中国が新たなインターネット衛星群を打ち上げ 海南・文昌から
中国が南部の島省・海南にある文昌宇宙発射場から、新たな低軌道インターネット衛星のグループを打ち上げました。衛星インターネット網の拡充に向けた一歩として、アジアや世界の通信地図に静かな変化をもたらしそうです。
中国・海南の文昌から低軌道衛星を打ち上げ
中国は現地時間の水曜日、南部の島省・海南にある文昌宇宙発射場から、地球低軌道(Low Earth Orbit, LEO)を周回するインターネット衛星の新たなグループを打ち上げました。
今回打ち上げられた衛星群は、地上から比較的近い低軌道をまわることで、地上との通信遅延を小さく抑えつつ、広いエリアをカバーすることが期待されています。
低軌道インターネット衛星とは何か
低軌道インターネット衛星は、従来の静止軌道衛星よりも地球に近い高度を飛ぶ通信衛星です。一般的に数百キロ〜2,000キロほどの高さを周回します。
特徴を整理すると、次のようになります。
- 地上との距離が近いため、通信の遅延(タイムラグ)が小さい
- 多数の衛星をネットワークのように配置し、地球全体を面的にカバーできる
- 山間部や離島など、地上インフラの整備が難しい地域にも通信を届けやすい
近年、世界各地で低軌道インターネット衛星の整備が進んでおり、宇宙空間を利用した新たな通信インフラとして注目されています。
中国が衛星インターネットに力を入れる背景
今回の打ち上げは、中国が宇宙を活用した通信インフラを強化している流れの一環とみられます。低軌道衛星のネットワークが整えば、国内の遠隔地を含む幅広い地域で安定したインターネット接続を提供しやすくなります。
また、衛星インターネットは、災害時に地上の通信網がダメージを受けた場合のバックアップとしても期待されています。海上輸送や航空機、遠隔医療やオンライン教育など、さまざまな分野での活用の可能性も広がります。
世界と日本にとっての意味
低軌道インターネット衛星の分野では、複数の国や企業がネットワークづくりを進めています。今回の中国の打ち上げも、その大きな流れの一部と言えます。
アジアを含む地域で衛星インターネットの選択肢が増えれば、通信コストやサービスの質に影響が出る可能性があります。日本にとっても、近隣地域の宇宙インフラ整備がどのようにビジネスや安全保障、規制の議論に関わってくるのかを見ていく必要があります。
同時に、各国が低軌道衛星を大量に打ち上げることで、軌道上の交通整理やスペースデブリ(宇宙ごみ)対策といった共通の課題も生まれています。安全で持続可能な宇宙利用のルールづくりが問われる局面でもあります。
これから注目したいポイント
今回の打ち上げをきっかけに、今後は次のような点に注目が集まりそうです。
- 衛星インターネットサービスの提供エリアや対象となる利用者層
- 地上の光ファイバー網やモバイル通信との役割分担
- 国際的なルールづくりや、他国との協調のあり方
- スペースデブリ対策など、宇宙環境を守る取り組み
宇宙からのインターネットというと少し遠い話に聞こえるかもしれませんが、世界の通信インフラの地図は静かに書き換わりつつあります。中国・海南の文昌から打ち上げられた今回の低軌道インターネット衛星群も、その変化を象徴する動きの一つだと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








