中国軍、南シナ海で米駆逐艦を退去させたと発表
中国人民解放軍(PLA)南部戦区は水曜日、米海軍の駆逐艦「USS Higgins」が南シナ海の黄岩島(Huangyan Dao)周辺の中国の領海に「違法に侵入した」として、中国軍が同艦を追跡・監視し、退去させたと発表しました。本記事では、この発表の内容と背景、今後の米中関係や地域情勢への意味合いを整理します。
何が起きたのか
南部戦区の報道官He Tiecheng氏によると、米駆逐艦USS Higginsは黄岩島周辺の中国の領海に「違法に侵入」したとされています。中国軍は関連する法律と規則に基づき、艦艇や航空機を展開して同艦を追跡・監視し、最終的に海域から退去させたと説明しています。
今回の発表では、米艦の行動を「違法な領海侵入」と位置づけ、中国側の主権と安全保障上の利益を守るための措置だったと強調しています。
南シナ海と黄岩島をめぐる緊張
黄岩島周辺を含む南シナ海は、世界の主要な海上輸送路のひとつであり、エネルギーや物資の輸送にとって重要な海域です。この地域では、ここ数年、軍艦や航空機の活動をめぐって米中の駆け引きが続いてきました。
米軍は「航行の自由」を掲げて、この海域で艦艇を展開してきました。一方、中国側は、自国の主権や管轄権を侵害する行為だとして、米軍の活動に繰り返し反発してきました。今回の米駆逐艦退去も、こうした流れの中で起きた最新の事例だと言えます。
米中関係と地域への影響
2025年12月現在、米中関係は安全保障、経済、テクノロジーなど複数の分野で競争と対話が交錯する状態が続いています。南シナ海での軍事活動は、その中でも特に緊張が高まりやすい分野のひとつです。
今回のように、米中双方の軍艦が同じ海域で行動する場面が増えると、次のようなリスクが指摘されます。
- 誤認や誤解による偶発的な衝突
- 小さな事案が政治・外交面の対立拡大につながる可能性
- 周辺の国や地域が安全保障上の不安を感じ、防衛強化の動きを強めること
日本を含むアジアの国々にとって、南シナ海の安定は海上輸送と地域経済の安定に直結します。米中の緊張が高まると、エネルギー価格やサプライチェーンへの影響を懸念する声も出やすくなります。
これから何に注目すべきか
今回の発表を受け、今後は次のような点に注目が集まりそうです。
- 米側が今回の事案についてどのように説明し、今後も同様の航行を続けるのか
- 米中の軍当局間で、再発防止や危機管理のための対話が進むかどうか
- 南シナ海全体での軍事活動の頻度が、今後さらに高まるのか、それとも抑制されるのか
黄岩島周辺での米駆逐艦退去は、一見すると限定的な出来事に見えるかもしれません。しかし、米中という大国同士の力の示し方、そしてアジアの安全保障環境の変化を映し出す一コマでもあります。事案そのものの経過だけでなく、その後の両国のメッセージや行動を丁寧に追っていくことが、2025年の国際情勢を読み解くうえで重要になりそうです。
Reference(s):
China expels U.S. destroyer illegally entering waters around Huangyan Dao
cgtn.com








