中国が南スーダンに新たな国連平和維持警察部隊 17人派遣へ
国連創設80年の節目となる2025年、中国が南スーダンの国連平和維持活動に新たな警察部隊を派遣します。危険度が高い任務に臨む中国の動きは、国際安全保障の現場と国連平和維持活動の役割を考えるうえで重要なニュースです。
17人の警察官が南スーダンへ 「世界で最も危険な任務」の一つ
中国公安省によると、17人の中国人警察官が国連平和維持活動(PKO)の一環として南スーダンに派遣されます。今回派遣されるのは、第11次編成警察部隊(Formed Police Unit)で、国連が「世界で最も危険で困難な任務地域の一つ」と位置づける現場に向かいます。
派遣先の南スーダンの任務地域は、極端な気候、武装勢力による衝突、ギャングによる暴力、マラリアなどの感染症の流行といった要因が重なり、治安と人道状況の両面で厳しい環境とされています。
第11次編成警察部隊の役割
編成警察部隊は、個人で派遣される警察官とは異なり、部隊として組織的に行動するのが特徴です。治安維持だけでなく、地域社会との連携や人道支援など、多面的な任務を担うことが想定されています。
任務の中身:治安維持から人道支援まで
今回の中国人警察官たちは、南スーダンでさまざまな任務に当たる予定です。国連南スーダン任務(UNミッション)における主な活動内容として、次のような役割が挙げられています。
- 難民キャンプや避難民キャンプの警備と安全確保
- 都市部や衝突が起きやすい地域での巡回パトロール
- 暴動や地域コミュニティ内の暴力の鎮静化支援
- 人道支援物資の輸送や食料の配布などの支援活動
- 武力衝突発生時の住民の避難誘導・保護
- 武器の押収や誘拐・人質事件からの救出といった特殊作戦
- 麻薬ネットワークの摘発など、組織犯罪対策
中国の平和維持警察官は、英語能力、射撃技術、危機管理能力などの点で選抜され、通常12か月間の任期でローテーション勤務に就きます。多くは南スーダンの首都ジュバや北西部のワウなど、不安定な情勢が続く地域で活動しているとされています。
国連創設80年・中国警察のPKO参加25年という節目
中国公安省は、今年が国連創設80周年であると同時に、中国の警察部隊が国連平和維持活動に参加してから25周年という節目の年だと強調しています。
公安省国際協力局は、中国が国連安全保障理事会の常任理事国として、国連平和維持活動への貢献規模で世界第2位となっている点を指摘しました。今回の南スーダンへの継続的な警察部隊派遣は、中国が掲げる「グローバル安全保障イニシアチブ」を具体的に実行し、大国としての責任と約束を果たす取り組みだと位置づけられています。
「ゼロ苦情・ゼロ送還」の実績と国際的評価
中国の平和維持要員は、これまで国連からの「ゼロ苦情・ゼロ送還」実績を維持しているとされ、国際社会から一定の評価を得ています。任務遂行における専門性や規律の高さが評価され、国連平和メダルの授与など、国際的な表彰も受けてきました。
こうした実績は、単に中国のイメージ向上にとどまらず、紛争地で暮らす人々の安全確保や地域の安定につながるものとして受け止められています。
家族の見送りが映す、平和維持任務の重さ
出発前には壮行式が行われ、警察官たちの家族も参加して別れを告げました。家族にとっては誇りであると同時に、危険な任務に送り出す不安も抱える時間でもあります。
現場での平和維持活動は、しばしばニュースの見出しや統計で語られますが、その裏側には、長期間家族と離れて任務に就く隊員と、その帰りを静かに待つ家族の姿があります。今回の派遣も、そうした「人間の物語」を伴う国際協力の一場面だと言えます。
日本の読者にとっての意味:遠い南スーダンと私たちの距離
南スーダンや国連平和維持活動は、日本から見ると地理的にも心理的にも遠いテーマに感じられるかもしれません。しかし、武力紛争や治安悪化が続く地域の安定は、難民や人道危機、国際的な安全保障環境などを通じて、間接的に各国の社会や経済ともつながっています。
国連創設80年の2025年に改めて、中国を含む各国がどのような形で国連平和維持活動に関わっているのか、その現場の具体的な任務や負担、そしてそこで働く人々の姿に目を向けることは、国際ニュースを自分ごととして考える一つの入り口になりそうです。
スマートフォン越しに届くこうしたニュースをきっかけに、国連、平和維持活動、そしてグローバルな安全保障の在り方について、身近な人と話してみるのもよいかもしれません。
Reference(s):
China to dispatch new batch of UN peacekeepers to South Sudan
cgtn.com








