中国の有人月着陸船「攬月」 着陸・離陸試験に成功 月面探査の新段階へ video poster
中国の有人月着陸船「攬月」、初の着陸・離陸試験に成功
中国が進める有人月面探査計画で、大きな一歩となる成果が明らかになりました。中国は木曜日、北部の河北省にある試験場で、有人月着陸船「攬月(Lanyue)」の着陸・離陸に関する総合試験を成功裏に完了したと発表しました。
水曜日に完了したこの試験は、中国の有人月面探査計画の開発における重要な段階とされており、中国が有人宇宙船による地球外天体での着陸と離陸を想定した試験を行ったのは今回が初めてだと、中国有人宇宙機関(CMSA)は説明しています。
どんな試験が行われたのか
中国有人宇宙機関(CMSA)によると、今回の試験では、月着陸船の主要システムが一体となって機能するかどうかが検証されました。具体的には、次のようなポイントが確認されたとされています。
- 下降(着陸)および上昇(離陸)の全体的なシーケンスと制御方式
- 姿勢制御などを担う制御システムの動作
- 月面への着地の瞬間にエンジンを安全に停止できるかどうか
- 誘導航法制御(GNC)と推進系など、複数のサブシステム同士のインターフェース(接続)の適合性
単一の部品や装置ではなく、着陸船全体を用いて着陸から離陸までを通しで検証したことで、実際の月面ミッションに近い条件で性能を確認できたとされています。
有人月着陸船「攬月」とは
「攬月」は、中国の今後の有人月面探査ミッションのために新たに開発された宇宙船です。構造は大きく二つのモジュールで構成されています。
- 月面で活動する「月面モジュール」
- 軌道と月面の間を往復するための「推進モジュール」
CMSAによると、「攬月」は次のような能力を備えています。
- 2人の宇宙飛行士を月周回軌道と月面の間で輸送
- 月面車(ローバー)や各種の科学観測機器(ペイロード)を運搬
- 月面に着陸した後は、宇宙飛行士の活動拠点として機能
- 電力供給の中枢(パワーハブ)やデータ中継の拠点としても機能
つまり、「攬月」は単なる「乗り物」ではなく、月面に降り立った後は、宇宙飛行士が生活し、作業を行う「小さな基地」としての役割も果たす設計になっています。これにより、月面での滞在期間を延ばし、より長期的で本格的な探査活動が可能になると見込まれています。
「初の地球外着陸・離陸試験」の意味
CMSAは、今回の試験が「中国として初めて、地球外天体での有人宇宙船の着陸・離陸を想定した試験」だと強調しています。この一文からも、試験の重みが伝わります。
月面への軟着陸や無人探査は、これまでも世界各国で行われてきましたが、有人宇宙船となると難易度は一段と高まります。安全に着陸し、さらに再び離陸して軌道上の宇宙船と合流するには、
- 高い信頼性を持つエンジンと推進システム
- 着陸の最終段階を精密に制御する誘導航法制御
- 瞬時の判断が求められる自動制御・安全システム
など、多くの要素が同時に機能する必要があります。今回の総合試験は、こうした複雑なシステムが一体として機能するかを見極める節目となりました。
月面探査の次のステップは
「攬月」が実際の月面ミッションで用いられるようになれば、次のような展開が期待されます。
- これまでより長期間の月面滞在と、継続的な科学観測
- 月面車を用いた広範囲な地形調査や資源探査
- 月面での実験や技術実証を通じた、新たな産業・研究の可能性
中国による有人月探査計画の進展は、国際社会にとっても無関係ではありません。月面やその周辺空間をどのように利用し、国際的なルールや協力の枠組みをどう整えていくのかは、今後ますます重要なテーマになっていきます。
今回の「攬月」の試験成功は、月をめぐる人類の活動が、探査から「滞在」へ、さらにその先へと進んでいく流れの中で、中国が新たな一歩を踏み出したことを示しています。日本を含むアジア各国にとっても、宇宙開発や科学技術、国際協力のあり方を考えるきっかけとなりそうです。
Reference(s):
China completes first landing, takeoff test of manned lunar lander
cgtn.com








