中国・ペルク湖の不思議 標高4590mの淡水と塩水が出会う高地湖
中国・シーザン(Xizang)地域のシガツェにあるペルク湖は、標高4,590メートルに位置する高地湖です。チョモランマ山国家級自然保護区で最大の内陸湖であり、淡水と塩水が同じ湖内に共存するという珍しい特徴を持ち、周囲には高山の野生動物も息づいています。
ヒマラヤに抱かれた「ひょうたん形」の湖
ペルク湖は、おおよそ300平方キロメートルの水面を持つ大きな湖で、その形はひょうたんにたとえられます。三方を山々に囲まれ、晴れた日には湖面に雪をいただく峰々がくっきりと映り込むとされています。
湖の南およそ60キロメートルには、標高8,027メートルのシシャパンマ峰がそびえます。世界で14番目に高いこの山の存在が、ペルク湖周辺の景観にいっそうの迫力を与えています。
南は淡水、北は塩水という独特の水質
ペルク湖は「テクトニックレイク(構造湖)」と呼ばれるタイプの湖で、地殻変動によって形成されたとされています。その成り立ちを反映するように、湖の南側は淡水、北側は塩水という、きわめて特徴的な水の組成を持っています。
同じ湖の中で水質が大きく異なる現象は、高地の地形や地下水の流れなど、複数の要因が重なり合った結果と考えられます。ペルク湖は、地球科学の視点からも興味深いフィールドだと言えるでしょう。
高地に息づく多様な生命
ペルク湖周辺は、生物多様性が豊かな地域でもあります。湖には、高地の冷たい水に適応した魚類であるジムノキプリス・ワデリィ(Gymnocypris waddelli)が生息しています。
湖とその周辺には、次のような野生動物が確認されています。
- チベットガゼル
- チベット野ロバ
- クロヅル(ブラックネッククレイン)
標高の高い厳しい環境でありながら、こうした動物たちが暮らせるのは、湖とその周囲の生態系が微妙なバランスで保たれているからだと考えられます。
ペルク湖が映し出す「高地のいま」
標高4,590メートルに位置し、おおよそ300平方キロメートルに広がる大きな湖、さらに淡水と塩水が共存する複雑な水質と豊かな生物多様性。ペルク湖は、高地の自然の多面性を凝縮したような場所だと言えます。
遠く離れた場所に暮らす私たちも、このような高地の湖に目を向けることで、地球規模で水や生態系がどのようにつながっているのかを考えるきっかけを得られます。ニュースや写真、映像を通じて、現地を訪れなくても「高地の水と生命」の姿を思い描いてみることができるでしょう。
中国の自然や国際ニュースに関心がある読者にとって、ペルク湖は、高地環境と生物多様性について考えるためのひとつの入り口となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








