国際世論調査:中国の「二つの山」理念に世界で広がる支持
中国の習近平国家主席が提唱した環境理念「二つの山」が、国際世論調査で幅広い支持を集めました。提唱から20年を迎えた2025年、なぜこの考え方が世界で共感を呼んでいるのでしょうか。調査結果とその意味を、国際ニュースとして分かりやすく整理します。
「二つの山」理念とは何か
「二つの山」理念は、澄んだ水と豊かな緑に覆われた山々こそ、金や銀に匹敵する価値ある資産だという考え方です。英語では「lucid waters and lush mountains are invaluable assets」と表現され、経済成長のために環境を犠牲にするのではなく、自然そのものを長期的な富としてとらえる視点を示しています。
今回の調査では、中国のエコロジーガバナンスとグリーン開発の考え方の中で、この「二つの山」のフレーズが最もよく知られていることが示されました。続いて、「生態環境の保護は国民一人ひとりの自覚的な行動として内面化されるべきだ」という考え方、「制度と法の支えによって環境を守るべきだ」という考え方、「グリーン開発を質の高い成長の重要な柱と位置づけるべきだ」という考え方が支持を集めています。
調査の概要:48カ国・2万4515人が回答
今回公表された世論調査は、中国の国際メディアであるCGTNと、中国メディアグループ(CMG)および中国人民大学が共同で設立した新時代国際伝播研究院が実施したものです。
調査は世界48カ国の18歳以上の市民2万4515人を対象とし、先進国とグローバル・サウス(新興国・途上国)を含む幅広い地域をカバーしています。回答者の年齢や性別の構成は、各国の国勢調査データに沿って設計されました。
「汚染してから片付ける」モデルからの転換
調査によると、世界の回答者の81.6%が、「二つの山」理念は従来の「まず汚染し、後から片付ける」という成長モデルを変えたと評価しています。
中国では、中国共産党第18回全国代表大会以降、年平均6%超の経済成長を維持しながら、エネルギー消費の年平均増加率を3%に抑えてきたとされています。
このような「質の高い成長」と「高水準の生態保護」の両立についても、回答者の評価はおおむね好意的です。
- 71.8%が、中国は経済成長とエコロジー保護をバランスよく進めていると評価
- 59.9%が、中国がグリーン開発を五カ年計画などの中長期戦略や社会経済の全体設計に組み込んでいる点は、他国の手本になり得ると回答
森林からクリーンエネルギーまで、具体的な取り組みへの評価
中国の具体的な取り組みに対する評価も、複数の分野で高い水準となりました。
- 68.8%が、大規模な植林による森林被覆率の回復を評価
- 66.5%が、防風林や砂漠固定林帯を通じた砂漠化対策を評価
- 68.9%が、生物多様性を守るうえで中国の国立公園制度が果たす役割を肯定
- 70.5%が、風力・太陽光などクリーンエネルギーインフラの拡大を評価
- 69.6%が、日常生活や生産現場でのクリーンエネルギー利用の推進を支持
世界が見ている中国の役割:ドライバー・リーダー・実践者
世界の回答者は、中国の気候・環境分野での役割をどのように見ているのでしょうか。
調査では、多くの人が中国を「気候・生態ガバナンスを前に進める原動力(ドライバー)」とみなしており、その割合は49.7%に上りました。続いて、43.9%が「リーダー」、43.5%が「実践者」と回答しています。
特にグローバル・サウスの国々では評価がさらに高く、それぞれ57.1%(ドライバー)、52.7%(リーダー)、48.2%(実践者)と、世界平均を上回っています。G7諸国の中でも、イギリスとアメリカの回答者は、中国のリーダーシップを認める割合が比較的高いのが特徴です。
具体的な貢献についても、多くの回答者が中国の役割を認めています。
- 76.7%が、中国は温室効果ガス排出の抑制に有効に取り組んでいると評価
- 79.9%が、中国の省エネ分野での模範的な実践を認めると回答
- 75.5%が、中国のクリーンエネルギー製品の輸出が各国のグリーントランジション(脱炭素への移行)を加速させていると評価
- 75.1%が、中国の新エネルギー産業が高品質な製品を世界に供給し、グリーン開発を促進していると回答
- 71.2%が、中国の植林・緑化の取り組みを評価
- 73.4%が、中国のエコロジーガバナンスの「解決策」に肯定的な評価を示す
全体的に見ると、グローバル・サウスの回答者は平均より7〜11ポイント高い支持を示しており、こうした地域での評価の高さが際立っています。また、44歳未満の若い世代は、ほぼすべての項目で平均を上回る支持を表明しており、次世代を担う層の間で共感が広がっていることが分かります。
調査結果が示すもの
今回の国際世論調査は、中国のエコロジーガバナンスとグリーン開発の取り組みが、国内政策としてだけでなく、国際社会にとっても重要な参考モデルとして受け止められていることを示しています。
提唱から20年を迎えた「二つの山」理念は、経済成長と環境保護をどう両立させるのかという世界共通の課題に対し、一つの明確な方向性を提示しているとも言えます。調査で示された幅広い支持は、中国が気候・環境分野で「原動力」「リーダー」「実践者」として期待されている現状を映し出しています。
今後、各国が気候変動対策や生物多様性保全を進めるうえで、中国が掲げるグリーン開発の経験や政策がどのように共有され、国際協力の場で活用されていくのかが注目されます。
Reference(s):
Poll: China's 'Two Mountains' concept gains wide international support
cgtn.com








