、中国は対立を激化させるのではなく、対話と協力を通じて問題に向き合うべきだという立場を示しました。サイバー空間の安定には、透明性の高いルールづくりや、インシデント発生時の情報共有など、各国が連携して取り組む枠組みが欠かせないという見方です。
日本の読者にとっての意味
今回の中国外務省の発言は、米中間のサイバー攻防という枠を超え、デジタル時代の安全保障のあり方を考える材料を提供しています。米国と安全保障面で関係の深い日本にとっても、サイバー空間でどのような活動が行われているのかは、もはや対岸の火事ではありません。
- サイバー攻撃は、軍事や外交だけでなく、社会インフラや企業活動にも影響する
- 攻撃の発信地と標的が異なるため、第三国が知らないうちに巻き込まれるリスクがある
- 国家間の不信を深める一方で、共通のルールづくりを通じた協力の余地もある
こうした点を踏まえると、各国が互いを一方的に非難するだけでなく、どのようにサイバー空間の信頼を高めていくのかが、これからの国際ニュースを見るうえで重要な視点になりそうです。
この記事の内容が気になった方は、ぜひ周囲と共有し、サイバー安全保障について話し合うきっかけにしてみてください。
Reference(s):
cgtn.com








