China Questが描く中国の緑の転換 竹とクリーンエネルギーと西湖 video poster
環境と経済をどう両立させるかは、2025年の今も世界共通の課題です。中国の現場を国際的な視点から追うドキュメンタリーシリーズ「China Quest」のエピソード2は、竹素材、クリーンエネルギー、西湖の景観保全という三つの物語を通じて、その問いに静かに向き合います。本記事では、日本語ニュースとしてこのエピソードのポイントをかみ砕いて紹介し、私たちが日常から何を学べるのかを考えます。
China Quest エピソード2が描く「緑の旅」
「China Quest: A journey through lucid waters and lush mountains(エピソード2)」は、澄んだ水と豊かな緑をキーワードに、中国の環境保護とグリーン転換を見つめる国際ニュース・ドキュメンタリーです。
案内役を務めるのは、ヨーロッパ・アジアセンターの会長であり、国連の元事務次長でもあるエリック・ソルハイム(Erik Solheim)氏です。長年、国際社会で環境分野に関わってきた人物が、中国の現場を歩きながら、次の三つの問いを投げかけます。
- 竹はプラスチック汚染と闘う助けになるのか
- クリーンエネルギーはどのように効率よく蓄えられているのか
- 毎朝日の出前に、西湖の美しさを守っているのは誰なのか
いずれも技術だけでなく、人の暮らしや価値観と強く結びついたテーマであり、視聴者に「自分ならどう選ぶか」を静かに問いかけます。
竹はプラスチック汚染の切り札になれるか
最初の焦点は、世界中で問題になっているプラスチック汚染です。番組は「Can bamboo help combat plastic pollution?(竹はプラスチック汚染と闘う助けになるのか)」という問いを出発点に、竹の可能性を探ります。
竹は、成長が早く、繰り返し収穫できる植物として知られています。使い捨てのプラスチック製品を、竹を原料とした製品に置き換える試みは、すでに各地で進みつつあります。エピソード2では、そうした流れの中で、竹が持つ次のような特徴に注目しています。
- 比較的短い期間で成長し、資源として再生しやすいこと
- プラスチック製のストローや食器、日用品の代替素材になり得ること
- 土に還る素材として、廃棄時の環境負荷を抑えられる可能性があること
一方で、竹製品の価格、製造プロセス、耐久性や品質のばらつきなど、現実的な課題も残ります。番組が提示するポイントは、「竹ならすべて解決する」という単純な話ではなく、素材の選び方や使い方を含め、社会全体のシステムをどう変えていくかという視点です。
私たちの日常でも、次のような問いを持つきっかけになります。
- コンビニやカフェで、使い捨てプラスチックをどれだけ使っているか
- 代替素材の製品を見かけたときに、積極的に選べているか
- 「便利さ」と「環境負荷」のバランスをどう考えるか
クリーンエネルギーをどう蓄えるかという難題
二つ目のテーマは、「How is clean energy stored efficiently?(クリーンエネルギーはどのように効率よく蓄えられているのか)」という問いです。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、二酸化炭素をほとんど出さない一方で、天候や時間帯に大きく左右されます。
そこで重要になるのが「蓄える技術」です。エピソード2は、クリーンエネルギーの普及を支える裏側の仕組みに光を当て、次のような視点を提示していると考えられます。
- 発電量が余る時間帯に電力を蓄え、不足する時間帯に放出する仕組み
- 大規模な蓄電設備や、送電網(電力ネットワーク)の運用の工夫
- 安定した電力供給と、脱炭素の両立を目指す取り組み
クリーンエネルギーは、「作れば終わり」ではありません。蓄える技術と送る仕組みがあって初めて、私たちの生活を支えるエネルギーとして機能します。番組の視点は、再生可能エネルギーをめぐる議論を、発電所の種類ではなく「システム全体」で捉える重要性を示しています。
日本でも電力需給の逼迫や、再生可能エネルギーの導入拡大が議論される中で、中国の事例を国際ニュースとして見ることは、自国のエネルギー政策を考えるヒントにもなり得ます。
西湖の朝を支える「見えない仕事」
三つ目の物語は、「Who ensures the beauty of the West Lake before sunrise every day?(毎朝日の出前に、西湖の美しさを守っているのは誰なのか)」という問いから始まります。中国を代表する景勝地の一つとして知られる西湖の景観は、自然に任せているだけで維持されるものではありません。
エピソード2が描くのは、多くの人が観光に訪れる時間よりはるか前、まだ夜の名残が残る時間帯から動き始める人たちの姿です。たとえば、次のような「見えない仕事」が想像されます。
- 湖畔や遊歩道のごみを回収し、景観を整える清掃スタッフ
- 植栽や樹木の手入れを行い、四季折々の風景を守る管理担当者
- 水質や環境の変化を監視し、異常があれば対策を講じる専門スタッフ
観光客が目にする「美しい景色」の背後には、毎日のルーティンとして働く人々の努力があります。番組が問いかけるのは、西湖という象徴的な景勝地を通じて、私たちが暮らす街や公園、川や海でも同じように支え手がいることを、どれだけ意識できているかという点です。
通勤途中に見る整った街路樹、きれいに保たれた駅のホーム、公園の芝生。その多くは、誰かの早朝や深夜の仕事の結果です。西湖の物語は、その「当たり前」の風景を、少し違う目で見るきっかけになります。
三つの問いがつなぐ、環境とわたしたちの暮らし
竹素材、クリーンエネルギー、西湖の景観保全──一見バラバラに見える三つのテーマですが、エピソード2を貫く軸は、「環境と暮らしをどう両立させるか」という問いです。
- 素材の選び方(竹とプラスチック)
- エネルギーの作り方と蓄え方(クリーンエネルギーと蓄電)
- 景観や観光の裏側で働く人たちの存在(西湖の管理)
どのテーマも、技術や政策だけでは完結しません。日々の選択や、社会として何を優先するかという価値観が大きく関わっています。国際的な視点を持つ案内役が中国の現場を訪ねることで、このメッセージは、特定の国の話ではなく「世界全体の課題」として浮かび上がります。
日本の私たちにとってのヒント
2025年の今、日本でもプラスチック削減、再生可能エネルギーの導入、観光地のオーバーツーリズムと環境保全など、似たテーマが議論されています。「China Quest」エピソード2は、そうした議題を考えるうえで、次のようなヒントを与えてくれます。
- 代替素材の活用やリサイクルに対して、消費者として何ができるかを考える
- 電力の「使い方」だけでなく、「どのように作り、蓄えているのか」にも関心を持つ
- 観光地や身近な公共空間を支える人たちへの想像力を持つ
国や都市ごとに制度や状況は異なりますが、環境と暮らしを両立させたいという思いは共通しています。国際ニュースやドキュメンタリーを通じて他地域の取り組みを知ることは、自分たちの足元を見つめ直すきっかけになります。
おわりに 「緑の旅」から持ち帰りたい問い
「China Quest: A journey through lucid waters and lush mountains(エピソード2)」は、壮大なスケールの自然風景と、足元の小さな行動の両方を見せながら、環境と経済、便利さと持続可能性のバランスを問い直す内容になっています。
竹は本当にプラスチックに代われるのか。クリーンエネルギーをどう蓄え、どう使うのか。西湖のような景色を、次の世代にどのように引き継ぐのか。これらの問いは、中国だけでなく、私たち一人ひとりに向けられています。
通勤電車の中や、スキマ時間にこうした国際ニュースを追いかけることが、やがて日常の小さな選択を変える一歩になるかもしれません。
Reference(s):
China Quest: A journey through lucid waters and lush mountains (Ep. 2)
cgtn.com








