青海・西寧「Xihai 2261」で無形文化遺産をスピード体験 video poster
高原都市・Xiningで開かれた「Xihai 2261 Hehuang Culture Fair」は、無形文化遺産を五感で味わえる新しいタイプの文化イベントです。2025年、CGTNのYang Xinmeng記者が「一午後でどこまで体験できるか」という個人的なチャレンジに挑み、会場に並ぶ伝統工芸を次々と巡りました。
「Xihai 2261 Hehuang Culture Fair」とは
フェアの名前には、この地域の歴史と地理が込められています。「Xihai」は青海の古い呼び名、「2261」はXiningの平均標高2261メートル、そして「Hehuang」は黄河支流沿いの文明のゆりかごを意味します。単なる展示会ではなく、高原の文化的ルーツを現在につなぐ「場」として企画されています。
会場には、地元の職人やアーティストが集まり、紙の切り絵や刺しゅう、影絵芝居、金属工芸など、世代を超えて受け継がれてきた技が公開されています。来場者は作品を見るだけでなく、実際に手を動かして体験することができます。
一午後で挑む「文化スピードラン」
Yang Xinmeng記者が挑んだのは、「一つの午後で、どれだけ多くの伝統工芸を体験できるか」という個人的なチャレンジです。まるでゲームの「スピードラン」のように、ブースからブースへと駆け足で巡りながら、それぞれの無形文化遺産のエッセンスを体で覚えていきます。
繊細な線が浮かび上がる「Hehuang紙芸術」
最初の挑戦は、Hehuang地域に伝わる紙芸術です。色紙に細かな切り込みを入れ、花や動物、縁起物の模様を浮かび上がらせていきます。はさみやナイフを使う一つひとつの動きに、長い時間をかけて磨かれてきた技術が宿っています。
布に物語を縫い込む「Huangzhongアップリケ刺しゅう」
次に向かったのは、Huangzhongアップリケ刺しゅうのブースです。色とりどりの布片を縫い合わせ、立体感のある模様を作り出すこの技法では、一針ごとに地域の風景や信仰、家族への願いなどが込められます。Yang Xinmeng記者も針を手に取り、慎重に布を重ねていきました。
光と影が演じる「影絵芝居」
続いて体験したのは、影絵人形を使った影絵芝居です。薄い皮や紙で作られた人形をスクリーンの裏から動かし、灯りに浮かび上がるシルエットで物語を伝えます。デジタル映像があふれる時代に、シンプルな光と影だけで観客を引き込む表現は、新鮮でどこか懐かしさも感じさせます。
銀と銅が響き合う「銀銅細工」
最後に挑戦したのは、繊細な模様が特徴的な銀銅細工です。職人の指導を受けながら、金属を叩き、曲げ、刻み込んでいきます。わずかな力加減の違いが仕上がりを左右するため、短時間で完璧にこなすのは難しい作業ですが、その分、完成した小さな作品には強い愛着が生まれます。
「無形」をどう受け継ぐか
こうした伝統工芸は、目に見える作品だけでなく、技を教える声や、手の感覚、人と人とのやりとりそのものが価値の中心にあります。その意味で、「無形文化遺産」とは、物ではなくプロセスを守る試みだといえます。
2025年現在、世界各地で観光開発や都市化が進むなか、地域の文化をどう守り、どう更新していくかは共通の課題です。Xihai 2261のように、現代的なイベント形式をとりながら、来場者が「参加者」として技を体験できる場づくりは、一つのヒントになるかもしれません。
日本の私たちが学べること
日本でも、祭りや工芸、芸能など、多くの無形文化が各地に息づいています。一方で、担い手の高齢化や後継者不足は深刻なテーマです。高原の都市で行われたこの文化フェアは、「継承」を負担ではなく、楽しみとして共有する方法を提案しているようにも見えます。
短い時間で多くの技を駆け足で体験するYang Xinmeng記者の姿は、忙しい日常を送る私たち自身の姿と重なります。ほんの一午後でも、新しい文化に触れ、自分の視野を少し広げることはできる——Xihai 2261の試みは、そんなささやかな可能性を教えてくれます。
スマートフォン一つで世界のニュースにアクセスできる今こそ、画面の向こう側にある「手の感覚」や「場所の記憶」に意識を向けてみる。そうした視点を持つことが、国際ニュースを読む楽しさを、もう一段深いものにしてくれそうです。
Reference(s):
Cultural Speedrun: Xihai 2261's Intangible Heritage Challenge
cgtn.com








