神舟20号クルー、新型宇宙服で3回目の船外活動へ 中国の宇宙開発が新段階
中国の神舟20号クルーが、まもなく3回目の船外活動(スペースウォーク)に挑みます。新型の船外活動用宇宙服も投入される予定で、中国の宇宙ステーション運用が一歩進んだことを印象づける動きです。
神舟20号クルー、第3回船外活動を準備
中国有人宇宙局(CMSA)は木曜日、軌道上の宇宙ステーションに滞在している神舟20号の宇宙飛行士たちが、近く3回目の船外活動(EVA)を実施する予定だと明らかにしました。
現在、宇宙ステーションに滞在しているのは、チェン・ドン(Chen Dong)、チェン・ジョンルイ(Chen Zhongrui)、ワン・ジエ(Wang Jie)の3人の宇宙飛行士です。CMSAによると、3人はすでに2025年5月と6月にそれぞれ1回ずつ、計2回の船外活動を終えています。
天舟9号の到着と新しい宇宙服
神舟20号クルーは、貨物補給船「天舟9号」の到着により、新たな物資の「荷物配達」も受け取りました。天舟9号は中国の貨物宇宙船シリーズの一つで、宇宙ステーションの運用に必要な物資や機器を届けます。
今回の補給では、新しい船外活動用宇宙服も届けられており、クルーはすでにその開封作業を完了しています。今後予定されている第3回の船外活動では、この新型宇宙服が実際の作業で使われるとみられます。
一般に、新しい船外活動用宇宙服は、安全性の向上や作業のしやすさを高めることを目的に設計されます。長時間の船外活動や、細かいメンテナンス作業を支える装備として、その性能が注目されます。
軌道上で続く「見えない仕事」
船外活動のニュースは目を引きますが、クルーの仕事はそれだけではありません。CMSAによると、神舟20号の3人は宇宙ステーション内で、次のような日常業務もこなしてきました。
- 船内環境の監視(気圧や温度、空気の質などのモニタリング)
- 各種機器の点検や保守・整備
- 物資や装置の在庫管理
- 天舟9号が運んだ貨物の移送・整理
こうした作業は、宇宙ステーションを安全かつ安定的に運用し続けるうえで欠かせない「縁の下の力持ち」のような役割を果たします。
宇宙飛行士の健康状態と準備状況
CMSAは、3人の宇宙飛行士はいずれも良好な身体・精神状態を保っており、次の船外活動に向けて万全の準備が整っていると説明しています。
長期間の宇宙滞在では、無重力の影響による筋力低下や骨密度の減少、睡眠リズムの乱れなど、健康面でのリスクが常につきまといます。そのなかで「身体的にも精神的にも良好」という評価が出ていることは、ミッション遂行能力の高さを示すものと言えます。
なぜ今回の船外活動が注目されるのか
今回予定されている神舟20号クルーの第3回船外活動は、少なくとも次の点で注目されています。
- 新型宇宙服の実戦投入:天舟9号が運んだ新しい船外活動用宇宙服が、実際の運用フェーズに入る可能性が高いこと。
- 複数回EVAが前提の運用段階:2025年5月・6月に続く3回目のEVAは、中国の宇宙ステーション計画が継続的な保守・運用フェーズに入っていることを示します。
- 宇宙ステーションの長期運用への布石:環境監視や設備保守と組み合わせた一連の活動は、今後の長期運用に向けた基盤づくりと位置づけることができます。
宇宙ステーションでの仕事は、一回ごとのミッションが派手な成果を生むとは限りません。しかし、複数回の船外活動や地道なメンテナンス作業の積み重ねが、将来のより高度な宇宙探査や長期滞在の前提条件を整えていきます。
これから何を見ていけばよいか
デジタルネイティブ世代や国際ニュースに関心のある読者にとって、今回の神舟20号ミッションは次のような視点からフォローすると理解が深まりそうです。
- 第3回船外活動で、新型宇宙服がどのように使われたのか
- 今後も定期的な船外活動が続くのか、運用のリズムがどう変化していくのか
- 環境監視や設備保守など「地味な仕事」が、どのように宇宙ステーションの安定運用を支えているのか
宇宙開発は、国家間の競争や「ビッグニュース」として語られがちですが、現場では一つひとつの作業を着実に積み上げる長期プロジェクトでもあります。神舟20号クルーの活動は、そのプロセスを知る手がかりになると言えるでしょう。
Reference(s):
China's Shenzhou-20 crew to conduct 3rd spacewalk with new spacesuits
cgtn.com








