成都ワールドゲームズ2025 中国ロン・ドンシーがフリーダイビング金2冠
中国・成都で開催中の成都ワールドゲームズ2025のフリーダイビング競技で、中国のパラアスリート、ロン・ドンシー選手(18)が二つ目の金メダルを獲得しました。さらにハンガリーのゾーフィア・トロチック選手が女子種目で世界新記録を樹立し、国際スポーツニュースとして大きな注目を集めています。
ロン・ドンシー、ダイナミック2種目で金メダル
ロン・ドンシー選手は、大会初日に男子ダイナミック・ウィズアウト・フィン(FFS1–FFS2カテゴリー)で優勝したのに続き、翌日の男子ダイナミック・ウィズ・フィンでも金メダルを獲得しました。記録は181.5メートルで、この種目を制してフリーダイビング種目の二冠に輝きました。
同種目では、デンマークのカスパー・マルティ=ベックマン選手が銀メダル、フランスのアレクサンドル・ボスカリ選手が銅メダルを獲得しています。
競技歴1年に満たないロン選手は、二つの金メダルについて「二冠を達成できて本当にうれしい。日々の練習を支えてくれたコーチに感謝したい」と振り返りました。今後については、「この競技を続け、自分のトレーニングでのベスト記録を超えていきたい」と意欲を語っています。
失格からの逆転劇:黄静秋が女子で金
中国のパラアスリート、黄静秋(ホアン・ジンチウ)選手は、前日に失格となる悔しい結果から立ち直り、女子ダイナミック・ウィズアウト・フィン(FFS1–FFS2)で見事に金メダルを獲得しました。
一方で、同じく中国の黄詩雨(ホアン・シーユー)選手と孔天賜(コン・ティエンツー)選手は、水面浮上後の決められた動作であるサーフェスプロトコルを満たせなかったため失格となりました。ルールを厳格に適用することで、安全性と競技の公平性を守るというフリーダイビングならではの側面が表れた場面と言えます。
マリナも二冠、トロチックは300メートルの世界新
男子では、ポーランドのマテウシュ・ヤン・マリナ選手が、男子ダイナミック・ウィズアウト・フィンでの優勝に続き、ダイナミック・ウィズ・フィンでも金メダルを獲得し、こちらも二冠を達成しました。自身が持つ世界記録には届かなかったものの、39歳のベテランは「脚がかなり張っていて、前日の疲労が残っていたが、きょうのパフォーマンスには満足している。レモンを絞り切るように、持てる力をすべて出し切った」とコメントしています。
女子ダイナミック・ウィズ・フィンでは、ハンガリーのゾーフィア・トロチック選手が、従来の世界記録284.0メートルを大きく更新する300.0メートルをマークし、金メダルと世界新記録を同時に手にしました。
前世界記録保持者であるポーランドのユリア・マウゴジャタ・コゼルスカ選手が銀メダル、同じくポーランドのマグダレナ・ソリフ・タランダ選手が銅メダルとなっています。
トロチック選手は「まだ信じられないが、それだけ世界記録を強く意識していた。どんなコンディションでも、毎回ベストを尽くすことを心がけてきた。それが鍵になったと思う」と、地道なトレーニングの積み重ねを強調しました。
2日間の大会で世界新2つ、中国がメダルランキング首位
今回のフリーダイビング競技は、障がいのある選手とない選手がそれぞれの種目で力を競う、2日間のプログラムとして行われました。その中で、トロチック選手の女子ダイナミック・ウィズ・フィンと、もう1種目で合計2つの世界記録が生まれています。
メダルテーブルでは、中国が金メダル4個で首位に立ちました。続いてポーランドが金3個・銀1個・銅1個、イタリアが金2個・銀2個・銅3個で続いています。
- 中国:金4
- ポーランド:金3・銀1・銅1
- イタリア:金2・銀2・銅3
フリーダイビングが映し出す「限界」と「集中力」
フリーダイビングは、息を止めたままどれだけ長く、どれだけ遠くまで泳げるかを競う競技です。プールで行われるダイナミック種目では、フィン(足ひれ)を使わずに泳ぐウィズアウト・フィンと、フィンを使って推進力を高めるウィズ・フィンに分かれています。
記録を伸ばすには、高い身体能力だけでなく、呼吸のコントロールやメンタル面の安定、そして安全管理が欠かせません。特に、息を止める競技である以上、選手自身と大会側の両方に細心の注意が求められます。サーフェスプロトコルの厳格な運用は、その象徴と言えるでしょう。
パラアスリートの活躍が示す「インクルーシブな舞台」
今回の成都ワールドゲームズ2025のフリーダイビング競技では、障がいのある選手とない選手が同じ会場でそれぞれの種目に臨みました。ロン・ドンシー選手や黄静秋選手の活躍は、パラスポーツの可能性と、競技そのものの奥深さを世界に示したと言えます。
わずか競技歴1年未満で二冠を達成したロン選手、失格から一転して金メダルをつかんだ黄選手、そして300メートルという新たな壁を突破したトロチック選手。それぞれのストーリーは、数字だけでは語りきれない「挑戦のかたち」を私たちに見せてくれます。
読者が押さえておきたい3つのポイント
- ロン・ドンシー選手が男子ダイナミック2種目で金メダルを獲得し、パラアスリートとして大会の象徴的存在になったこと
- ゾーフィア・トロチック選手が女子ダイナミック・ウィズ・フィンで世界記録を300メートルに押し上げたこと
- 中国が金4個でメダルランキング首位となり、ポーランドやイタリアなど各国・地域の競争も激しかったこと
息を止めて限界に挑むフリーダイビング。その舞台で生まれた今回の二冠と世界新記録は、スポーツの枠を超えて、日常の私たちにも「もう一歩、前に進めるかもしれない」という静かな勇気を与えてくれます。
Reference(s):
China's Long Dengxi wins second freediving gold at Chengdu World Games
cgtn.com







