天津を歩く:東西と古今が交差する中国都市の風景 video poster
北京に隣接する中国の都市・天津は、古い街並みと近代的な高層ビルが同じ視界に収まる、東西と古今の「融合」が際立つ都市です。国際ニュースや中国の都市動向に関心のある読者にとって、天津の景観は、アジアの都市がどのように変化しているのかを読み解くヒントになります。
五大道に並ぶヨーロッパ風の別荘群
天津の中心部にある「Five Great Avenues(五大道)」には、約2,000棟ものヨーロッパ風の別荘が並び、百年にわたる歴史の流れを静かに見つめてきました。東洋の大都市の中に突然現れる西洋建築の街並みは、天津という都市の個性を象徴する風景です。
通りを歩くと、異なる時代や様式の建物が隣り合い、まるで建築そのものが歴史を語っているかのように感じられます。2025年の今も、こうした景観は、都市開発が進む中で何を残し、何を変えていくのかという問いを投げかけています。
無形文化遺産が息づく「Ancient Culture Street」
一方、「Ancient Culture Street」と呼ばれるエリアは、天津のもう一つの顔を見せてくれます。ここには、長く受け継がれてきた無形文化遺産が集まり、歴史と日常が交わる空間が広がっています。
伝統文化がただ「保存」されているのではなく、人々の生活の中で「使われ」「楽しまれている」様子は、急速に変化する都市の中で文化をどう守り、どうアップデートしていくかを考えるきっかけになります。
Haihe Riverに映る観覧車と高層ビルの光
日が暮れると、天津の表情は一気にモダンな姿へと変わります。Haihe River沿いでは、「Tianjin Eye」と呼ばれる大観覧車がライトアップされ、川面を照らします。その光は川沿いの建物の優雅な外観を浮かび上がらせ、都市の夜景にドラマを与えます。
同じ時間、近代的な高層ビル群もネオンで輝き、ガラスの壁面に都市の灯りが映り込みます。静かな水辺と動きのある光のコントラストは、天津の「活力」と「落ち着き」が同居する姿をよく表しています。
古今・東西が重なる都市から見えるもの
五大道のヨーロッパ風の別荘、無形文化遺産が集まるAncient Culture Street、そして夜のHaihe Riverを照らすTianjin Eyeと高層ビル群。この三つの風景は、天津という都市の多層性を映し出しています。
- 建築様式の違いを越えて共存する「東」と「西」
- 歴史的な街並みと現代的なスカイラインが並ぶ「古」と「今」
- 文化遺産と経済成長が同じ空間に存在する「伝統」と「発展」
こうした重なり合いは、天津だけの特別なものではなく、多くのアジアの都市が直面しているテーマでもあります。だからこそ、天津の風景は、一つの都市の紹介にとどまらず、「都市はどのように記憶と未来を両立させるのか」というより広い問いを私たちに投げかけます。
2025年の視点で読む、天津という都市
2025年の今、アジア各地で高層ビルが林立し、都市の景観はめまぐるしく変わり続けています。その中で、天津のように歴史的な建物や文化空間を抱えた都市は、単なる観光地としてだけでなく、「変わりゆく時代のなかで、何を大事にするのか」を考える鏡のような存在になりつつあります。
五大道の別荘群やAncient Culture Street、Haihe River沿いの夜景を見つめることは、過去を懐かしむだけでも、未来を礼賛するだけでもありません。古今と東西が交差する天津の都市風景は、私たち一人ひとりが暮らす街の「これから」を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Tianjin: A fusion of classical and modern, Eastern and Western
cgtn.com








