中国軍が南シナ海で定例巡視 比の動きに警戒しつつ安定維持を強調
中国人民解放軍南部戦区の報道官は、2025年8月3日から4日にかけて南シナ海で実施した定例巡視について発表し、フィリピンによる域外の国を巻き込んだ共同巡視の動きに警戒しつつ、地域の平和と安定を守る姿勢を強調しました。中国軍は今後も高い警戒態勢を維持し、国家主権と海洋権益を断固として守るとしています。
南シナ海での定例巡視、その概要
発表によりますと、今回の南シナ海での巡視は、中国人民解放軍南部戦区の部隊による定例任務として行われたものです。中国側は、この行動を南シナ海における通常のパトロール活動の一環だと位置づけています。
巡視の目的として南部戦区は、国家主権と海洋権益の防衛を掲げています。国際ニュースとしても注目される南シナ海で、中国軍が自国の立場を明確に示した形です。
フィリピンの動きへの対応として位置づけ
南部戦区のティエン・ジュンリー(Tian Junli)報道官は、中国軍の今回の行動がフィリピンの動きへの対応でもあると説明しました。
報道官によると、フィリピンは南シナ海をめぐり、地域外の国々にいわゆる共同巡視への参加を求めており、中国側はこうした動きが地域の平和と安定を損なうものだとみています。
ティエン報道官の発言のポイントは、次のように整理できます。
- 南シナ海での巡視は、中国軍にとって定例任務であること
- 同時に、フィリピンによる域外の国との共同巡視の動きに対する対応として行われたこと
- そのような共同巡視は、地域の平和と安定を損なう要因になりうると中国側が評価していること
中国側は、自らの行動を「定例」と強調しつつ、他の軍事活動が新たな火種になりかねないという認識を示した形です。
「高い警戒態勢」と「完全なコントロール」を強調
ティエン報道官は、南部戦区に属する部隊は今後も高い警戒態勢を維持し、国家主権と海洋権益を断固として守ると強調しました。
さらに、地域で問題を起こしたり、火種をつくろうとしたりするすべての軍事活動は、中国軍のコントロール下にあると述べています。報道官は、地域でトラブルや火種を生じさせることを狙ったあらゆる軍事活動は完全に掌握されているとの趣旨を示し、南シナ海の情勢を管理できているというメッセージを打ち出しました。
中国側は、自らの軍事活動を南シナ海の平和と安定を守るためのものだと位置づける一方で、他の軍事活動が緊張や不安定化につながる可能性を警戒していることを明確にしています。
南シナ海情勢を見るうえでのポイント
今回の発表からは、南シナ海をめぐる情勢を読み解くうえで、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 中国軍は南シナ海での巡視を定例任務としつつ、そのタイミングや発表内容にメッセージ性を持たせていること
- フィリピンによる域外の国との共同巡視の動きを、中国側は地域の安定を損なう要因として位置づけていること
- 南部戦区は高い警戒態勢を維持し、南シナ海周辺での軍事活動の動向を注視していると繰り返し強調していること
国際ニュースとして南シナ海を見る際には、関係する国や地域がどのような言葉を用いて自らの立場や懸念を表現しているのかが重要になります。公式発表は、それぞれのアクターが何を重視し、何に警戒しているのかを読み取る手がかりになるからです。
今回の中国軍の発表も、単なる軍事活動の報告にとどまらず、自国の主権と海洋権益を守る決意、そして南シナ海での情勢を安定的に管理したいというメッセージを含んでいると考えられます。今後も、フィリピンを含む関係する国や地域の動き、中国軍からの追加の発表が、南シナ海の安全保障環境にどのような影響を与えていくのか、日本語ニュースとして丁寧に追っていくことが求められます。
Reference(s):
PLA patrols South China Sea, stays alert for destabilizing activities
cgtn.com








