中国名曲「Jasmine Flower」をジャズとアフロ・キューバンで再解釈 The Vibe特別回 video poster
リード:国境とジャンルをこえた「Jasmine Flower」
2025年現在、世界の音楽シーンでは、国やジャンルの壁をこえたコラボレーションが当たり前になりつつあります。そんな流れの中で、音楽企画「The Vibe」の特別回に登場したジャズピアニストのLiu Dongfengさんと、キューバのドラマー、Redy Cobas Hinojosaさんの共演は、その象徴のようなパフォーマンスでした。二人は、中国で古くから親しまれてきた名曲「Jasmine Flower」を題材に、伝統とジャズ、アフロ・キューバンリズムを融合させた演奏を披露しました。
中国の古典曲「Jasmine Flower」を二つのスタイルで
今回の特別回では、「Jasmine Flower」が二通りのスタイルで演奏されました。まずは、原曲の雰囲気を大切にした伝統的なスタイル。旋律の素朴さや美しさを、そのまま生かした演奏です。
続いて、同じメロディーをベースにしながら、ジャズとして再構築したバージョンが披露されました。ハーモニー(和音)の進行やリズムを大胆に変え、即興演奏を織り込むことで、よく知る曲でありながらまったく新しい世界が広がります。
同じ曲を「伝統」と「再解釈」という二つの視点から聴き比べられる構成は、視聴者にとっても、音楽がどのように変化しうるのかを体感できる興味深い試みと言えます。
ジャズ×中国の旋律×アフロ・キューバンのリズム
Liu DongfengさんとRedy Cobas Hinojosaさんの共演は、3つの音楽的ルーツを一つのステージに持ち込む挑戦でもありました。
- ジャズ:即興性と自由なハーモニーが、曲に新しい表情を与える
- 中国の伝統的な旋律:「Jasmine Flower」の親しみやすいメロディーが、全体の軸となる
- アフロ・キューバンリズム:ラテン音楽特有のリズムが、曲に躍動感とグルーヴを加える
ピアノのフレーズとドラムのリズムが呼応し合いながら、三つの要素が衝突するのではなく溶け合っていく様子は、まさに「ジャンル融合(フュージョン)」という言葉がふさわしいものです。
なぜこのパフォーマンスが注目されるのか
この演奏が印象的なのは、単なる「アレンジ違い」や「企画もの」にとどまらず、音楽そのものを通じた対話になっている点です。伝統的なスタイルの「Jasmine Flower」は、長く受け継がれてきた文化の記憶を感じさせます。一方、ジャズ・バージョンは、その記憶を尊重しながらも、現代の感覚で問い直すような響きを持っています。
2025年の今、世界のあちこちで異なる文化同士が出会い、ときに摩擦も生みながら、新しい表現が生まれています。今回の共演は、そのプロセスを音楽という言語で可視化した一例だとも言えるでしょう。
日本のリスナーにとってのヒント
日本でも、伝統音楽や童謡、歌謡曲をジャズやクラブミュージックと掛け合わせる試みが増えています。「Jasmine Flower」を題材にした今回のパフォーマンスは、次のような視点で聴くと、より楽しめます。
- 同じメロディーが、伴奏やリズムによってどれほど印象を変えるか
- ピアノとドラムというシンプルな編成で、どこまでダイナミクス(強弱)や色彩を出せるか
- 伝統を「そのまま守る」のではなく、「今の自分の言葉で語り直す」とはどういうことか
スマートフォン一つで世界中の音楽にアクセスできる今だからこそ、こうしたクロスオーバーな試みは、私たち自身の「当たり前」を揺さぶり、新しい聴き方や価値観を静かに提示してくれます。
中国の名曲「Jasmine Flower」が、ジャズとアフロ・キューバンリズムによってどのように生まれ変わるのか――その変化のプロセスに耳を澄ませることは、国境をこえた対話の一つのかたちを感じ取る手がかりにもなりそうです。
Reference(s):
Musicians perform jazz fusion rendition of Chinese 'Jasmine Flower'
cgtn.com








