平和と持続可能性を語る世界の若者たち 北京会議と中国・アフリカ対話
今年7月29日、北京では世界中から集まった若者たちが平和と持続可能性を語りました。北京大学で開かれた世界青年平和会議と、中国・アフリカ未来の指導者対話です。本記事では、そこで交わされた若者たちの声から、国際ニュースとしての新しい平和像を考えます。
北京に世界の若者3,000人が集結
今年7月29日、北京は世界中から集まった若者たちでにぎわいました。中国屈指の名門である北京大学で開催された「世界青年平和会議」には、5大陸・130以上の国と地域から3,000人を超える若手代表が参加し、「平和」という共通のビジョンを掲げました。
中国の習近平国家主席は会議にメッセージを寄せ、若者に対して、平和の理念を掲げ、平和的な発展と人類運命共同体の構築に貢献するよう呼びかけました。
「平和の未来は若者に託されている」
習主席はメッセージの中で、平和の未来は若者の手にかかっていると強調し、各国から集まった若者がこの会議を機に、考えを交わし、相互理解を深め、友情を育むことへの期待を示しました。
清華大学の博士課程に在籍する王剛さんと、在中国レソト王国大使館の三等書記官であるントソアキ・アグネス・マテラ氏は、いずれも習主席のメッセージが平和構築における若者の重要性を浮き彫りにしたと語ります。2人は、その呼びかけに応え、世界の平和と発展を推し進める責任を引き受けたいとしています。
デジタル技術やSNSに慣れた若者世代は、国境を越えてつながりやすいからこそ、対立ではなく協力のストーリーを世界に広げる役割を担うことができます。
アフリカの若者が抱える課題と期待
会議には、アフリカからの参加者も多く集まりました。彼らが口々に挙げたのは、若者の失業、格差、社会包摂といったテーマです。
マテラ氏は「アフリカの若い世代は、より良い未来を自ら形づくりたいと強く願っています。しかし、その潜在力を認め、引き出してくれる包摂的なプラットフォームやパートナーシップが必要です」と話します。
若者が社会の変化を生み出すには、意欲だけでなく、学びの機会や発言の場、そして国際的なネットワークが不可欠だという指摘です。
テクノロジーは平和にどう貢献できるか
一方、王さんが強調するのは、若者主導のイノベーションです。「世界は今、人工知能(AI)やロボット、新しい技術に向かって進んでいます。その最前線にいるのは若者です。こうしたエネルギーを、平和と発展のための建設的な解決策へと導く必要があります」と語ります。
技術そのものは中立ですが、それをどのような目的に使うかを決めるのは人間です。紛争の予防、気候変動への対応、教育アクセスの改善など、テクノロジーが平和に貢献できる余地は大きいと言えます。
中国・アフリカ若手対話が示す「グリーン・パートナーシップ」
同じ時期に開かれた第5回「中国・アフリカ未来の指導者対話」では、平和構築と並んで「グリーンなパートナーシップ」が大きなテーマとなりました。
参加した若手リーダーたちは、中国の金華市や北京のエコパーク(環境配慮型の産業団地)やスマート製造ゾーンを視察し、中国が気候目標と農村振興、都市の持続可能性をどのように結びつけているかを学びました。
マテラ氏は「グリーンな協力は、単に環境を守るということではありません。紛争を減らし、国と国との信頼を高める持続可能な暮らしを生み出すことでもあります」と話し、環境と平和が切り離せない関係にあることを強調しました。
若者に求められる3つのアクション
では、平和とサステナビリティ(持続可能性)のために、若者は何ができるのでしょうか。会議での議論や発言からは、次のような方向性が見えてきます。
- 対話に参加する:オンライン・オフラインを問わず、異なる背景を持つ人々との対話に積極的に関わることが、相互理解と信頼の第一歩になります。
- 技術と創造性を社会課題へ向ける:AIやデジタルツールを、教育、医療、環境などの課題解決にどう生かせるかを考え、実践していくことが求められます。
- グリーンな選択を広げる:エネルギーの使い方や消費行動を見直すだけでなく、地域や職場での環境プロジェクトに参加し、持続可能な暮らし方を周囲に広げていくことも重要です。
「明日のリーダー」ではなく「今日のリーダー」として
中国とアフリカ双方の参加者は、人と人との直接のつながりの重要性を繰り返し強調しました。マテラ氏は「若者は『明日のリーダー』ではなく『今日のリーダー』です。私たちの役割は、平和と持続可能性というビジョンを、行動と協力によって現実のものにすることです」と語ります。
北京での議論は、ニュースとして遠く離れた出来事のように見えるかもしれません。しかし、雇用不安や気候変動など、若者が直面する課題は世界共通です。日本に暮らす私たちにとっても、「平和」と「持続可能な発展」を自分ごととして考え、日々の選択や仕事、学びの中にどう組み込んでいくかが問われています。
世界各地の若者の声が結びつくことで、国際ニュースの見え方も少しずつ変わっていきます。北京で交わされた対話は、その変化の一端を示していると言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








