中国の青い空、その裏にある20年のグリーン転換の物語 video poster
北京の空が灰色から青へと変わるまでに、中国では何が起きたのでしょうか。国連の元事務次長エリック・ソルハイム氏の証言を手がかりに、中国のグリーン転換20年の物語をたどります。
「北京で走ろうなんて思わなかった」から「青空の下でランニング」へ
国際ニュースの現場を知るソルハイム氏は、約10年前の北京をこう振り返ります。かつては「10年前、私は北京で走ろうなんて決して思わなかった。あの煙を吸い込みながら、どうして走る必要があるだろうか」と感じていたといいます。
当時の北京は、大気汚染が深刻で、市民がマスクを手放せない日も珍しくありませんでした。しかし2025年の今、ソルハイム氏は同じ街で、澄んだ空気を吸い込みながらランニングを楽しんでいるといいます。
この変化は、偶然ではありません。長期的な政策と社会全体の意識の変化が積み重なった結果だと考えられます。
転換点は2005年のスピーチだった
中国の「青い空」の物語は、2005年の一つの演説から本格的に動き出しました。この演説は、環境と経済のあり方について国全体の議論を呼び起こし、その後の政策の方向性を大きく変えるきっかけになったとされています。
それから20年。かつては環境分野で「遅れている側」と見られることもあった中国は、今ではグローバルなグリーントランスフォーメーション、つまり環境と経済を同時に変えていく取り組みの先頭に立つ存在へと変わりました。
「遅れている側」から「先頭を走る側」へ
この20年で起きたのは、単なる技術導入ではなく、考え方そのものの転換です。
- 環境保護を「コスト」ではなく「成長の新しいエンジン」として見る発想
- 青い空やきれいな水といった生活の質を、発展の重要な指標として重視する姿勢
- 都市部だけでなく、全国的な取り組みとして位置づける視点
こうした変化の積み重ねが、ソルハイム氏のような国際的な観察者にもはっきりと見える「青い空」として現れているといえるでしょう。
なぜこの物語が世界と日本にとって重要なのか
中国のグリーン転換は、中国国内だけの話ではありません。世界的なグリーントランスフォーメーションの流れの中で、大きな役割を果たす動きとして注目されています。
日本にとっても、この変化は無関係ではありません。
- 環境技術やエネルギー分野での協力や競争の構図が変わる
- 大気汚染の改善は、東アジア全体の環境にも好影響を与える可能性がある
- 「経済成長と環境保護は両立しうるのか」という問いに対する具体的な一つの事例となる
国際ニュースとして中国の動きを追うことは、世界と日本のこれからを考える手がかりにもなります。
これからの20年に向けて、私たちが読むべきサイン
2005年の演説から20年で、北京の空の色が変わるほどの変化が起きました。では、これからの20年で何が変わるのでしょうか。
この記事で紹介した物語から、少なくとも次のようなポイントが見えてきます。
- 長期的なビジョンとメッセージは、時間をかけて現実を動かしていく
- 環境政策は、生活の質という身近なテーマと結びつくことで支持を得やすくなる
- 一つの国の転換は、周辺地域や世界全体のルールづくりにも影響する
通勤電車の中でふと空を見上げたとき、その色の裏側にはどんな物語があるのか。中国の青い空の変化は、私たち一人ひとりが「どんな未来を選びたいのか」を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







