中国本土の河川源流を守るデータの番人・Sanjiangyuanのいま video poster
標高約4,500メートルに位置し、Yellow、Yangtze、Lancangという三つの大河の源流を抱えるSanjiangyuan(サンジャンユエン)は、多くの人にとって決して近づけない場所です。しかし2025年のいま、中国本土ではこの水のタワーが、ビッグデータと衛星技術によって静かに、そして緻密に見守られています。
遠く離れたXiningから、源流の一日を生中継
中国本土の都市Xining(シーニン)にあるSanjiangyuan National Big Data Center for Ecological Protectionでは、高原の源流域の様子がリアルタイムで映し出されています。CGTNの記者Yang Xinmengさんは、センターの巨大なダッシュボード越しに、雪が小さな流れとなって解け出し、湿地がゆっくりと緑に変わり、ときには野生のヤクが画面の端を通り過ぎる様子まで見守っています。源流からは1,000キロ以上離れた場所にいながら、まるで現地に立っているかのような感覚です。
衛星・BeiDou・地上センサーがつなぐ見えないネットワーク
この遠隔の現場感を支えているのが、衛星、BeiDou GPS、そして地上に設置された各種センサーです。これらが絶え間なくデータを送り続けることで、Sanjiangyuanの微小な変化まで追いかけることができます。
- 水位の変化
- 雪の量や分布
- 草地や湿地の植生の状態
こうした項目に変化が起きると、システムは即座にアラートを発します。異常な雪解けや急激な水位上昇、植生の劣化などが早い段階で検知されれば、危険な高原地帯へ頻繁に人を送り込むことなく、対策の検討や必要な現地調査を効率的に行えます。
毎日の巡回から、必要なときだけ現場へ
本来であれば、このような広大で過酷な高原地帯を守るには、担当者が定期的に現場を徒歩や車で巡回し、目で見て確認する必要があります。寒暖差が激しく、天候も変わりやすい高地でのパトロールは、安全面の負担も小さくありません。
Sanjiangyuanでは、データ技術を活用することで、毎日人を山に上げる必要を減らしつつ、むしろ状況把握の頻度と精度を高めています。日々のモニタリングはセンターの画面上で行い、アラートが出た箇所や時期を絞り込んでから、必要な現地調査や保全措置に踏み出す——そんな運用が可能になっています。
- 危険な現場作業を減らし、担当者の安全性を高める
- 膨大な範囲を、限られた人員で効率よく見守る
- データに基づき、問題の兆候を早期に発見しやすくする
中国本土発・データで自然を守るアプローチ
Sanjiangyuanは、中国の水のタワーとも呼ばれる地域です。ここで生まれた水が、下流に暮らす多くの人々の生活や産業を支えています。その源流域を、データという新しい手段で守ろうとする取り組みは、国際ニュースとしても注目すべき動きと言えます。
環境保護というと、植林や清掃活動のような現場で手を動かすイメージが強くあります。しかしSanjiangyuanの事例は、衛星測位やビッグデータの解析といったデジタル技術が、自然を守るための基盤インフラになりつつあることを示しています。高地や極地など、人が頻繁に立ち入ることが難しい場所ほど、このアプローチの価値は大きくなります。
私たちにとってのデータの番人とは
もちろん、データだけですべての問題が解決するわけではありません。画面の向こうで起きていることを読み取り、どのような行動をとるかを判断するのは、最終的には人間です。XiningのセンターでSanjiangyuanの変化を見守る担当者たちは、現場の経験や知識とデジタルツールを組み合わせながら、データの番人として源流を守っています。
遠く離れた高原で起きている雪解けの一瞬や、湿地が緑に変わるタイミングが、リアルタイムで私たちの手元に届く時代になりました。中国本土のSanjiangyuanで進むこうした取り組みは、気候変動や水資源の不安定化が課題となるなかで、私たちの地域の自然をデータとどうつなげていくのかという問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








